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深夜のコンビニバイト番外編 俺と彼女とJKズ

最近ほぼ毎日ペースで感想をツイッターのDMやリプライで読者様が送ってくださるので、感謝の気持ちで書きました。

明日もう一話かけているので投稿しますね。

春休み。

春休みといえば、バイトというわけで俺の隣には深夜のコンビニバイトに戻ってきた縫楽さんが制服を着て立っている。

縫楽さんリターンズは人の少ないコンビニに、非常にありがたい事なのだが。


「お兄ちゃん...これからコンビニバイトについて教えてね。手取り足取りぐふふ」


「ちょっとぉ、村松さんにくっつきすぎじゃない?下心ミエミエなんですけどー」


どういう状況なんだよこれ。

俺は、女子高生2人に全力で腕をホールドされ引っ張られている。両方の手を。

今俺はやじろべえみたいな状態で腕は水平に引きちぎられそうな状態で立たされている。


「ハル」


「ヒィッ!」


いつの間に背後にいたの!?綾女さん!?怖い怖い怖いいつ入ってきたの!?


「お兄ちゃん、誰この人」


「ちょ、おねーさん、さっき村松さんのこと呼び捨てで呼んでなかった?」


2人の敵意が綾女さんに向く。


「私は、ハルの彼女よ」


サラッと長い髪を後ろにはらう綾女さん。

俺にはもったいないくらい綺麗な人だ。


「彼女!?」

「彼女!?」


女子高生ズは石化したように固まった。いや、石化していた。


「お、おにおにおにおにおにおにおにおにおに!?」

「むらむらむらむらむらむらむら!?むら!?」


固まってパクパクしている2人。スタンド攻撃してるみたいになってるよ。

てか縫楽さんは、俺が彼女いる事知ってるだろ。


「えぇ、もうハルとは結婚を約束して同じお墓に入り、来世での結婚も違った仲よ」


う、うん...あれ。うん。


「そんなの嘘よ!お兄ちゃんと結婚するのは、五歳の頃からの私の夢なんだから!」


「彼女さんがいるって事は知っていたけど...実際現れると...ショックハンパねー。で、でも、諦めたくない!やっぱあたし村松さんの事...」


2人は俺の両腕から離れなかった。

綾女さんは、バックからべっこう飴を取り出し、雲子と縫楽さんのポケットに放り込んだ。


「さっさと諦めなさい」


「ちょっとふざけんじゃないわよ!!今の何よ!!賄賂!?」

「どんだけ彼女さんに舐められてんのよあたし達!!飴だけに!!」


「仲良くしてくれよ。綾女さんは正真正銘俺の彼女だよ」


俺の言葉に、2人は石化したように固まった。いや、石化していた。


「私の方がお兄ちゃんの事知ってるんだから!絶対認めない!ふふ、私はお兄ちゃんの赤ちゃんの時の出生体重から、現在の体重、靴のサイズ、服の趣味、なんならお兄ちゃんのホクロの数だって知ってるのよ」


なんで自慢げなんだ雲子。


「甘いわね。私はハルが平均的にバイトに行く際に右足か左足どちらから靴を履くかや、ハルがバイトに来るまでにぶっきらぼうにポケットに手を入れた回数、コンビニにどちらの足から入るのが多いか、冬にゴミ出しをするときに「はぁっ」って白い息が出るかたまに確認する事はまぁ周知の事実なのだけれど、その後に後ろに誰かいる気配がいて振り向き「なんだ、気のせいか」と言った数が4回という事まで知っているわよ」


「いや綾女さん!?」


衝撃の事実に両手で顔を覆いたくなるが両腕がホールドされていてできない事が悔やまれる。


「な、なななな何よそれ詳しく聞かせて下さいお願いしますお姉様!!」


「いいわよ。こっちにきて座りなさい」


俺が仕事を覚える時に使うだろうからとコンビニで買ってあげたメモ帳とペンを持って雲子は休憩スペースに座る綾女さんに食いついていく。


「委員長はさ、クラスで勉強も運動も人望も完璧でさ。あんなにクラスで完璧なのに、あたしに対等にライバル意識向けてくんの。あたしさ、今まで蝶よ花よと育てられてさ。ライバルっつーのかな?そういう人、1人もいた事なかったんだよ」


縫楽さんは、頰をかきながら照れたように微笑んだ。


「あの常に笑顔を貼り付けた委員長がさ、村松さんの事になるとぶっ壊れんの。ムキになったりしてさ。あたし、恋も勿論、恋のライバルとか初めてだから、今超楽しーの。村松さんに彼女さんがいるのは分かったけど、それでもあたしは、あたし達はきっと諦めないから」


「ちょっと、お兄ちゃんと何話してんのよ!」


雲子が、椅子から立ち上がり縫楽さんを指差す。


「ハル、あなたは魅力的なんだから無自覚に魅力を触れ回らないで」


俺は何もしてない。


縫楽さんは、たたたっと休憩スペースに駆け出していき、椅子を持ってきてドカッと座った。


「あたしにも村松さんの事教えてー」


「お兄ちゃんの何を知りたいっていうのよ」


「ハルの事ならなんでも知ってるわよ」


3人とも俺が見た事ないくらい楽しそうに話してるよ。バイトの制服を着た女子高生2人と副店長である俺の彼女が休憩スペースで談笑...まずい。頼むから誰も来ないでくれ。

俺は副店長なのに、思ってはいけない事を神に願いながら過ごした。


ま、綾女さんが女子と話している所なんて珍しいし、すっごく楽しそうだからいっか...。

本日も読んで下さりありがとうございます。


なんか懐かしいなって思いながら読んでいただければ幸いです。 深夜のコンビニは、私もたまに読み返しますが、あとがきは読んでいません。

何書いてあるか怖くて読めないからです。

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