表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/27

放置され続ける王子と側近


 あれから、ノエルには二回ほどLv上げに行ってもらい、Lv10になってもらった。

 このゲームは、倒した魔物の経験値が固定でなく、キャラのLvよりも高いか低いかで変わる。

 この辺りの魔物はLv10ちょいなんで、Lv10までは結構簡単に上げられる。


 そして、旅立ちの準備を整え、今日、出立である。


 あまり急がせたくない気持ちもあるが、時間が経つと、ある時点で魔王を含む全ての魔物のレベルが上がってしまう。

 無理のない範囲で急ぎたい。


「ルルーシェ・サザーランド!

 今日は聖女ノエルの出立の日だと言うのに、何故、王都の南側にいるのだ!?」


 ……忘れてた。コイツらの存在を。


「アーノルド第二王子殿下。

 聖女ノエル様には、オリエント王国からの依頼をこなしてもらわねばなりません」


 この国は、前述のとおり、変な地形の中に位置しているので、魔王城以外の場所に行くには、先ずは南下せねばならない。


「それがおかしいのだ!

 何故、真っ直ぐ魔王城に向かわない?」


 アーノルドの主張にも一理ある。

 Lvを上げてからでないと危険、という理由はあるが、世界の危機なんだから、真っ直ぐ向かえよ。

 という意見は正しいことは正しい。


 しかし、

「オリエント王国は、世界の東寄りに位置する我が国より、東側に存在する唯一の国です。

 そのため、西側で神託を授かった歴代の聖女様、勇者様の道行に、これまで協力してこれませんでした。

 魔王討伐による魔物沈静化の恩恵は、聖女様、勇者様への協力の度合いに比例します。

 オリエント王国から、聖女様、勇者様が、我が国から選ばれた場合、魔王討伐前に訪れて欲しい、という要望が以前から出されていました」


「何人でも好きなだけ人を送ってくれば良いだろう。

 それで事足りよう」


「……それで事足りなかったからこそ、このような依頼になったのですよ」


「もう良い!

 ルルーシェ・サザーランド、おまえの的外れな助言にはもうウンザリだ。

 パーティーを離脱してもらおう!」」


「では、別行動しましょう。

 わたしはルルーシェ様について行きます」


「な?なんだと」


「行きましょう、ルルーシェ様」


「え?あ、あの、王子と側近は、貴重な前衛で(あなたの攻略対象なんだけど……)」


「行こう、ルルーシェ。

 前衛は、シンとかいるし。

 毒の湖沼を僕らだけなら簡単に渡れるけど、王子達は回復しながらじゃないと渡れないから足手まといだよ」

 た、確かにィ。


 ゲームでは、棺状態になった三人をそのまま引きずって渡り終わって、大きめの都市についてから教会の神官に回復してもらってた。

 仲間にした時点でLvが20超えてたカークライトなら、途中で回復しながらで行けたけど、Lv10ちょいしかないあの三人はちょっとキツイ。


 後衛職三人だけの旅も、序盤だったから、カークライトの高レベルと、回復職二人でなんとか切り抜けたと思う。


 途中の小さな拠点で一泊して、ワンチャン、蘇生しないかと思ったけど、ダメだった。

  

 ぶっちゃけ笑ってた。

 コイツら王子と側近なのに、ずっと棺のまま放置されてるよって。

 

 でも、流石にリアルで、王子にやるのは、ちょっと……


 結局、喚いていたアーノルド達を放置し、毒の湖沼を渡ってきてしまった。


 確か、アーノルド達を回復してもらった次の拠点くらいで、仲間になるキャラが居たはずだから、きっと平気。た、多分。


 毒の湖沼は、ゲームでは徒歩で渡ってたけど、実際の水深はそこまで浅くない。


 船を手配しておいた。

 船の手配を引き受けてくれた人は、アーノルド達のことを忘れていなかったので、ゆったりとした船旅でございました。


 ちなみに、船でも湖沼の毒ダメージは受ける。


 渡り終わった所で、シンが率いる隊商と合流した。 


 今は、三人で、私が出したパオみたいな見た目のテントで寛いでいる。

 

 このテントはゲームにも出てきた。


 昼夜があるゲームは、それなりにあるけど、このゲームだと、夜になると野営しないといけない。


 ルルーシェを仲間に入れない場合、野営の見張りをヒロインと攻略対象にすることで会話イベが発生する。

 少しずつだが狙った相手の好感度を上げられるようになってる、というのを攻略板で見た。


 ルルーシェを仲間にしてると、ルルーシェが自動的に

「では、テントを設営しますわね」

 と言い出して、一晩経って、HPとMPが全回復する。

 ちょっと面倒くさいが、メリットもある仕様になっている。

 

 ゲームのルルーシェは設営、とか言っているが、完成したパオみたいなのを丸ごと出し入れしてるだけだ。


 闇魔法っぽさを出すためだと思われた、影から出し入れ、という設定はどうなったのか、という大きさだ。

 実際は、手元だけ影にしてもらえれば大丈夫。

 便利だけど、そんな設定、いっそ無くしておいても?という疑問をいつも感じる。


 中は、パオとは違う。

 まず、ドーナツ状に分けて、中心の円以外を、ケーキを切るみたいに四分割する。

 中心の円と、扉に当たる部分を含む四分の一が、共用部分。

 共用部分に台所と簡易の入浴設備。

 残りの三つが個室。

 ノエルとクレスト、私で使っている。


 シンは、また別のを持っている。


 ノエルはともかく、クレストが何故この部屋割りかというと、食事のせいらしい。

 私の作るものなら、肉が入っていても食べられるってことで。

 収納に入っている料理長の料理の方が美味しいと思うけど、その場で作ったものの方が好きとか。


 まぁ、必要に応じて、シンのところに移ってもらえばいいし。


 向かうオリエント王国は言葉通り、東にあるわけだが、海を渡った所にある。

 大きな港のある都市まで行かなくてはならないので、これからまだ南下が必要である。



<現在の聖女ノエルのステータス>


名称:ノエル

年齢:16歳

称号:聖女

状態:正常

Lv  10

HP  960/960

MP 1580/1580

攻撃  126

防御  154

魔攻  136

魔防  166

命中  152

回避  146



読んで下さってありがとうございます。

これからもお付き合い下さると嬉しいです。


ルルーシェが魔物に近寄れないので、

ルルーシェ視点だと、戦闘シーンが無いのですが、

あった方が良い方、いらっしゃいますかね?

最後の方には出てきますが、参考にさせていただけるとありがたいです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ