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第三話

朝、ユーリは起きてすぐ朝の鍛錬をする。黒き槍斧を振り回し演武を取る。そこへカーナがやってくる。

「ユーリ。朝ご飯、どうする?」

「あぁ、今行くよ」

場所は昨日夕飯を食べたところでいいだろう。そしてユーリたちはそこで腹を満たす。そして地図を買う。これから先に必要なものだ。そして機甲車に乗りこみ町を去る。

再び車での旅になる。会話は特になく静かに進んでいく。

町からでて数十分後、煙が見えた。

「どうする?襲われているかも」

「行こう」

急いで車を急行させる。そして着いたが遅かった。そこは農場のようなところで跡形もなく略奪されていた。

「ひどい・・・」

まさにそうだろう住民は殺され、あるものすべて奪われた後だった。

「車の後は・・・あった東に進んでいるな」

「後を追うの?」

「そうだ。この人たちのために仇を討つ」

「話したこともないのに?」

「そうだ。こんなことをするやつらを生かしてはおけない」

「わかった」

「カーナ、運転できるか?」

「うん、できるけど?」

「俺はバイクで後を追う。カーナは後ろから着いて来てくれ」

「わかった」

急いで追跡の準備にかかる。農場の人たちを一通り埋葬する。簡単ではあるがこれで十分だろう。そして追跡を始める。ユーリが載るバイクを先頭にカーナが乗る機甲車が続く。数十分後に砂塵を見つける。それが野盗のもので間違いないだろう。ユーリは一応聞くために機甲車の横につける。

「お前らがあの農場を襲ったのか?」

「そうだ。それがどうした?まさか俺たちを追ってきたのか?これは笑いものだ。たった一人で俺たちに歯向かうというのか?」

下卑た笑いが起こる。それに対してユーリは刃で応えた。一台の車がスリップしたのを見て他の車が戦闘準備に入る。銃座に人が乗りユーリに照準を合わせる。しかし撃つことはなかった。カーナが銃座に乗る人を狩ったからだ。そこからは二人の蹂躙だった手あたり次第に車を攻撃し操縦主も中に乗る人も全て殺し尽くす。それが農場を襲われた人たちへの手向けであった。そして契約のためでもある。

『いいぞ魂をもっと我に与えん』

アスタロトも魂を受けて高揚しているようだった。そして数分で蹂躙は終了した。

「これ、どうする?」

「捨て置けばいい。野鳥の餌がこいつらにはお似合いだ」

そう言ってその場を離れ再び車での旅路となる。

「農場の人、助けられなかった・・・」

「悔やんでも仕方がない。仇討ちができただけマシさ」

車内に暗い雰囲気が残る。地図通りに数時間走っただろうか。地図の通りに町が見えてきた。

「では、どうぞ」

とくに手続きは無く入ることができた。

今日の宿を探すべくゆっくりと街中を散策する。

「あそこ」

カーナが指した先に一軒の宿があった。

「よし、そこにしよう」

車をわきに停め中に入る。

「いらっしゃいませ」

「部屋を頼む。二人分だ」

「かしこまりました。こちらが鍵です。朝食・昼食・夕食はこちらでご用意させていただきます」

鍵を受け取って部屋に入る二人。

「ん・・・体が固まってるな」

長い運転の中で体が凝り固まっていた。体を動かそうと外に出る。

黒き槍斧を出し演武を開始する。そうして数十分は経っただろうか。おなかが減ってくる。もうそろそろ夕飯の時間だ。ユーリはカーナの部屋をノックする。

「ん」

「夕飯でもどうだい?」

「そうする」

階を降りて食堂に行く。同じように何人かが食事を取っていた。

「アンタら、見ない顔だな。旅人かい?」

「あぁ、そんなところだ」

「よくもまぁ機甲兵団が走り回るこのご時世によく旅なんてできるな」

「目的があるからな」

「そうか。だが命は大事にしろよ。何にも代えられないからな」

親切に言ってくれるおじさんだった。

ユーリたちは夕飯を終え部屋に戻る。そして眠りについた。


ーーーーーーーーーー


朝、ユーリはいつものように演武をしていた。そこへカーナがやってくる。

「ユーリ、朝ご飯」

「ん、そうだな」

演武を終えて、汗を拭く。そして食堂に向かう。そしてそこで腹を満たして今日の行動を計画する。

「ここはどうやら交易街のようだ。行商人も多いだろう。少し聞き込みをしようと思う」

「賛成」

そういうことで分かれて散策することになった。行くがてら行商人にヴァルツ兵団に抵抗するそれらしき集団が無いか聞いて回る。しかしどの商人もそういう話は持ってなかった。そしてふらっと立ち寄った商人がこう話した。

「確か南の方ですかな。首都ヴァルツに近いところでレジスタンスをしている集団があるとか。ヴァルツ帝国に逆らっても良いことなどないというのに・・・」

その話を聞いてユーリはさらに情報を集めた。そしてカーナと落ち合うために宿に戻った。先にカーナが戻ってきたらしくエントランスで座って待っていた。

「カーナ、そっちはどうだった?」

「収穫はあった」

「よし、あまり聞かれたくないから部屋で話そう」

そう言ってユーリの部屋に入る。情報を精査してみると首都ヴァルツの南の方にレジスタンス活動をしている集団がいるとのこと。そしてそれに帝国が手を焼いていることも分かった。これだけあれば十分だろう。急いで出立の準備に入る。目指すはレジスタンスの地へ、車を走らせる。

見渡す限りの荒れ地。その中をユーリとカーナを乗せた車が走る。目指すは南だ

ありがとうございました。

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