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真面目な恋愛

男子高校生のみなさんごめんなさい

 今回は駅のホームのほうに行ってみよっと。電車待ちの人が面白トークしてるかもしれないし。あ、今、お前地縛霊じゃないのかよとか思ったろ。自分の行動範囲は今まで待ち合わせをしていた人が目印に使ってた銅像とその周辺でして、銅像を中心とした円状になってるのだ! それで、案外その範囲が広くて、範囲内に近くの駅のホームがある。というか、銅像が駅前にあると思ったほうがいいかな? そうゆう訳で僕はホームのほうにも足を延ばせるのだ! 地縛霊だけどね!


 それはともかく


 ホームをふわふわさまよって面白話を探していたら、何やら高校生男子二人組が何やら楽しそうに話しているのを発見! 高校生男子とかアホなんだからきっとバカ話が聞けるぜ、イヤッホーーー


 どれどれ? エロトーク? コイバナ? 失敗談おばかなはなし




「なあ……コイって何だと思う?」


 コイバナ来たぁぁぁぁぁ! そう、思春期男子(恋愛初心者)己の魂(純粋な思い)をかけて美しく散る(無様に爆発四散する)コイバナ来たーー! 見たところ高一みたいだし初恋かな? やった! 青春の一コマ(初恋玉砕)を覗き見れるっ! 楽しみだ(リア充予備軍爆破)!!


 はっ! 心の闇が! 深層心理がにじみ出てしまった。


「……ちょっと待ってって、おかしいな俺寝ぼけてんのかな? 聞き間違いだ。ワン モア ぷりーず」

「や、だから……コイって何だと思う?」

「I beg your pardon?(もう一度行ってクーダサーイ)」

「なんで急にネイティブ? というか僕が言ったこと、ちゃんと聞こえてるよね?」

「は? おま、急にどうした? ……ああ、昨日の化学の濃度の計算でも思い出してたんだな。早とちりだった、スマンすまん」

「いや、そのコイじゃないよ……恋愛とか…恋心のほう」

「……はあああああ? あの勉強以外興味ありません的なお前が? 学年一位の頭脳があるくせに、ずっと真面目に勉強してるようなお前が? 自己紹介で趣味、特技、家ですること、休日の過ごし方、尊敬する人、将来の夢や目標を勉強で埋めたお前が?」

「いや、そんな事実はないのだけれど……」

「これは大方の人の共通認識だし、だからこそお前に恋という概念があったことをなかなか認められないんだよ!」

「僕はそんなに真面目じゃないんだけど……」

「ウソだ」


 ……なかなか認めないと思ってたら、日ごろの積み重ねだったのか……だが、真面目君よ、君の見た目で真面目じゃないは嘘だわ。学校指定の制服なのか真面目君とその友達は同じ服だ。だが、友達のほうは暑いのかチャラいのか、注意されない程度に着崩しているけど、真面目君のほうは……第一ボタンは閉じる。ズボンはベルトできつめに締める。靴は白の運動靴。靴下はこれまた白で無地のもの。ついでにくるぶしがしっかり隠れている。そのうえ髪は短めに切りそろえられている。目にかからない、耳にかからない、襟にかからない。今時ここまで校則順守(くそまじめ)な高校生っているか? と不安になるくらいだ。


 恋愛? それよりも勉強でしょう。とか言いそうなやつだと思ったから、失恋前提で見ようワクワク、ってなった訳だし。


「……僕だってよくわからないんだよ。こんな気持ちになるのは初めてで……だからこうやって聞いてるんじゃあないか」

「悪かった悪かった。じゃあ俺が恋愛について指南してやるよ」

「ありがとう。恩に着るよ」


 面白そうな展開キタ!!


「まっ、電車来たし車内でな」


 あああ、面白そうな展開が逃げていくぅ……



  ~~翌日~~


 昨日見つけた二人組を発見! コイバナどうなった?


「おはよう」

「おう」

「昨日貸してくれた資料なんだけど……」


 待て待て待てええぃ!! 恋愛に資料ってなんだよ! 昨日あれから何があったし……


「やっぱり恋っていうのは難しいな。あの資料に描かれていたように僕もなれるだろうか……」

「心配するなよ。お前ならなれる。好きな子の気を引きたいんだろ」

「そうだな、まずはちゃんと話せるようにしないと……」

「(ブフゥ)が、頑張れ」


 ちょっと待て、友人君どうした。めっちゃ笑いこらえてるんだが……資料って何なんだろう。


「最終的にはあれに書かれてたような言葉と同等のことを言わないといけないんだから」

「そ、そうだな」

「すごかったよ」

「特に何がよかった?」

「まだ少ししか読んでないけど、最初のところかな。初対面で『ここはファンタジーの世界かな? 君みたいな妖精がふわりと現れるなんて』とか、僕にはとうてい無理だし」


 何が書いてあるんだよその資料!! ばっかじゃねーの!


「早く読み切ってくれよ。次に貸す予約が……ゴホン! 第一ステップなんだから」

「あれでか!!」

「まだまだ一巻……ゴホン! 最初の初心者向けだしな」

「初心者でも後光がさしてキラキラ光ることはできるのか……」

「(プッ)……まあな」

「他にも、笑いかけるだけで花を咲かせたりできるようにならないといけないのか……恋って難しい」

「(バカだ!!! コイツバカだ!!!!)」

「そういえば、あの資料の名前は『トキメキビヨリ』っていうんだな。本屋にたまに行くけど知らなかったよ」

「お前が教養書のとこにしか行かないからだ。結構知られてるぞ」


 真面目君それ資料じゃない恋愛マンガじゃぁぁぁ


 そりゃ、教養書の中にはないだろうよ! そもそも真面目君、本屋で教養書の所にしか行かないのに真面目じゃないとか言ってたのかよ!!


 友人君も何してるんだ。漫画を資料にするんじゃない。まあ、漫画のエフェクトとか花の効果を現実に即して考えるとか奴がいるとか想像できないしなぁ。仕方ないのかな?


「じゃあ、今日も恋愛指南してやるよ。お前はまだ恋愛初心者だからな、まずは、花を出すところからかな?」

「コツとかがあるのか? あるなら教えてくれ!」

「電車内でな。電車来たし」


 友人君、確信犯だ、間違いない。 そしてどうする気なんだ? 花の出し方なんてどう説明するんだろう? 気になるけどここから動けないんだよなぁ。


  ~~夕方~~


 昨日は見つからなかったが、今日は夕方でも発見したあの真面目君、友人君の高校生コンビ。花の出し方はどうなったんだ!?

「なるほど……」

「分かったか? すべては言葉なんだ」

「ありがとう、僕こっちだからね」


 説明終わってたァぁァ、ウソだァぁっぁァぁァぁァ!


「……あいつバカだな。『言葉に力を籠めればおのずとできるようになる』って、ふつう信じないだろうに。正直かなり焦ったけど、あいつ勝手に納得してたしなぁ……」


 そ れ だ け かい! 真面目君ぇ……


「冗談で持ってた恋愛マンガ貸したらあんなことに……俺だって恋愛経験なんてないのにどうしろというんだ。誰かあいつの暴走を止めてくれ……俺のせいじゃないよね? まあ、面白いし良いか」


 そんなことを言いながら友人君も立ち去って行った……


 友人君、人の初恋を面白がるとか、あまりよくないと思うなぁ


 僕はそんなことを考えていた……自分のことを棚に上げて。

地縛霊さんの盛大なるブーメラン


真面目君の恋模様の相手や結果は思いつけば書くかもしれません


作者は男子高生の馬鹿なノリも好きです

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