第七章『クラス分け』
いろいろあり入学式。私は、セザンカさんに泊めさせてもらっていた部屋の物を全部纏めて星夜、セザンカさんアリカ、イチラスさんにとりあえずの別れを告げて寮に向かった。寮は2人部屋で、同室の人はシャナさん。シャナ・ラン・タグニカさん。まぁ貴族の方でした。ロングヘヤの燃えるように赤い髪の毛を持ってて、同じように赤い澄んだ瞳を持っている可愛い子。年は15歳で同い年だった。
「は、はじめまして。サリナっていいます。よろしくお願いしますっ!」
もう緊張しすぎて上がっちゃったよ。
「はは。そんなに緊張しないで?私も緊張してるから人のこと言えないけど…。はじめまして。シャナ・ラン・タグニカよ。苗字ってあるの?」
「苗字は、ヒャヤルサなんだ。あ、だから本名はサリナ・ヒャヤルサ。あの、シャナって呼んだもいい?」
「うん!じゃぁ、私サリナ呼ぶ!」
シャナって天然?!可愛すぎる…。破壊力やばい…。
「サリナか。うんお願いね!そうだ制服に着替えないと…。」
バッグの上にやってるはずだからすぐ出てくるはず。……ほれ出てきた!
「サリナの制服クチチの実色なのね。可愛い。」
「クチチの実?」
「アレ、サリナ知らない?今度食べに行かない?じゃあ。」
そ、そんな軽く行けるもんじゃ…。
「ゴメン。家の手伝いがあって…。」
「…そっか。ゴメン。」
「ううん。嬉しかったよ。だって見下してこなかったから…。」
そう。シャナは私のことを見下すような目をしないし態度も見せない。
「そんなの。ここは実力主義なのに貴族だからってそう見下してちゃいけないし。それに貴族でも女の子はそんなに出しゃばってちゃ怒られちゃうのよ。」
そ、そうなんだ。なんだか貴族じゃなかっただけよかったような…。うーんなんだか色々大変なんだね。
「…リナ、サリナ?ほら着替えないと最初の集会に遅れるよ?!」
「ホント?!ギャーー‼︎」
あと10分じゃん!私は急いで着替えて忘れ物がないかだけ確認して部屋を出た。そういえば集会でクラスが発表されるとか…。嫌だなぁ。
「サリナ。同じクラスだといいね!じゃぁまた後で!」
会場についた私たちは名前順で並ばされた。苗字だから…ハ行か。ここだね。……なんか隣の男子がすっごい目つきなんですけど。ここって実力主義だよね…。
「あー、あー、うん。こんにちは皆さん!そしてようこそこの魔法学習院へ。私はここの三年生代表のダーザイン。ダーザイン・ラン・スミニカだ。まぁここでは名はないに等しいから名乗らなくても良いのだがな。みなさんがこの学習院で良い学習ができることを願っている。ではこれよりクラス分けの発表を行う!
『クラスよ。示せ!』
たぶん今みんなの前に窓が出ているだろう。そこに書いてあるのがクラスだ。下からD、C、B、A、そしてSだ。それじゃみんな確認してれ。」
私のは……sなんですけど。マジかぁ。イチラスさんの言う通りでしたか。まぁクラスが下よりは上の方がいいか。ここは実力主義だもんね。
「確認できたかな?じゃぁこの前に掲げられているクラスの列に並んでくれ!右からS、A、B、C、Dだ!ほら移動移動!!」
なんか、ダーサインさん?先輩?すっごい元気な人だな。そんじゃ、移動しますか。Sだから一番右か。
「サリナー!どの教室だった?」
あ、シャナだ。可愛いなぁ…ってそうじゃなくて
「シャナ!私Sだったよ。」
「え、S?!本当?!すっごーい。私もSクラスだったの!サリナと一緒だね!」
「そ、そうだね。取り敢えずならぼ?」
もうそろそろみんな並び終わってる。急がなければ。
「それじゃ、並び終わったら先生の後についていってくれ。これで集会は終わり!」
え、はや。ってかこんな終わり方でいいの?すっごいなぁ。
「では、行きますぞ。Sクラスの諸君!」
先生も熱い方でした…。
「えー、私は、スザク・ラン・クリープ。クリープ家のものだ。まぁ、うん。これはここではなんの役にも立たんのだがね。それじゃあ早速自己紹介といこうかね。」
このクラスは5人構成だった。男子3人女子2人。少ないよねぇ…。
「僕はクラリス。クラリス・ラン・シャヤータ。取り敢えずこのクラスに入れて良かったって思ってる。これからよろしく」
クラリスは明るい金髪のはつらつとした男の子。目は緑だった。まぁ、うん。美形だ。
「次は、僕かな?僕はウライス。ウライス・ラン・サーザリクシャ。このクラスのみんなと会えて嬉しいよ。僕の得意な魔法は風だよ。よろしく。」
ウライスは御坊ちゃまって感じ。髪の毛は青色。まぁ、うん。こっちも美形だ。
「あ、あの、はじまして。シャナ・ラン・タグニカですっ。あの、このクラスになれただけでもう嬉しさではちきれそうです!よろしくお願いします。」
あぁ、可愛い。本当。天使だ。…おい、私はどこの変態だ?
「はじめまして。私は、サリナ・ヒャヤルサです。皆さんのように貴族じゃなくて平民ですがよろしくお願いします。」
平民…そういった瞬間にみんなが蔑むような目を一瞬したのは私の気のせいかな…。
「最後に僕で本当申し訳ないんですけど。僕はユー・クリア・シュア。」
そうユーが言った時にみんながザワっとした。な、何?!何者?!
「…なんでここに王家の方がいらっしゃるのですか…。」
えっと、クラリスだっけ。金髪だからそうだな。んで、王家の方…?
「え、セザンカさんと同じ王家の方…?」
だってセザンさんお兄さんいる感じしなかったよ?っていうかなんでいるの?あ、これクラリスが言ったか。
「ごめんね。みんな驚かせちゃって。そうだよ。僕はセザンカの兄にあたるのかな?まぁ血は繋がってないけど。仲良くはあるよ。なんでここにいるのだって?それは僕がここに行きたかったからだよ。」
……
『はぁ?』
さすが皆さん。息ぴったりですね