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14.謎のマーク



娯楽の街キルヒーツクを出立し、コンドル高原に向かう途中、オールドネージ


ュの街に立ち寄る。虫さん、鳥さんトリオのお世話をするガストンの弟である


虫オヤジと打ち合わせをするためである





 すでに手頃な倉庫を改築し、彼らを繁殖させる住環境は整っている


手が足りなくなってきたら虫オヤジの息子達に手伝わす手筈だ


もし他国のスパイがここをかぎつけても、伸び放題の無精ひげを生やした


虫おやじを見て、変わり者が趣味で始めた道楽をやっているようにしか


見ないだろう。彼らと念話できるのは神獣様だけなので秘密がばれる


ことはない





 虫オヤジは俺が来訪しても、雇い主の俺を無視してお世話を続けている


こいつはこの世界のファーブル先生のような偉人になるかもしれないと


思う 偉人は何かしらのオタクなのだ オタクでない俺は偉人にはなれない





 倉庫の購入費や改築費用はそこそこかかったが、ランニングコストはお


世話をする者への俸給くらいだ。俺が受けているエルトリア王宮からのお


手当で賄える


そのうち超コストパフォーマンスの高いスパイ部隊ができあがることになる





 スパイ活動での彼らの生存率を上げるために、捕獲した彼らの天敵を使


って彼らのレベリングを行った。撃退できるぐらいまでにはなっただろう


鳥や蜘蛛はともかく、モノマネさんの天敵はアリなので、かなりミクロな


作業となり目が痛くなった




 十分な数が増えたら要人への諜報活動をはじめるつもりだ。


勿論対象はエルトリアの要人も他国の勇者も含まれる。


 とりあえず、今回のレベル上げでは一組だけ帯同してもらうことに


した




 オールドネージュを出立後、2週間かけてコンドル高原のふもとの街まで


到達する。街道はここが終着点でここから先は馬車は使えない。


途中に集落もほとんどなく、食料は現地調達だ。コンドル高原に生息する


魔獣の肉は臭みが強く、筋も堅いため人間の食べ物としては適さないが


やむをえないだろう。調味料や香辛料を多めに買っていくことにした




 翌日川沿いに歩き始めて2時間後くらいに最初の敵と遭遇する


lv48.ダイダラ 全長10m直径30cmほどの胴回りの大蛇、


スキルが液体状の毒液を飛ばす[毒吐き]と


目から発せられる[石化魔術]だ 


石化魔術はやっかいだ 未知の敵がこれを有する場合はステータス


魔術でスキルを確認しにいった時点で石像にされてしまう


おまけに射程範囲まで長いようだ


 発見済みのモンスターではこいつとあと2属種が石化スキルを


有していることが確認されている





 奴はお食事中だった。自分より2回りほど小さい蛇を丸呑みにしてい


るところだった。意外と知られていないことだが、蛇の主食は同族の


蛇であることが多い。


ラタン達が捕まえておいたウサギで射程範囲を探る。ウサギはウロ


ウロするが、ダイダラと一定の距離まで近づくと石像になった


およそ推測される石化魔術の射程距離は俺の電撃ライトニングの


およそ2倍だ


石化魔術も魔術なので解呪魔法で解除できるが


完全に元に戻るまで1日ががかりになるので正面突破は下策になる


魔術攻撃は対象を目で見ることになるので使えない


俺とラタン、ラタンの部下の5人で対処することにした



 具体的には石化魔術の射程外の神獣様に念話で指示をもらい、


目隠しをした俺達は指示通り動くという作戦だ 


「違うよカイン兄ちゃんもっと右」


「ミーシャ姉ちゃんはもっと前に」


「ラタンさんはもっと左」


「アベル兄ちゃんはそこでいいよ」


「パパは前へ出すぎ」


神獣様の指示が的確かは確かめようがないがあまりにひどけ


れば、横のステアやアイリスが声を出すだろう


今は信じてやるしかない



まず俺が神獣様の指示でダイダラの前へ行きスキル[挑発]で奴の頭


の方向を俺に向けて固定する


[挑発]スキルの対象は敵のみなので、外して味方にあたっても問題


ない


その後、他の4人が側面から近付いて胴体をめった切りにする手筈


になっている



 方向が固定された奴の口から俺に向けて毒液が飛ぶ、毒液は


俺の前方に展開した壁をすり抜け、俺の左腕にかかる


左腕の表皮が溶け糜爛状になる


 うろたえるが解呪とハイヒールで対応する


右側から近付いたラタンの部下のミーシャが奴の胴体に剣撃を加える


しかし浅く切ったに終わったようだ 目隠し状態だと正確さは落ちる


ミーシャの悲鳴が鳴る


奴は固定されてるはずの頭を強引に動かしミーシャに毒を吐き、


毒液はミーシャの顔面に直撃しミーシャはその場にうずくまっている


らしいことを神獣様が知らせてくれた



俺は味方に当たるリスクを冒し、重力魔法グラビティを放つ


術は当たったようで奴の頭ともたげた胴体が地面に落ちる衝撃を


感じた


奴が地面に拘束されていることを神獣様に確認し、4人は


指示に従い奴をめった打ちにする 俺達は3回に1回は地面を


叩いていたらしい


経験値獲得の通知が来た瞬間に俺達は目隠しを外し ミーシャの


元に駆け寄った 白くてつるつるだったミーシャの顔の皮膚は


焼けただれ糜爛状になっている


俺と後から駆け付けたステアはかわるがわる解呪魔法とハイヒール


をかけた およめに行けなくなったら俺の責任である


なんとか跡が残らないぐらいのところまでは回復できた




 むくろとなった奴のステータスを確認すると防御障壁無効化lv3.


のスキルがあった。俺が下調べしたモンスターブックにはそんなスキ


ルはなかったはずだ。


 よくみると。奴の属種名の前に俺と同じ*マークがある。


突然変異種か


その後も同様のやり方でダイダラを狩るが、*マークがついた


個体は見当たらなかった


こうして俺達のスイカ割り大作戦は終わりをつげた



しかしあの*マークは何なのだろう コジョウヤストが


持っている勇者特有スキルに準ずるものを一般のモンスターが


もっているとは 


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