強欲の金貨が攻撃を仕掛けてきた
夜の街を血まみれの男が歩いていた
冷たい石造りの道を裸足でピタリピタリと歩いている
男の手にはキラリと光る物が握られていた
「逃げきったぞーヒヒヒヒッハァハァ」
男は休める場所を探していたが見当たらない
「宿はダメだこいつは誰にも渡さないクッ」
男は大きな屋敷の前に立っていた
「ヒッ人の気配が無い!コッココデ休めッ」
男は玄関に手をかけたまま倒れ静に息を引き取った
男の手からこぼれ落ちる1枚の金貨
表には魔方陣が刻まれ裏には目が彫りこまれた金貨
ゆっくりと模様が変わる
目の模様が消え美しい女性の横顔になる
「魔力がいい感じに集まったわ」
大きな屋敷の玄関が少し開くと中からフルプレートの鎧をまとった大男が姿をあらわれた
「こいつに今度は取りついてやる」
男は先程息絶えた男を肩に担ぐと横に落ちた私を拾い上げる
何度か私を次元倉庫にしまおうとしたようだがうまく作動しない
大男は私を握りしめたまま屋敷に入っていく
なんだろ?この屋敷違和感を感じる男は人の気配が無いと言っていたが人の気配がありすぎる
どれだけ歩いたのだろう
私は机の上に置かれていた
私は魅了のスキルをしようする
これだけ人がいるのだ
殺しあえばかなりの魔力が集まるはず
部屋から出ようとした大男は振り返る
男の死体を床に再び下ろすと私に近づいてくる
私は「コッチ」と言うメッセージを魔力に乗せて放つ
大男は私をつまみ上げる
私はそして顔が近づいてきて私ははじめて勘違いしていたことに気がついた
この美しい鎧をまとった男は人ではない
空っぽの鎧で中には光も透さないほどの靄がたまっている
怨念や思念、魂、悪意、殺意、護りたいと言う思い、悲しみ、怒りとにかく様々な淀んだ魔力が固まったような存在が鎧をまとっている
「アンデット!?」
私はそのまま淀んだ魔力の中に堕ちていく
色んな思念が流れ込んでくる
意識が混濁してあれ?私は?
私を求める声が内側から響きはじめた
争う声
悲痛な叫び
それらは全て流れ出した
私の内包する魔力が魔力の塊に流れ出していく 同時に周りの魔力が流れ込んでくる
「私は吸い込む負けない」
周りの魔力を一気に吸い込む
「全部私の物よ!」
ピシッ
身体にヒビが入り魔力が殆ど流れ出した
そこで意識が途切れる
再び意識が戻るときらびやかな舞踏会の会場
紳士や淑女が華やかに踊る姿
それをありとあらゆる方向から見ていると言う奇妙な感じ
やがて場面が変わり一人の貴族風の男が殺される場面
内側からわく護れなかったと言う後悔
そして護らねばと言う思い
やがて屋敷には誰も寄り付かなくなり動きたいと言う思い
そこで再び意識が途切れる
太陽の光が窓から射し込む机の上に置かれた金貨
「私!生きてる!」
しかも以前よりパワーアップしていることがなんとなくわかる
金貨は静に魅了を発動する
しかし今度は屋敷を護ると言う目的のために発動する
護らねば
その日屋敷のある街に冒険者が集まりはじめた
屋敷を探索するために
強欲の金貨
一見とても美しい金貨だが魅了のスキルを持った立派なモンスターである
人を殺し会わせて魔力を獲る
手にしたものは金貨を護るために人を殺し続けるようになる
アイテムボックスには収納できません
強欲の金貨を装備して村や街に入ると村人虐殺イベントが発生するぞ!
運命の金貨
表に女神の顔が彫られている
裏には骸骨が彫られている
スキル
魅了、死の宣告、強運、幸福の宅配便、自己再生