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4.新参勇者ブートキャンプ その3

午前中は


座学:前半はエドワード審議官による地理・経済・歴史・産業・伝承・調理など


   多岐に渡る知識詰込み


   後半はミハエル・カザン准将による軍略用兵に関する授業


剣技:ラタン大尉による実践指導


午後は


エドワード審議官立ち合いの元、LV上げ作業


夕食後は


ステア教授による指導


前半はエルトリア国言語での読み書き


後半は魔法書による魔法理論解説





この1ヵ月はだいたいこんな感じで経過した


座学ははっきりいって超詰込みで正直半分ぐらいしか頭に残っていない気が


する これから始まる旅の途中で復習するとする


剣技はラタン大尉から3本に1本とれるまでになった 嘘くさいが勇者特性の


なせる業だろう


読み書きは簡単な文章なら読めるようになった 


魔法理論は魔法を文字言語で理解するためのものだが 頭にすっとはいって


いく感じでこれはうまく理解できた 言語習得がある程度進んでいた成果で


ある


勇者は文字言語を理解していなくても無詠唱でイメージだけで術を発動でき


るがそもそも魔術は文字言語による詠唱と相まってイメージを具現化しよう


とすることにより、MPを変換し魔術を発動させるものである 勇者といえど


言語を理解していればより術の威力や精度を高めることができるのである




この1ヵ月でレベル上げは順調にいった


俺はLV30、ハナちゃんはLV28である ハナちゃんは戦闘時はついに頭から


角まで生えてる巨大な狼にまでなってしまわれた 俺が十分背中に乗れる


くらいである


訓練が終われば元のサイズに戻って俺の手をペロペロしてくれるのだが



俺は情報整理のため、紅茶を飲みながら自分とハナちゃんのステータスを


メモに書きだしていく


*勇者lv30.イワタテ トシキ


ステータスは


HP、物理攻撃、物理防御、魔法防御ははっきり言って格段に低い


そのかわり魔法攻撃とMPは法外に高い


メインスキル


[斬撃](単体物理攻撃)


[ライトニング](単体雷属性攻撃)、


[プロテクション](耐物理、耐魔法防御障壁)


[挑発](敵単体の標的固定)


[ハイヒール](単体回復)


[リペア](身体部位再生)


[リムーバル](複数状態異常解除)


[レインフォース](一定範囲で味方のデバフ効果解除と攻防ステUP)


[グラビティ](単体重力魔法攻撃)


タンクとヒーラーを併せたような感じか


勇者というよりは聖女のスキル構成とかぶってるものが多い


スキルの多さはチート気味かな 勇者は初期スキルが2個で通常lvが


5上がるごとにスキルが一つ増えるらしい、現時点でLV30の


俺は本来ならスキル数8個であるはずなのだが、何故だが9個も持っ


ている


ステータスの防御数値が低いが ありあまるMPでプロテクション


を張り続ければ問題はないだろう


勇者らしくないとは言え どうみても俺様最強のスキル構成だ


おまけに攻撃魔法の[グラビティ]と[ライトニング]も使える


物理攻撃力の低い俺はダメージが乗らないので[斬撃]はおまけ


スキルだが


続けて補助スキルを見てみる


[剣技]、[敵探知]、[調理]、[軍略]、[勇者育成ボーナス]、


[従者育成補助]


敵探知はありがたい、いきなりの遭遇は避けたいからな


調理って言ってもたいしたものは作れないはずだが


ここからがやばい 残りの補助スキルは


〔謀略〕、〔ペテン〕、〔政治交渉〕


スキル称号は鉄壁の盾、誠実な詐欺師


正直に言うと心当たりがないでもない 補助スキルは前にいた世界


から引き継ぐスキルもあるらしい


謀略、ペテン、政治交渉、詐欺師については


エドワードには伝えなかった


どうせ勇者同士でしか見れないし あらぬ誤解を王国首脳部に抱かせ


るのは得策でないからだ


誠実さは行動をもって示せばいいだろう



つづいてはなちゃんのステータスを書き出す


神獣lv28. ハナ


ハナは明らかに物理攻撃特化型だった 魔法攻撃、魔法防御の数値


は低め


メインスキルは


〔噛みつき〕、〔鉤づめ〕、〔ライトニング〕、〔威嚇〕


補助スキルは


〔追跡〕、〔念話〕、〔精神安定〕


スキル称号は


勇者の従者、癒し女王

 




ブートキャンプが始まってから1ヵ月経過したこの日俺は王城を


旅立つこととなった


理由はLVUPに必要なLV30以上の魔物を生きたまま王城内に連れ


て行くのが、安全上不可能にな


ったからだ。死体前提なら平均LV20の王国兵士でもたばにかかれ


ばなんとかなるが、


平均lv40の精鋭剣士でも無傷で生け捕りにするのは無理が


あったのである。


万が一にも逃げ出した魔物に王城で暴れられても困る訳ですし




という訳で俺たち一行はやっと勇者らしく独力でレベルUPの旅に


出ることになったのである


王が俺につけてくれた帯同者は


ラタン大尉、大尉の部下3名、魔物使い、その配下のオーガ2体、


ステア教授、教授の弟子1名、そしてハナちゃんである


文官であるエドワードは帯同しない、政務が忙しいからである。


常に交戦状態とは言え勇者が参戦する30年以外の70年は小競り合い


が続くだけで、国境付近以外は極めて平和なのである。平時は文官の


方が忙しいのだ。今のところ各国とも勇者育成に従事しており全面


開戦はまだ9ヶ月~11ヵ月先と予測されているようである





出立前日に国王陛下並びに重鎮の歴々と謁見することとなっていた


王様に会うのは実に召喚された日以来で実際にお言葉を頂戴するの


は今日が初めてであった


俺は王の前に進み片膝をつき首を垂れる 


首を垂れる一瞬だが王と目があった 王は俺に軽く会釈をしたのだ


意外であった エドワードにも王の事は聞いていた


かなり厳しく怖い人だと 十分な成果を上げられず粛清された貴族


も少なくないと聞く


そういう人が会合一番会釈をしたのだ 推測だがこの王はそれなりの


人物に違いないと感じた


だがそれだけでこの王を100%身を預けていい信頼に足る人物だとは


思わない


俺は基本人間を信頼しない男だからだ だが王に対する俺の印象は


良いものとなった





「勇者イワタテトシキ、そちの著しい成長 報告を受けている。


 期待しておるぞ」


 俺は柄にもなく大声で返答する


『陛下の身に余るご恩義に報いるべく一層精進してまいります』


王は満足げに笑っていた 周りの重鎮貴族たちの表情もこころなし


か明るかった 以前の残念そうなものを見る目はそこにはなかった


エドワードからの詳細な報告を受けてエルトリア首脳陣はどうやら


当たりくじを引いたとよろこんでいるのである


エドワードに聞いた話では過去の勇者と比べても俺のステータスは


現時点では規格外にいいらしい。


まあ物理攻撃面では劣るらしいが。まあ年が年なんでここから


いきなり伸び悩むかもしれない可能性には不安を覚える





エキシビションで俺とハナちゃんでlv25の魔物で対戦を披露する


こととなった


俺達と魔物の周りを強力な結界が張られる 魔物はマウント


ドリルという身長6mくらいの巨大なゴリラみたいな奴だった 


LV25ながらHPと物理防御力の低い人間種ではLV40の精鋭剣士でも


5人がかりぐらいでないと仕留められない大物である


俺とハナちゃんは横に並び俺は1m程前にプロテクションを3枚張る 


相手の図体からの突進では1枚では決壊するおそれがあったからだ 


そしてゴリラ野郎にむけて挑発をかます ゴリラは憤怒状態になり


俺に体当たりをかまそうとして、一直線に向かってきた 俺の鼻先で


ゴリラがピタリと止まり悶絶して倒れる


見ると3枚中2枚は割れていた 良かった~3枚にしてて 多い日も安心


所詮畜生相手だとこんなもんである 対人だと絶対通用しない


ハナちゃんは巨大狼の姿で倒れたゴリラの延髄に鉤爪をお見舞いする


 肉が深く裂け血しぶきが噴き出す 俺が避けた傷口に大きく長剣を


突き刺す 差した剣はそのまま置いて着地する


そしてハナちゃんと同時に傷口に刺した長剣に向けライトニングを


お見舞いする


莫大なエネルギー量を有する稲妻はゴリラの神経系統を焼き切るの


に十分だったようだ


視界に経験値獲得の通知が来て勝利を確認した


国王陛下以下来賓の貴族連中が並ぶ中、満場の喝采が弾ける





翌日俺たちは王城を後にした


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