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祝、ノーベル賞

ノーベル賞!?

作者: さきら天悟
掲載日:2014/10/08

ノーベル賞受賞おめでとうございます!

「おまえ何やってるんだ」


ノーベル賞を肴に居酒屋で祝杯をあげ、店を出たところで吉良は変な格好をしていた。

俺たちの母校の教授がノーベル賞を受賞したというニュースが溢れていた。


「俺もノーベル賞を取ろうと思って!」


「えッ?」


吉良は月に向かって両手を上げていた。

ふざけていると思ったが、

「何賞を取るんだ?」

と一応聞いてみた。


「平和賞!」

吉良は振り向きもせずに言った。


「なんでだ?」


吉良は黙ったままだった。

しばらく沈黙が続いた。


「こうしんしてるんだ」


「更新?アップロードの?」


「違う。宇宙との交信」


「宇宙との交信?なんでそれがノーベル賞?」


吉良は両手を下し、振り返った。

「宇宙人と交信できたら、宇宙が平和になるだろ」


「確かになぁ、」

一瞬、真に受けたが。

「違うだろう。酔っているのか?」


「ああ、酔っている。気持ちがいいなあ」

吉良は満面な笑みを浮かべていた。


「本当に取れないかな~取れたらもてるのになぁ」

俺はため息をついた。


「取る方法はあるよ」

吉良は低い声で言い切った。


「何を研究するんだ?」

俺たちはそれぞれ違った電機メーカーで働いている。

ただ、製品開発を担当しているが先端技術の研究はしていない。

俺はけげんな顔をしてみせた。


「研究はしない」


「しない?じゃあどうする?」


「政治家になるんだ」


「政治家に?」


「それでちょっと頑張って総理大臣になる」


「総理大臣なんてなれないだろう?」


「そんなに難しいことじゃない」


「難しくない?」


「そう。年金と医療の問題を解決する。

そうすれば、財政再建でき、国の借金を減らせる」


「確かに財政再建できれば、総理大臣になれるな。

でも、そんなことできるか?」


「まあいろいろ案はあるけどな」


「増税か?」


「そんなつまんなことはしない」


吉良は増税しない年金・医療問題の解決案を俺に教えてくれた。

老人に痛みをお伴うが筋が通った方法だった。


「総理大臣になってどうする?」


「米国大統領にノーベル賞を一緒に取ろうと提案する」


「いそうだな」

そういうアメリカ大統領は確かにいそうだ。

「それで?」


「ここからはちょっと難しい。

でも、ノーベル賞を取れると言えば乗ってくるやつはいるかもしれない」


俺はつばを飲んで吉良の次の言葉を待った。


「アメリカに補償金を払わせ、罪を認めさせる」


俺の頭はフル回転した。

そして一つの答えを導き出した。


「原爆か」

俺は呟いた。


「そうだ。1945年第2次世界大戦で原爆を落として、

無関係な市民を大量殺害したことを犯罪行為と認めさせる。

そうすれば、もう原爆は使えなくなる」


「核兵器の廃絶が現実味になるな。

ノーベル平和賞」

なくはないと思った。


俺は天を見上げた。

そこには月があった。


「あっ!」

俺は月の右下を指差した。


「UFO!」

吉良と俺は同時に叫んだ。

87年名城大学理工学部卒の私として昨日のニュースは非常に誇らしかったです!

三人の受賞者の方、本当におめでとうございます!!


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― 新着の感想 ―
[一言] ノーベル平和賞を狙うということと、アメリカに原爆を落とした罪を認めさせて核廃絶を狙うという発想がすごいとおもいました。そういう話をさっらっとかけているところも。
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