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勇者様の凱旋パレード

後書きを先に読む方はあまりいないと思われますが、ネタバレしてますので、ご注意下さい。


 三人に事情を聞いたが、力不足と答えるばかりで良く分からなかった。

 ノエルのLvが上がってしまったので少し差もあるが、もらえる経験値が魔物とのレベルによるので、レベル差は何とかなるはずだ。


 迅雷親方に聞いたところ

「連携がな……、見んと分からんだろうが」

 大蛇戦では私も加わっていたが、ノエルは私の防御に回ってくれていたので、ノエルの戦いぶりを私は見れてない。


 肝心の二人は

「僕はどっちでも構わないよ。ノエル次第かな」

「わたしも構いません。

 ルルーシェ様は何か考えてることがあるんですか?」 

 

 良い機会だったので、魔王城の結界の話をする。

 流石に前世の事までは話さないが。


「そんなものがあるんだね。

 アタシらが通れるかはわからないけど、行ってみるよ」

「無駄かもしれずとも行ってみ申そう」

「国からの依頼に応えられるとあれば異論ない」


 どうにか三人にもついて来てもらえることになった。


 後日、別のクエストを三人が持って来てくれたので、ノエル達と行ってもらう。

 クエスト内容は、『龍の洞穴』と似たようなもの。

 ダンジョンに人食い熊が住み着いてしまった、だ。

 魔物とリアル生物脅威が一緒になってしまうと、本当に落命の可能性があり、危険だ。


 迅雷親方の拠点よりは少し遠方。

 他の弟子の事もあるので、迅雷親方達とは今回は別行動。

 

 ゲームではダンジョンボスではあるが、前回同様、私が同行して人食い熊だけを先に倒す。

 前世同様、熊は普通は人を襲わないが、何かきっかけがあって食人してしまうと、継続して人を襲うようになるので、討伐が必要だ。

 出来るだけ危険を避けて、おびき出した熊を、距離を取って倒す。

 ステータス外で炎の魔法が使えるサーシャがメイン火力、補助火力に私達弓兵。

 延焼を避けるためにも、パーティーメンバー以外の人員を配備して行った。


 熊を討伐後は、パーティーメンバーで魔物が増えてしまったダンジョンを攻略してもらった。



「ノエル様ー!」

「ありがとー!」


 クエストこなして、戻って来た。

 日を置いて、凱旋パレードしてもらってます。

 こうやって、今代の勇者や聖女を認識して、声援を送ったりする事で、魔王討伐後の魔物の鎮静化により大きな効果があると考えられている。


 私がここに居るのおかしい気もするけど、マネージャーポジだと思うことにする。

 あれ?マネージャーポジ、ここでいいか?

 

 ともあれ、凱旋パレード。

 ここまでは問題ない。


 問題はこっち。


「勇者ノエル様ー!」

「キャー、ノエル様ー!ステキー!」

「勇者様ー!結婚してー!」


「何言ってるのあの人?女同士は結婚できないよ」

 そうね、この世界、まだセクシャルマイノリティに対する理解が進んでないからね。


 ……ではなく、いや、それもそうなんだけど、ではなく。

 以下、ステータスに現れないノエル情報。


 僅かにピンクの色味を持つ、艶やかでサラサラしたブロンド。

 爽やかな春の新緑を思わせる緑の瞳。


 多くを言葉で語らず、実績で示す、言動。

 中性的な整った顔立ち。

 笑うとキラリと光る白い歯。


 そして、

 身長178㎝、体重73㎏。

 すらりとした手足、程よくたくましい体躯。

 オリエント王国の威信をかけた、エキゾチックなデザインの鱗鎧が良く似合う。


 イケメン。どう見てもイケメン。


 聖女(ヒロイン)ノエル、

 激太りからの、相撲取りを経ての、イケメン化、ですよ。


 この世界が乙女ゲームの世界なら、ここから一体どこに向かっているのか?


 ゲームで見たときは、スレンダー系のヒロインだとは思っていた。

 乙女ゲームのヒロインが、男好きのする体型よりは、女性受けが良いスタイルなのは違和感なかった。


 この世界で会ってから、気付いていたことがある。

 聖女(ヒロイン)、背、高いな、と。


 私が168㎝なんだけど、比べて、明らかに高い。

 

 出会った時は、今よりはもう少し低かった。

 アーノルド達の背が高いから、まだクレスト以外のメンバーよりは少しは低いかもしれない。


 でも、イケメン度では、攻略対象達と比べてぶっちぎりでは? 

 ノエルの名が、男女両方にある名前な事も合わせて、誤解されまくりである。


 ノエルが伸びてきた髪を切ろうかと言い出した時は、必死で止めた。

 今は、私がその柔らかめの髪を丁寧に梳いて、後ろで三つ編み一つにしている。

 でも、男性でもしている髪型だから、功を奏していない。


 ちなみに、どうでもいいけど、私の髪型がドリルなのは、比較的これが楽だからだ。

 自然にしてると貞子みたいになってしまう。

 ぎちぎちにセットして、そのままドリルをキープ。

 キチンとした髪型としてはドリルが一番楽。苦渋の選択ではある。


 厳しい稽古とクエスト二つをこなして、ノエルはもう太っていない。

 元々のスレンダー系に筋肉が足されている。


 先日の、大蛇の鱗を使って防具を作成してもらった。

 前世の二次元のビキニアーマーなどではない。

 ガチの軽鎧。

 動きを阻害せずに防御力抜群の優れものだ。 


 惜しむらく、さらに性別が分かりにくくなっている……

 

 

<現在の聖女?ノエルのステータス>


名称:ノエル

年齢:16歳

称号:聖女?、グラップラー

状態:正常

Lv  40

HP 4250/4250

MP 2450/2450

攻撃  462

防御  456

魔攻  260

魔防  258

命中  442

回避  460



 ……一番大事な称号に付いてはいけない記号がー!?



読んで下さってありがとうございます。


やっと、ここまで来ました。

私の頭には、ずっとイケメン化済みのノエルがいて、ノエルの容姿を説明すると何かこぼれそうでした。

皆様と、ヒロイン、飢え死に寸前→激太り→相撲取り→イケメン化を共有出来て、感無量です。

ちゃんとノエルのイケメン化ぶりが伝わっていれば良いですが。

激太りネタバレからは一気に、と思っていたんですが、流石に時間経過が無いと、無理がありすぎ。

でもイケメン化ネタで頭が占められていて、前回は上手くおとせず、すみませんでした。


ここからは、最後のオチのために、シリアス展開が入ったりします。

ハードな表現は無いつもりですが、苦手な方には申し訳ありません。

出来れば、最後までお付き合いいただきたいです。

よろしくお願いします。

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