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幻想生物はいないハズ


 迅雷親方の見立ては正しく、指導の相性も良かったらしい。

 ノエルはどんどん強くなっていっている。


 何はともあれ、ノエルのステータス伸びは良いし、まだぽっちゃりはしてるけど、肥満も治ったんで、これで良いことにした。

 ……魔法に関するステータスがほとんどMPしか伸びていないことは見ないことにする。

 

 迅雷親方は、思った以上に顔が広かった。

 

 稽古に利用している二つのダンジョン情報。

 柔道、空手、剣道、弓道などの道場主との交流。


 これらをノエルにも活用してくれた。

 ノエルに相撲を教えるだけでなく、他の格闘技の専門家に会わせ、適性を見てくれたのだ。


 結論、ノエルはグラップラー。

 武器を使った攻撃は苦手。

 しかし、素手での攻撃は、迅雷親方の見立て通りの才能。

 ……これまでノエルが使っていたヒロインらしい可愛いデザインのスタッフは、私の収納の中に入ってる。


 確かに、拳闘家タイプのヒロインはいるよ?

 でもそれ、乙女ゲームのヒロインでは無くない?



 ……聖女(ヒロイン)が前衛化しつつあるが、私のやる事は変わらない。

 まだ、パーティーメンバーが二人しかいないのだ。


 ゲームでは、四人までしか一度の戦闘に出せなかったが、リアルではそんな人数制限は無い。

 しかし、有利になってばかりでもない。

 ゲームのような戦闘画面の切り替えが無いので、魔物が戦いに加わってくるのも制限が無い。


 二人だけでは心もとない、と思うのだ。


 という訳で、オリエント王国に交渉してきた。


 派遣される予定のキャラに直接来てもらうことにした。


 それから、オリエント王国側が考えていた支援の一部を、迅雷親方が行ってくれているとすること。

 その分、部屋に補助が入るので、迅雷親方や椿さん達へのお礼になるし、ノエルにとってもこのままが良さそうだから。

  

 ノエル達へ武器防具の融通も考えてくれていたので、ノエルの体型変化が落ち着くのを待って、防具をお願いしてきた。今は、間に合わせの防具を貰っている。

 クレストの武器防具は、もう貰って来た。希少材料のスタッフと、珍しい付与魔法付きのローブで、クレストも気に入ったみたいだ。

 


 今日は、パーティーメンバーが来てくれて、国からの依頼に一緒に行ってもらうことになっている。

 

「拙者はマサムネと申す。よろしく頼み申す」

「アタシはサーシャ。

 見て分かる通り、この国の生まれではないけど、オリエント王国に依頼を受けた者だよ。

 これから、ヨロシクね」

「それがしはホムラ。よろしく頼む」


 マサムネが侍で、ホムラが忍者だ。

 面倒くさいことに、二人とも無口よりのキャラ。

 必要な事は話してくれるし、問えば答えてくれるけど、一番事情に疎そうなサーシャさんに話を任せてしまいがち。

 好感度が上がると口数増えるんだろうか?攻略する気はないけど。

 

 今日行ってもらうのは、ダンジョン『龍の洞穴』。

 しかし、出てくるのは龍ではなくて大蛇だ。


 この世界は、幻影のような魔物は出てくるものの、生態系は前世に近いので、明らかな幻想生物は存在しない。

 しかし、伝説としての龍の話はあって、洞穴は龍の住みかとして神聖視されていた。

 そこに大蛇が住み着いてしまったのを倒すのが目的だ。


 要はクエストである。

 ダンジョンではあっても、クエストクリアまでしかダンジョンとして利用することは出来ない。

 

「『女神の使徒』持ちについてきてもらえるの助かるよ」


「必要とあれば、中までご一緒しますわよ?」

 ダンジョンボスの大蛇は、魔物ではないので、リアルに倒す必要がある。

 私がついて行けば、大蛇だけを相手にできる。


「場合によっては頼み申そう。

 魔物も倒す必要があるが、生身の蛇と同時に相手取るのは少々分が悪い」


「分かりましたわ。

 入口近くまでご一緒し、そこで判断を仰ぎます」


 一緒に行って、魔物が思ったより多かったとの事で、まず大蛇だけを倒すことにした。


 グ、ロ、イ。

 誰だよ!この世界、幻想生物出てこないって言ったヤツ!

 私だけどな!

 幻想生物並みのデカさだったわ……


 良い防具素材になりそうと慰めてもらう。


 後は、私はダンジョンの外で待機である。

 

 勿論、大蛇は専門家に引き取ってもらい済みである。

 大蛇の死体と一緒に過ごす根性は無い。

 こんな時の収納魔法(インベントリ)?入れたくないじゃん。


 でも、

「肉もおいしいですよ。要りますか?」

「……ハイ」

 捌かれた後の肉なら大丈夫……



 皆が戻ってきた。

 明るい様子のノエルとクレストに対して、暗い様子の新規三人組。


「申し訳ない。拙者、力不足でござる」

「ついて来いと言われれば勿論行くけど、ちょっと足手まといにしかならないねぇ」

「面目ない」


 ……何があったの?



<現在の侍マサムネのステータス>


名称:マサムネ

年齢:23歳

称号:侍(オリエント王国王城所属)

状態:正常

Lv  20

HP 1860/1860

MP 1250/1250

攻撃  240

防御  190

魔攻  165

魔防  160

命中  196

回避  188



<現在の魔術師サーシャのステータス>


名称:サーシャ

年齢:24歳

称号:魔術師(オリエント王国王城滞在)

状態:正常

Lv  20

HP 1220/1220

MP 1760/1760

攻撃  166

防御  158

魔攻  244

魔防  240

命中  165

回避  160



<現在の忍者ホムラのステータス>


名称:ホムラ

年齢:19歳

称号:忍者(オリエント王国王城所属)

状態:正常

Lv  20

HP 1780/1780

MP 1420/1420

攻撃  180

防御  184

魔攻  180

魔防  170

命中  230

回避  232


読んで下さってありがとうございます。


次のオチまで間を頂いていて申し訳ありません。

最後までお付き合い下さると嬉しいです。

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