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17.蛇口

リザードマンを撃破した翌朝俺たちは古代神殿跡を探査する


ことにした もはや神殿内にはもはや脅威となるほど


の数は残っていない



古代神殿跡には興味があった。これを作ったとされる古代魔人に


ついてはエルトリアの王立図書館では閲覧禁止になっているし


彼らのことは一般人にはいなかったことになっていて


タブー視されている



知られたくないことは知りたくなるのは人情だ。俺が異世界


召喚されたことに関連することが分かるかもしれない



遺跡は堅い石材、魔法石材でできているためリザードマンが


天井や床などを削って罠を細工することは無理に思えた



アイリスにホーリーライトを小さく照らしてもらう。闇属性の


敵専用の魔法攻撃術だが、光が小さければ長時間照らすことが


可能だ。壁面、天井、床ともに何の変哲もない壁だった



一応警戒しながらも進んでいく。とくに何も起こらず生体反応


がある最深部に到達する



最深部はだだっぴろい空間だった


奥には高さ6mはあろう巨大な蛇の像があった。蛇はとぐろを巻いて


鎌首をもたげている。いまにも動き出しそうなリアルさがあった



その前では大人のリザードマンが4体と幼生体と思われる子供の


リザードマンが10体ほど、虎の敷物のように五体投地していた



おそらく降伏の意思を示しているのだろう。知的な魔物としては


想定内の行動だ



俺は神獣様を通して念話で確認してもらった。やはり降伏するとのこと


で助命を嘆願しているようだ



『お前たちの力を試しに来ただけだ。お前たちの力は理解したので


 もうお前たちを殺すことはしない。後は神殿を探査したら去る』



彼らは安堵したようだ


嘘だがこれくらいしか思いつかなかった


さすがに経験値稼ぎに貴様らの仲間を屠ってやりましたとは言えない


既に必要な経験値は獲得済だ


彼らが人里まで降りて暴れたという事実が過去にない以上


彼らを全滅させる理由は全くない



神殿の暗闇に映し出される壁面を見ていくと、巨大な蛇に人々が


触れ伏している様子が描かれていた。文字が書かれているが


俺は言うまでもなく、魔法学の教授であるステアも読めなかった


眼前の蛇の巨象といい、壁画の絵と言い、古代魔人が蛇教文化らしい


ことは一目両全だった



像の横に蛇口らしきものが設置されている。俺は栓をひねってみた


出てくる水はなんの変哲もない水だった



しかし水を出している間、水が流れる音に交じってわずかにだが音が


聞こえてくる注意深く聞きづけると 懐かしい曲が聞こえてくる


どうも俺のいた前世界の音楽だ


断線的に聞こえてくる歌は洋楽のPOPSのようだった


歌詞までは明瞭に聞こえてこないが リズムははっきりと


伝わってくる


俺は不思議に思い 栓を閉めてみる


音は聞こえなくなった


再度栓を開く 水が流れまた歌が聞こえてくる


訳がわからなかった



ラタンに代ってもらい同じ動作をしてもらう


彼には何も聞こえないようだ


他の連中も同じだった


神獣様にも一応確認すると


「 ボクにも歌が聞こえたよ


 、えーと、じゃんかじゃんかじゃんって感じかな 」


『 聞いた俺が悪かった 』


神獣様は音痴だった


おれとハナだけ聞こえるのは何故だろう 召喚と関係があるのか


しかしそれ以上そこにいても新たな発見はなかった



神殿を立ち去る際に


リザードマンに


『 これはお前たちの実力を確かめた証だ 』


と言って俺は昨夜ぼたん鍋を煮込んだ鉄製の鍋を渡した



彼らがそれを掲げ、友好を示しながら近づいた100年後の勇者に、


いきなり魔法攻撃受けても俺は知らん







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