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9.戦士の休息


  滞在している街道沿いのこの街の名前はキルヒーツクという。人口5000人、


 物流の一大中継地点として多くの商人が行き交う街だ。一時通過するだけの

 

 商人の数も入れると昼間人口は7000人くらいにはなる。



  定住している者の働き手のうち、農業関係者はわずか20%、近郊で産出さ


 れる貴金属の鉱山労働者が30%、残りの50%は交易商人や鉱山労働者相手に


 何らかの商売をしている者だ。なので一通りの娯楽は揃っている。



  1日目は揃って温泉にはいることを義務付けた、疲労回復及びリフレッシ


 ュ効果があるからだ、2日目以降は自由行動としている。女性陣は買い物を


 するとかはしゃいでいる。文明から遠い生活が続いたので無理もない。



  男風呂は俺、ラタン、ラタンの部下のカイン、アベルだ。女風呂は


 ステア先生、アイリス、ラタンの部下のミーシャが入浴している。


 神獣さまは魔物専用風呂にはいっている、魔物専用風呂はかなりでかい


 ものまで設備されているらしいが


 ほんとにでかい奴なら入るのは無理だろう。


  エルトリア人は普段はかなり温めのお湯にはいるのだが、郊外の


 こういった温泉施設では熱泉が利用される。前世界の日本の温泉と


 同じくらいの温度だ





  「俺温泉初めてなんですけどいいもんですね。なんか疲れが


 とれそう」ラタンが気持ちよさげに言う。


  カインとアベルはこの時間は客がほとんどいないせいか大風呂で


 泳ぎ始めている


  『あまり長くつかると却って湯疲れするからほどほどにな』と


 一応注意しておいた


  本当の湯治は1日何回も入り、そのうち来る体調の不調を乗り越え


 た時に始めて体質改善が起こるので最低2週間は必要な事は知っていた


 が、今回はそんな余裕は無い。


 温泉の一時的効果を利用させてもらうだけだ。


  夕食まで温泉に入っては休憩所でごろごろ転がったり、ちよっと


  散歩してみたり


  夕食はかなり奮発した国の経費だが、タランが経費で落とせる範囲


 だから問題ないと言う。ちなみにこの異世界ではモンスターを討伐しても


 お金やアイテムがドロップすることはない。ただの肉塊が残るだけである。


 討伐が冒険者ギルドや国の依頼である場合はお金がもらえる。従って


 俺たちの旅費は全て国が出していることになる。


  夕食後は付属の施設でマッサージを受ける。その後解散就寝。明日以降


 は自由行動だ





   2日目は男性陣は競馬、女性陣は買い物である。いつの世も男の娯楽


 は飲む、打つ、買う、女の娯楽は食う、着る、喋るである。夜は男性陣は


 女性が接待する雰囲気の良いバーに、女性陣は劇が楽しめるレストランに


 行ったようだ。


   俺は一人早めに切り上げて店を出る。ラタン達がその後接待する女の


 子達を店外に連れ出せたかは定かでない。頑張れ男の子達。





   自室に戻った俺は氷の入ったサーバーの水を1杯飲んで一息つく。


 不意にドアをノックする音が聞こえた。ドアを開けるとステア先生が


 立っていた。


 「あのーお話があるんですが」


 俺はどうぞと手招きをする。部屋には応接用のテーブルと椅子もある


 ので簡単な会議ぐらいはできるだろう。


 俺が部屋の中へ進もうとステア先生に背を向けると、彼女は俺の背中


 を抱きしめた。


 「抱いてください」


 彼女が俺に好意を抱いてくれてるのは感じていたが、男女の仲になり


 たいかまではわからなかった。


 そもそも俺は彼女の親と同じかそれ以上の年で年齢差がありすぎる。


 戦争が定期的に起きるこの世界では、死ぬ可能性が高い若年の男性より、


 生き残った経験値の高い年上の男性の方がモテルという事は一応聞いて


 いたが、自信が持てなかった。


 俺は彼女に振り向き黙って抱きしめキスをする。彼女は胸が半分露わ


 になるドレスを着ていた。この街で買ったものだろう。ぽっちが見えか


 かっている。


 俺の背を抱きしめる彼女の手の力がはいる。


 彼女が俺を求めていることを理解した。


 俺の半身は見事におっきした。


 お互いの服を脱がしはじめる。


 ステアの肩はなで肩でなくややいきり


 肩だ。ウエストは締まっているがモデルのようには細くない。


 胸も大きいがおしりも大きい。


 全体的には豊満な肢体といっていいだろう。


  俺は前世界で知る全てのテクニックを駆使した。


  その夜は激しいものとなった。


 『ねえもう一回』3回目はさすがに彼女はお疲れ気味になったのか


 「トシキは元気なのね」とほほ笑んでいた 始めて名前で呼んで


  くれた


 『ステアが魅力的だからさ』と言い俺は彼女の額にキスをする


 それが3ラウンド目のゴングだった


 彼女への気持ちがLIKEからLOVEへと変わるのを感じる





 休日3日目の朝、目覚めると彼女は俺の横でスヤスヤ眠っていた


 その寝顔はまるで天使みたいだった


 食堂でみんなで朝食をとっていると


 アイリスが「ねえ宿泊客に大ガエル飼っている人いるよね。


      夜中じゅううるさくて眠れなかったわ」と無邪気に言う


 考えてみれば一番近い部屋はアイリスの部屋だった


 他の連中には聞こえなかったらしいが 俺とステアだけはそれが


 何か理解しているので俯く ステアは顔を真っ赤にしていた 


 壁の厚さどうにかしろよと心の中で恨み言をつぶやく





 さすがに休日3日目の朝となるとメンバー全員の表情に覇気が


 戻っていた。休日をとって正解だったと考える 


 神獣様はアイリスの足元で欠伸をしていらっしゃった。最近は


 俺とアイリスのどちらかと行動を共にしている。


 昨晩はアイリスの部屋で寝ていたのだ


 ふと神獣様が俺の方に近づき可愛らしく首をかしげ 俺の顔を


 不思議そうに見つめる


 俺の頭の中で不思議なリズムの歌が流れる


「トシキはエッチ トシキの○○は大きい


 トシキは元気に3回 トシキ大好き・・・・・」


 どうやら神獣様は人間との念話に成功したらしい

 

 ステアの呟いた言葉を覚えていやがる


 しかし最初の念話がこれとは


 お前は残念な神獣様ですかと頭で念ずると神獣様は口角を上げて


 ドヤ顔をされた


 その日の夜も何故か神獣様は俺の部屋で寝ることを決め、


 俺はベッドの中でも変な歌を聞かされ続けた


 俺は努めて冷静に羊を数えて眠りにつこうとした





 3日目も自由行動だったが結局みんなして温泉につかっていた


 明日からの旅の再開に向けて少しでも疲れをとっておきたい


 との考えだったのであろう。


 昼食をとっていると、王都から伝令が到着していた。


 知的なおっさんであるグスタフ大臣からの手紙だった





 手紙には簡単な内容から順番に記載されていた。


 まず、葬儀のため戦列を離れたガスタンは一切お咎めが無いこと


、戦死したキリトの家族には通常の倍の財貨補償が行われるほか


 2階級特進が追贈されること、財貨補償は追贈後の階級に基づいて


 行われることが記載されていた。


 単なる勇者びいきなのかもしれないが、俺や仲間たちにとっては


 救いになる。


 皆に伝えると一様に喜んでいた。





 謎の勇者については鋭意調査したものの明らかな事はわからな


 かったらしい。どの大国でも育成過程のこの時点では勇者に関する


 ことはステータスをはじめ、食事の好みに至るまで


 一切国家機密事項になっているらしいので予想はしていたが


 ここからは大臣の推測らしいのだが、lv40代の魔獣がいる


 レベリング適正地帯がない大国が一つだけあるらしい。


 エルトリア王国の南東に位置する聖ダルタニア教国だ。逆にエルトリア


 王国だけはlv40代のレベリング地帯が3つあるのだ。このことから、


 おそらく聖ダルタニア教国で召喚された勇者がレベリングのため


 エルトリア王国の40代レベリング地帯に来て俺達と鉢合わせしまった


 ようだ。過去4回の召喚ではたまたまかち合わなかっただけということか





 大臣配下の密偵の探索で聖ダルタニア教国の勇者コジョウヤストは


 別のレベリング地帯で活動していることが判明した。


 俺たちに撃退されたことで警戒しているのだろう。


 奴は 今でも単独で行動しているようである。





 そういうことならまだ大森林地帯でのレベリングは続けられそう


 だ。2日後には葬儀参列からガスタンたちも戻ってくるであろうし。


 謎の勇者が来襲しても対抗はできそうだ。


 付け焼刃だが策も考えているし


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