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プロローグ

お久しぶりです。

深夜のコンビニ完結いたしまして、感想をくださったり、ツイッターで感想呟いてくださったり、読んでいただいてありがとうございます。

昨日は2万人の方が見にきてくださって、本当にありがたい限りです。

私が住んでいた田舎の町の人口の四倍って話をしたら、今住んでいる幼馴染の友達に「戻ってこい!!!」って言われました。

「顔がいいだけで動画がつまんなくても女にちやほやされて、いいよなぁ」


伸びをして椅子にぐいっともたれかかると、だらしない体の青年の体重でギシッと椅子が軋んだ。


田中照夫(たなかてるお)は引きこもりであった。

18歳、高校三年生にして、進学やら就職やらという時に、テルオは家で5月生まれという大きなラッキーを振りかざしエロゲーを買って遊んだり、動画を見て動画投稿者をディスってみたり、家でライトノベルを執筆したり。


だが実はテルオには然程どれも楽しいとは感じなかった。


エロゲーは二次元でしか女の子との関わりが持てないから。


動画投稿者をディスるのは顔がいいだけでちやほやされるような奴が気に入らないから。


物語を書くのは、この世の不条理や理不尽を文字にしたかったから。


本当に楽しい事や、何かを心から楽しいと思える事も18歳という大人と子供の境目になるこの歳になってさえあまり感じなかった。

どれもただの、家に引きこもっている間の暇つぶしである。


テルオが引きこもった理由はよくある"いじめ"だったのだが、それは彼にとっては慣れたものだった。

生まれた時から赤ん坊の頃から自分の両親にさえ、酷い扱いを受けてきたのだから。

テルオは容姿が初めてあった人が顔をしかめてしまう程に醜かった。両親は生まれてきた子供が醜すぎてテルオを施設に放り込んだ。


母親に至っては、


「こんな醜い子は私の子供じゃあないわ!」


と絶望して泣き叫んでいたという。

テルオが6歳の時、深夜にトイレに行こうとした際に施設の大人達がコソコソとその話をしていたのを聞いたテルオは、トイレに入ってゲラゲラ笑った。


「あはははは!!!あははは!!!じゃあこんな醜い俺の親の顔が見てみたいぜ!!俺の父親はゴブリンとセックスでもしたってのかよ!!!泣きたいのはこっちだっつーの!!死んでしまえ!!!」


6歳の子供が言う言葉ではないことは明らかだった。テルオは周りからの扱いや、周りの目から、顔に比例し性格まで歪んでいったのだ。


高校生になってネットに書いた小説がコンテストで大賞をとり、テルオは突如作家になった。

書籍化もされ一人で生きていけるようになった彼は誰にも告げずに最低限の荷物だけ持って深夜に施設を出た。

施設の人達からのテルオに対しての扱いは明らかに"可哀想だから優しくしてやろう"というのが見え見えだったので、テルオはいくら育ててもらっても、優しくされようとも、風邪の時にプリンをもらっても、大人を信用しなかったし、心を開いた事はなかったのだ。


テルオは、頭の後ろで手を組んで、白い天井を見上げる。


「異世界に転生でもして、人生やり直してぇな」


ゲームの世界では容姿選択ができ、テルオでもイケメン容姿でプレイできる。

テルオは必ずイケメンな外人の容姿に設定してプレイする。そうすると、テルオの容姿を知らない奴でも彼と関わり合いになろうとしてくるからだ。


人生は全て運ゲー。

テルオの心の内にある言葉だった。イケメンな奴は生まれた時から運が良くて顔が醜い奴は生まれた時から運がない。

やり直しもできないし、大金叩いて顔を変えるしかない。不条理だなぁ。


「よっこいしょ」


テルオは夕飯を買う為によく行くハンバーガー店へと足を運ぶベく重い体をよいしょと持ち上げコートを羽織り、いつもの鞄にスマホとイヤホンを突っ込んで、マスクとメガネをして玄関を出た。

季節は冬だった。いつものようにできるだけ顔は上げず目立たず俯き早足に、スマホでアニソンを聴きながら、ポケットに突っ込んで歩くいつもの道。

俯いているとはいえど、自分の顔は極力見えないようにマスクを口で少し上にずり上げる。


ちょうど目の前にハンバーガー店が見えてきたあたりで、テルオのイヤホンの向こう側。

外の世界から、つんざくような悲鳴が聞こえたかと思った刹那──テルオのすぐ左からふと気配がして向いた先にはトラックが直前まで迫ってきていた。


「え──」



本日も読んでくださりありがとうございます。


異世界転生ものは書いたことがなかったのと、神の視点から書くというのが初めてだったので結構時間かかりました。

異世界転生は私の夢であり死んだ後は異世界に転生してしやわせに暮らすんだ...と本気で考えていた(病んでいた)時期もありましたので、異世界に転生するアニメを見ると純粋に「いいな」と思いながら見てます。

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