冒険者があらわれた
その日10人の冒険者が屋敷の前に立っていた
彼らは冒険者ギルドで屋敷の探索依頼を請けた駆け出しの冒険者
丸太を抱えるアコライト(見習い僧侶)
黒いタクトを持つ見習いソーサー
毒の塗られたナイフを持つアサシン
長剣を装備した貴族風の男
後の六人は盗賊である
まずはアサシンと盗賊が屋敷の鍵を開け中に入る
「アンデットの気配はありませんねー」
安全を確認するようにアコライトが丸太を担いで屋敷内を見渡す
「依頼じゃあここに住み着いた物を探し出すだったよなぁ」
黒いタクトを右手に握りしめた魔法使いが話す
「油断は大敵ですよ!」
貴族風の男がメンバーの気を引き閉め屋敷内部に踏み込んで行く
2時間
ひたすら散策していたが何もない
「何の気配も無いですね」
貴族風の男が呟く
「盗賊がいない!!」
黒いタクトの魔法使いが気付く
いつの間にか盗賊が一人のこらず姿を消していた
「上・・・・・・・・」
アサシンが呟く
見上げると天井に何か液体の染みができ赤い液体が落ちてきた
「やられましたわ!」
慌てて階段をかけあがり自分達のいた部屋の真上の部屋に入ると折り重なる盗賊達の死体
その近くに落ちた美しい金貨
「私の物だ!」
貴族風の男が目の色を変え金貨を素早く拾う
しかし何かに金貨は弾かれ宙を舞い床に落ちて回転しはじめる
「ダメ・・・・・・・」
「ガハッ」
アサシンが貴族の手を掴む
その時貴族は吐血した後動かなくなった
「ぐっ!」
続いてアサシンも胸を抑え倒れる
「神の加護があらんことを」
アコライトが祈りを捧げる
「強欲の金貨呪われたアイテム聞いたことあるなぁ」
魔法使いが呟く
金貨には骸骨が描かれている
二人は急いで屋敷から逃げ出した
出ていく姿を見送ると混沌の鎧は静に屋敷の奥に消えていった
「死体は地下に積んどくとして」
血を拭き取らないとなぁ
街の入り口のすぐそばに古びた酒場のような建物はいつになく人であふれかえっていた
目的は幽霊屋敷の調査依頼
3日前にマイル伯爵の息子率いるパーティーがほぼ全滅
マイル伯爵の死体は屋敷の中にまだあるためマイル伯爵が多額の賞金をかけたため
に
そしてまるでくる人をまる飲みするように戻る者は誰もいなかった
難易度はどんどん上がるが誰も帰らない
そしていつしか依頼を受ける者は現れなくなった
そんなある日ギルドに14才くらいの男の子が現れた
「この調査依頼受けたいんだけど」
受付に付きだした紙には
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人食い屋敷調査依頼Aランク900G
マスカット伯爵の息子の亡骸の奪還Aランク1000G
運命の金貨を持ち帰るSランク80000G
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とまぁこんな感じ
実際金貨1枚で鉄の剣を帰る金額で一般人が1年生活できるとおもってくれ
静まり返る酒場
「残念ですがどれもあなたのランクにみあっておりません」
受付は事務的に断り代りに
「こちらの初心者ダンジョンなどいかがでしょうか」
しかし男の子はその依頼書を見るなり怒ってギルドから出ていってしまう
その日の夜屋敷に彼は侵入した