第2話 名前
『おい、ここで死ぬのか?』
謎の声が僕の脳内に直接響く。
(死の恐怖で幻聴まで聞こえてくるなんてもう駄目だな)
『幻聴じゃねぇよ今、お前の目の前にいるだろ?』
「僕の前?」
僕は瞑っていた目をゆっくり開けて前を見た。けどそこには床に突き刺さってる古びた剣と今にも襲いかかってきそうな魔物しかいない。
(誰もいない……やっぱり幻聴だ)
『だからよぉお前の目の前にいる剣だよ!』
僕の脳内に怒鳴りつけるような大声が響き渡る。
(ん?剣?剣が喋るわけないじゃんそれにさっきからずっと気になっていたけど、もしかして僕の心の中を読んでる??)
『あぁ?読んでるけど今はそんな事より目の前の奴をどうに
かする方が先だと思うよ俺様は』
すっかり忘れていた。今目の前に広がる絶望的な状況の事を魔物は僕と一定の距離を置きを僕の事を睨みつけている。。
(あれ?おかしくないか?なぜあいつは俺を襲ってこない?僕みたいな奴ならすぐに殺せるのに)
『俺様にビビってるんだよ』
「そうなのか?何もしてないようにしか見えないけど??」
『人間にはわからねぇよ、それより早く俺を持て!!流石に強い俺様でも長くは魔物を止める事ができねぇ』
僕は何も分からないがこの絶望的な状況から生き残る為に剣の言う事に従い床に突き刺さってる古びた剣を握りしめた
『よし、次は俺の名を呼べ!』
(名前?いや、知らないよ!)
『知ってるはずだ思い出せ』
(本当に知らないよだってこんな剣とは初めて会うし)
『よく思い出せ、、リョウ』
僕は剣に自分の名前を呼ばれた瞬間自分でも分からないけど脳内に稲妻が走るような感覚に襲われた瞬間、脳内この剣の名前を思い出した!!
(思い出した……何で、名前を知ってるのかは知らないけど今はそんな事を考える余裕がないとにかく呼べばいいんだね)
『あぁ呼べ俺の名を』
僕は剣を力強く握りしめたまま床から引き抜き叫んだ。
「真名!! 夜天」
剣の名を叫んだ瞬間、剣から黒い煙が出てきた。その煙は周辺を闇へと包み込んだ………その煙はしばらくして消えた。そして古びた刀身は漆黒の刀身へと剣を握ってる僕の右腕は黒い袖を身に纏っていた。
「真名、夜天 闇へと誘う者!!」
完
第一章 名を呼ぶ者