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第四話

途中野宿をはさんで三日目ようやく首都ヴァルツの圏内に入った。しかしヴァルツ圏内はひどい有様だった。そこら中が略奪にあい戦火が広がっていた。その中をユーリとカーナを乗せた車が走る。すると・・・。

「ユーリ、後ろ」

カーナが後ろを指す。よく見てみると後ろから機甲車が数台追いかけてきていた。

「ヴァルツ兵団の旗を掲げているな。敵だ。殺そう」

即座に殺しを決意する。すでにユーリには殺しへの抵抗が無くなっていた。それはカーナも同じであった。

車を停め両方のドアから飛び出す二人。二人が出て来たのに多少驚きを見せたが圧倒的に有利な対面で相手は油断しきっていた。そこへ二人の死神が躍る。近づく車を刺し穿ち、操縦主さえも突き殺す。危なくなったら車の陰に隠れ様子をうかがう。一瞬の隙も逃さず二人は狩り続けた。するとそこへ新たな集団が現れる。旗は掲げずただヴァルツ兵団を攻撃していた。

「まさか、レジスタンス?」

「かもしれない。とりあえずヴァルツ兵団を狩りつくそう」

数分後、追ってきていたヴァルツ兵団を狩りつくした二人。そこへ男が寄ってくる。

「アンタたち旅人か?こんな危ないところはすぐに出たほうがいい」

「アンタらうわさに聞くレジスタンスか?」

レジスタンスと言われ一瞬男の顔が強張る。

「そうだ。俺たちがレジスタンスの一員だ」

「ちょうどよかった。俺たちレジスタンスに会いに来たんだ」

「なんだって?」

「俺たちは住んでいた場所をやつらに奪われた。その復讐をしている」

「そうか。なら歓迎しよう。仲間のところへ案内しよう」

レジスタンスの車を先頭にユーリたちは進んだ。数十分走ったところでレジスタンスの車が止まる。そこには集落のようなものがあった。

「ここが俺たちの拠点だ」

「ここが・・・」

「ボスのところに案内する」

男についていき一際大きい建物に入る。

「ボス、合わせたい人を連れてきました」

「入れ」

部屋の主の了解を得て部屋の中に入る。部屋は質素ではいたが機能的だった。

「で、会わせたいというのはその二人か」

「そうです。すごいんですよこいつら。俺たちなんかよりもずっと強くてアイツらを狩って回ってました」

「そうか。で、レジスタンスに何の用だ?」

「仲間に入りに来た」

「ほう、我々とともに帝国と戦うというのか?」

「そうだ」

「いいだろう。どうやら相当の死地を超えて来たらしいな。こんなにも死の雰囲気が濃ゆいやつらは初めてだ」

どうやらボスに気に入られたらしい。

「そうだ。我々の中に似たような奴がいる。そいつにも会わせてやれ」

「はい。では失礼します」

そう言ってボスの部屋を出た。

「そういえば自己紹介がまだだったな。おれはハルト。アンタらは?」

「俺はユーリだ」

「私はカーナ」

「ユーリにカーナか」

「で、会わせたいやつって?」

「アンタたちみたいに馬鹿みたいに強いやつがいるんだよ。そいつに会わせる。こっちだ」

集落の中を進み、一軒の家に着く。

「おい、いるか?」

「はい、なんでしょう?」

「客人だ。お前に似た雰囲気を持っていてな」

「あなたたちが・・・そうですか。あなたたちも悪魔と契約を結んでいるんですね」

「一目でわかるのか」

「えぇ、似たような雰囲気を感じますから。ボクはヴァン・オルト・リョウヤです」

「俺はユーリ。ユーリでいい」

「私はカーナ」

「ユーリさんにカーナさんですか。よろしくお願いいたします」

話していると外が騒がしくなる。

「どうやら物見が帰ってきたようだな」

「物見?」

「帝国を見張っているやつらのことさ。急ごう。何かあったようだ」

急いで騒ぎの中心へと行く。

「どうした?」

「連中が動きました。ポイントβの拠点を狙ってるようです」

「わかった。すぐに部隊を向かわせる。すまない、アンタたちも着いて来てもらえるか?」

「戦か?それなら同行しよう」

「同じく」

「助かる。急いで部隊を集めろ!!」

パトスの号令で急いで部隊が集められる。ユーリ・カーナ。リョウヤもその中にいた。

「これよりポイントβの救援に向かう。各員乗車!!」

まるで軍隊のように人が動く。ユーリたちも自分たちの車に乗る。

「ユーリたちは部隊に着いていって暴れてくればいい。詳しい話は後でする。」

そう言われてユーリは部隊に追従して向かう。数十分走ったところで部隊が止まる。どうやら農場のようなところに着いた。

「ここでやつらを待ち伏せする。車はギリギリまで隠せ」

隊長格の男が指示を出していく。

「新顔か。アンタたちの車もそこへ隠しておいてくれ」

言われた通りに農場の倉庫に車を入れる。そして遠くに砂ぼこりが見える。

「奴さんが来やがったぞ。総員戦闘準備!!」

車が視認できる距離になると隠れていた車が左右に分かれて進んでいく。

「アンタらはリョウヤと同じなんだろ?ならリョウヤについてって中央で派手に暴れてくれ」

指示を受けリョウヤについていく。リョウヤは黒い剣を持っていた。同じくユーリは槍斧を、カーナは鎌を呼び出す。

「そろそろ出番ですね。行きますよ!!」

リョウヤの合図とともに二人は飛び出す。歩兵のことなど気にせず機甲車が突っ込んでくる。それをユーリたちが迎撃する。槍斧で突き刺し鎌で刈り取り剣で断ち切る。おおよそ三人を停めることはかなわなかった。三人はただ近づく車を切り続けた。そうしているとあたりに車の残骸と死体が残るばかりであった。およそ十数分戦っただろうか。ヴァルツ兵団の車が退却していく。深追いはせず戻ることになった。

「おかえり。十分な働きだったようだな」

ハルトが出迎えてくれた。

「個室を用意させた。二人分で良かったんだよな?」

「あぁ、それで構わない」

「ありがとう」

「何、これから存分に働いてもらうんだ。これくらいのことはなんのそのよ」

「それで拠点βとか言ったか?あれはなんだ?」

「ヴァルツ帝国は略奪の上で成り立っている。やつらはただ奪うのみ。生み出すということを極力しない。作っても機甲車ぐらいだ」

「機甲車は作るのに農作はしないのか」

「気が短いやつらが集まってるんだろ。それで俺たちは囮の拠点を作ることにしたんだ」

「それが拠点βってやつか」

「飢えている奴らはすぐに食いつく。そしてやつらが帝都を出てきたところを仕留める。こんな感じだ」

「なるほど。理にかなっているな」

「まぁ今日のところは十分な戦果を挙げれただろう。鹵獲品も多いみたいだしな。アンタらが加わってくれて良かったよ」

「そう言ってもらえると助かる」

「今日は歓迎会がある。少ない物資でやり取りするがそこは我慢してくれ。」

「あぁ、これからも頼む」

ユーリたちは歓迎会を楽しみ、そして個室に入り眠りについた

ありがとうございました。

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