プロローグ
この世界の大地は機甲車に乗る者が支配していた。この機甲車というのは装甲を張った車のことだ。その装甲を頼りに建物を破壊し、人を殺め、蹂躙する。それがこの世界に定められたルールだった。そしてある機甲兵団が標的に選んだのはある農場だった。
「急げ!!急がないと『ヴァルツ兵団』が来てしまう。荷物なんて最小限で良い。だから早く!!」
「あーんボク怖いよー」
「よしできたわ。行きましょう」
急いで機甲車に乗り込む。蜘蛛の子を散らすように急いでその農場から脱出する。そしてその数十分後、農場は機甲車に占領されてしまっていた。それを遠くの高台から見ている者がいた。農場の所有者の家族たちだった。
「そんな・・・・私の全財産をつぎ込んだ農場が・・・」
「うわーん・・・僕の家が・・・・」
少年が泣き叫ぶ。そして次第にその声色が変わっていく。
「許さない・・・許さなイ・・・許さナイ・・・許サナイ・・・ゆルサナイ・・・ユルサナイ!!」
そして束の間少年に力があふれた。
『良い、良いぞ。その復讐心。このヴォルト・ヴァン・アスタロトが力を貸そう!!』
少年は悪魔に魂を売った。そしてその対価として莫大な力を得た。機甲車をも砕くこの黒き槍斧にて・・・。
少年の復讐は始まったばかりだった。
少年は成長しながら兵団を見つけては屠りヴァルツ兵団の情報を集める。たまに町を救うこともあり、路銀の心配はなかった。
今日もまた少年はバイクで駆け敵を見つけた。
「おまえら、どこの兵団だ?」
「あぁ?ウチはどこにも所属してねぇよ。お、そのバイクいいな。寄こしな」
「悪いがこれは俺の全財産を叩いて買ったものだ。そうやすやすと渡せるものじゃない」
「じゃぁ、奪うまでだ」
リーダーの指示で走っていた機甲車が攻撃の行動をとる。そして少年はバイクから近くの機甲車に乗り移る。そして黒き槍斧でエンジンを穿ち、破壊する。エンジンをっ壊された車はスピンしながら止まる。そしてその車の陰で銃撃から身を守る。そして銃撃が止むとまた別の車に張り付く。そして黒き槍斧で窓ガラスを操縦主ごと破壊する。当然操縦主は絶命する。
そして同じように槍斧を振るい周りの機甲車を全滅させていく。ものの数分で荒地に機甲車の残骸が残された。どうやらこの兵団は近くの町を吸う激する予定だったらしい。でもそんなことは少年には関係なかった。
少年は一台まともなものを鹵獲し、乗っていたバイクを積みこみ出発した。目指すは大陸を支配するヴァルツ兵団の壊滅。少年の旅路は始まったばかりであった。
ありがとうございました。