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ありがとう。れおくんならそう言ってくれると思ってた。

最終話です。

「え、いきなり、どうしたの?」

れおが突然の杏奈ちゃんの剣幕にタジタジしているのが伝わってくる。


なんか、杏奈ちゃんが私のために怒ってくれてるのが嬉しくて。

勇気が出てきた。今なら足も動く。笑顔すら浮かんでくる。


さやかに「ありがとう、行ってくる。」と囁いて、レオに向かって走り出す。


2人の様子を見ていた人の中から私が来たのに気づいた人もいて、

その様子によってか、れおがこちらに振り向く。


その時


パシンッ!


れおのマヌケな顔に向かって平手打ちを1発。そして、


「うるさいのよ!ここ、ホテル!!」


1言目に出てきたのは当たり前な、「事実」だった。

れおへの個人的なイラつきとか、金返せとかの感情よりも先に、この話が聞こえてからずっと思っていたこと。


「もう少し静かに出来ないの?同じ学校の生徒として恥ずかしいわ。」


「ご、ごめんなさい。」

れおは呆然とした顔で、思考追いついてないけどとりあえず謝る、みたいな謝罪の言葉を口にする。


すると杏奈ちゃんは、

「とりあえず、私はあんたとはボートに乗らないし、もう部屋に帰りますね。」

と言って帰って行った。


ずるいよ?!私も帰りたいし、

「じゃあ私も、」と言ったところで、れおに袖を掴まれる。


何?と不機嫌を隠していない顔で振り向くと、縋り付くようなれおの顔。

捨てられた犬って感じの庇護欲をかきたてられるあの顔!

付き合ってる時はこの顔されると甘くなってたなーと思っていると、


「ゆめ、やっぱおれ、ゆめしかいない。不甲斐ない俺だけどもう一度付き合ってくれ。」

と言い出した。


「ありがとう。れおくんならそう言ってくれると思ってた。」

と私はニッコリ笑う。


れおはあからさまにほっとした顔になり、

「じゃあ、今からプラネタリウムでも見に行こうよ!仲直り記念に!」

なんて笑顔で言う。


けどね、

満面の笑みで伝える。私の今の気持ちを。

「どうして?私、あなたとは付き合うつもり全くないわ。というか、もう金輪際私と関わらないでほしい。」




愕然として宙を見ているれおの手を、掴まれている腕から外し、さやかの元へ行く。


「さあ、プラネタリウムに行こ!」



さやかはちょっと戸惑いながらも、

「あぁ、うん。行こう。」

と言ってくれた。



その後は、プラネタリウムに行って、部屋に帰ったらみさきのデートの惚気話を聞いて、さやかの恋の相談を受けて、私もちょっと元カレへの文句を話し、笑って、笑い疲れて寝た。


始まりは本当にサイアクだったけど、あらかた気持ちの整理も着いたし、心残りがあっても時間が解決するだろう。



修学旅行はあと2日もある。


楽しい思い出作ろっと!

最後までお読みいただきありがとうございました。

初めてお話を書いたのがこれで、拙い部分もあったかもしれませんが、そんな中読んでくださったことに感謝しかありません。

ありがとうございました。またの機会があればぜひに。


閑話


杏奈ちゃんとゆめちゃんは、ここで知り合ったことがきっかけで仲良くなりました。


杏奈ちゃんがゆめちゃんに憧れる理由は、

ゆめちゃんが室長さんとして働いているのを知っていて、

ゆめちゃんの責任感が強く、働きぶりも有能だというところに尊敬の念を抱いています。


杏奈ちゃんは普段かなり大人しいので、クラスのお友達も、彼女がれお君怒ったことにビビり散らかしてます。



れおくんは、前々から浮気性なところあるのでは?

コウモリでは?(利がありそうな方にコロコロ立場を変える)

と思われていたところにこんな騒動が起きたので、修学旅行明け、クラスでは浮きました。


しかし、見かねた室長のゆめが行事の時などにさりげなく配慮したため、元通りとまではいかないけれど、それなりにクラスに戻ってこれたかなという感じです。


ゆめのそういう所がいい所でもありながら、

将来ダメンズ製造機にならないか心配だわ。と筆者としては思っています。



ちなみに、言い合いの後はちゃんとホテルでこってり、れおくんは先生に「公共の場で騒ぐな!」と怒られています。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 変質的な肉体関係の少年少女を描いた、ぐちゃぐちゃした作品が多い中で、珍しく格好いい女の子の姿が見れて爽快な気分になりました。 [気になる点] もう少し深掘りした人間関係も見てみたかったです…
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