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宰相目線と過去

遅くなりましたが、続編です。

コメントありがとうございます!励みになります。

私はつい先ほどまで大陸一の大国の宰相をしていたものです。


何故先ほどまでかというと、我が主君であらせられるお嬢様が大国の第二王子に婚約破棄されたことによってお嬢様の領地は国へとジョブチェンジしたからです。


馬鹿だ馬鹿だと思っておりましたが、まさかこんなことをしでかすとは……愚かな。


お嬢様のいない大国なんてただのうどの大木、イチゴの入っていないイチゴ大福のようなもの。

さっさと切り捨てます。


同じ様な考えの者が多くいたようで私の後ろに続いています。


「帰ってくるのは当然だと思っていたが、お前達は本当にいいのか?一応皆大国の重役だったのに」


城からさっさと馬で領地に戻っている最中に、お嬢様が振り返って私達に尋ねますが、それは愚問というものです。


「私達はお嬢様や旦那様に救われたものばかりです。肝心の方がいない大国なんてただのゴミです。あの時お嬢様が私の事を拾って教育を施して下さったから今の私がいるのです。お嬢様は私達を拾った責任として、私達を使って下さればいいのですよ」


微笑みながら言う。

これは私達の欲であり、紛れも無い本心。







私は商家の一人息子でした。しかし近所に住んでいた男爵が横暴でまだ10歳になったばかりの妹を妾にしたいから寄越せと言ってきたことがあったんです。


この事は妹は嫌がりましたし、もちろん両親も断りました。それに逆らっていたら、両親と妹は家に入ってきた強盗に命を奪われました。





私は学校に行っており、帰ってきたときの惨状に頭が真っ白になりました。




これは、男爵がやったに違いない、殺してやる。




素早く男爵の殺害予定を立てました。幸い頭は良かったですし、その時に『高速思考』のスキルを手に入れました。今でも重宝しております。




復讐で頭が一杯のその時に、家に人が2人入ってきました。


それが、私の主であるお嬢様と、そのお父上である領主様です。


「何をそんなに殺気立っている?まぁ、聞かずともこの惨状を見れば分かるが」


妹と同じくらいの少女がやけに冷めた声で私に尋ねたので、一瞬私の思考は停止しました。

商家の娘であった妹よりも豪華なドレスに身を包んだお嬢様が、妹よりも世間の荒波に揉まれてきた様な顔で、声で、私を見るのです。



「それでだ。お前はこれからどうするつもりだ?仮に家族を殺した憎き相手を殺せたとしよう。しかしだ、お前はその後どうする。男爵を殺した重罪人として一生追われる人生を送るか?どうせ一人殺した所でまた新しい支配者が国から派遣されるだけだ」



それでも



それだとしても、


男爵の首を取りたかった。




そうおもったとき、ふと気がついたのです。


あれ?過去形になっている?


「私がお前を導こう」


少女の父親が私に手を差し伸べ、それを手にとったことで宰相まで上り詰めたのでした。







宰相になるまでの五年間は只ひたすら勉学に励み、宰相になってからは国の膿どもを断罪し続けましたが(もちろん家族の仇は第一にとりました。職権乱用?なんのことだか分かりませんねぇ)、まさか第二王子という蛆虫がいたとは……私もまだまだ未熟ですね。



しかし独立国家として、お嬢様と旦那様を支えていきたいと思います。

宰相の過去を軽く宰相目線でお送りしました。

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