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その日から5日の月日が流れた。

流れる風を肌で感じながら伸びてきた畑の草を刈ったり、水のせせらぎを聞きながら洗い物をする。



その日常は、とてもゆるやかで幸せかもしれない。

けれど、ズキズキと甘い痛みを持ち始めた肩の傷が私をあの世界にいざなう。

それは、ドラゴンのことをもっと知りたいという自分の夢でもあったのだ。



5日目の夜、訪れた村長の使いの人に血の継承をやりますと伝えると、母親も覚悟ができたように



「がんばりなさい」



と、優しい顔で笑ってくれた。










一人で、儀式の行われる場所へと向かう。

母親でさえ、足を踏み入れることは許されない秘密の場所に、月の淡い光でしなやかに煌めく白いドレスと金細工の装飾品を身にまとい、私はゆっくりと歩いていた。



なめらかなシルクのドレスは、村の花嫁衣装に近い。

けれど、こちらの方が圧倒的に動きやすく、コルセットで身体を締め付けることもない。



「好きな人がいなくて、良かったのかもしれないな」



光源は、月の光と手に持っているランプのみ。

それほど寒くない夜、私は村長に教えてもらった通りの道を、独り言を呟きながら進んでいた。










「おい」



突然、暗闇の中から声が聞こえる。

持っていたランプを高く掲げてみると、そこには、太い木に背中をもたれかけて立つラスの姿があった。


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