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SILVER SKY - シルヴァー・スカイ -  作者: 梁間 蕭雨
第二部「深化」
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DRAGON CRY


 今、古代兵器と言ったか?

 昨日のリサーチと食い違う。


 あくまでネット情報だが、治験を行うのは新開発の武器に対してだったはずだ。



 しかも何だ、古代兵器って。



「まず、龍鳴とは何かについて説明していこうと思います。」


 すると、舞台袖からスーツを纏った女性が布のかけられた台を押してきた。

 布を外すと、一本の棒が入っていた。


 直径は4センチ、長さは20センチ程度か?


 両端にはクロス状の輪が、棒身には奇妙な紋様が彫られている。


「こちらが、龍鳴であります。」


 会場に小さな波が走る。


 まあ、妥当な反応だ。

 あんな棒きれ、と誰もが思っただろう。


「まず、実践してみましょう。この()の部分を握ります。」


 実践するのは、先程台を押してきた女性だ。


 龍鳴、と呼ばれるものを握る。



 すると。



 クロスの輪から1メートルと少しぐらいの光線が発生する。


 初めは不安定だった光がやがて棒身と同じぐらいの太さを獲得する。




「うっ、がぁっ!あああああああああっ!!!」




 急に女性が悶え始めた。



 会場もザワつきを抑えられなくなっている。



 同時に光も弱くなって、途切れ途切れになっていく。



 心なしか、女性の顔がやつれているようにも見えた。


(待て、コレって……)


 やがて、光線は完全に消えた。

 龍鳴を床に落とし、前のめりに倒れ込む。


「…ねぇ、やばくない?」

「死んだ……?」


 ヒソヒソと各所で不安な声が聞こえる。



 先程倒れた女性は担架に乗せられ、搬送された。



  §§§



 そこからは、地獄絵図だった。



 混沌の中、整理券が渡され、順番に龍鳴を手に取ってみる。



 同じような現象が何度も起こり、何人も運ばれた。



 ついに、俺の番が回ってきた。



「これを、握ればいいんですね?」

「はい、そうです。勝手に起動します。」


 手に取ってみる。


 死ぬのか?

 そんなことを考えながら、ドキドキしながらも握ってみる。




 何も、起こらない。


 数秒経った。


 役員の人たちが何やら怪しげな目配せをしている。


 すると。


「すみません、一度、「起きろ」と言っていただけますか。」

「え、はい。起きろ。」



 ヴンッ!



 起動した。



 けど。



 さっきと違う。

 さっきは細い光線が段々と太くなっていた。


 今は、いきなり太い光線がガッと出た感じだ。


 で。



 消えないし、倒れそうにもない。



「適合だ。」

「え?」

「おめでとうございます!あなたが適合者です!」

「いや、」






「え?」







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