ミッドウェーの九十分
「南雲司令官!ミッドウェー北東三百海里に空母を含む敵機動部隊らしきものを観測!」
「何!?空母を含む機動部隊だと?」
「はい。恐らくエンタープライズ型空母数隻を含む、敵空母機動部隊と思われます!」
「急いで幕僚会議を開く!各幕僚を呼んでくれ!」
幕僚室に集まったのは、艦隊司令官である南雲忠一。第二航空戦隊指揮官の山口多聞。航空参謀源田実。それに現場指揮官として友永丈市であった。
「既に聞いているとは思うが、ミッドウェー北東に敵空母機動部隊が観測された。今後どうするべきか意見を聞きたい。私としては一度魚雷に装備を替えてから攻撃させるのが良いと思う。」
「私としては今すぐにでも攻撃機を発艦すべきだと考える。万が一装備を替えている最中に攻撃されれば誘爆を起こして一撃撃沈もあり得る。」
「私も山口戦隊司令官の意見に賛成である。急ぎ攻撃機を発艦させ、防空準備を行うことが焦眉の急だと考える。」
「私も山口戦隊司令官,源田航空参謀に賛成である。魚雷に装備を替える暇があれば南雲司令官の案の方が良いが、アメリカがこちらが装備を替えるまで待つとは到底思えない。」
「うむ。しかし対地用の爆弾では空母に有効打を与えられないのではないか?敵に損傷を与えられなければ攻撃機を出す意味はないのでは?」
「出さぬよりはマシです。このまま魚雷に装備を替えていれば必ずその隙をアメリカに突かれます。長官!ご決断を!」
「分かった。山口戦隊司令官の案を取り、今すぐ攻撃機を発艦させよ!更に戦闘機も防空のために発艦させよ!」
この決断を南雲司令官がしたのが敵の第一波が来る90分前である。果たしてこの90分はどう影響するのだろうか。
「南雲司令官!攻撃機が全部発艦を終えました!」
「よし!続いて零戦も発艦させよ!攻撃機は護衛機を付けて敵空母に向けて放て!」
「ははっ!」
その頃の米空母艦隊。
「スプルーアンス司令官!既に攻撃機は全機発艦を終えました!」
「よし。彼らが日本の空母を沈めるまで待とうではないか。」
「しかし司令官。日本側が艦載機を放ってくる可能性はないのですか?」
「可能性としてはあるだろうが低いだろう。奴らの目的はミッドウェー島への攻撃だ。万が一こちらに攻撃機が飛んできたとしても、十分空母に備え付けられている機銃で対応できる。」
「ははっ!」
6月4日10時20分。米空母艦隊から放たれた攻撃機は日本艦隊に殺到した。
日本軍も零戦を既に展開しており、全力で迎え撃つ。激しい空中戦の後、敵攻撃機の大半は零戦が撃ち落としたものの一部攻撃機は空母に対して攻撃を行った。
その被害は以下のようなものだった。
・赤城:大破,行動不能
・加賀:中破,戦線離脱
・蒼龍:中破,戦闘能力減少
・飛竜:小破,戦闘能力維持
どの空母もかなりの損害を受けたものの、沈没艦はなかった。そして米艦載機が帰投する頃、日本の艦載機が米艦隊に襲いかかる!
「敵襲!敵艦載機による攻撃!」
「何!?機数は?」
「凡そ250~300機かと。恐らく日本艦隊の艦載機です!」
「なぜ300機規模の攻撃隊が!」
米艦隊は不意を突かれて大混乱に陥った。
「ヨークタウン大破!航行不能です!」
「エンタープライズ中破!甲板が使用できません!」
「巡洋艦ノーザンプトン大破!沈みます!」
日本の艦載機に不意を突かれたことで被害は惨憺たるものだった。空母は大破一隻、中破一隻で、甲板を使用できる空母はホーネット一隻というありさまだった。
更に巡洋艦も沈み、航空機も壊滅的な被害を受けた。米艦隊はこの被害では継戦不能と判断し、避退を始めた。
日本艦隊にも追撃するほどの余裕はなく、日米両艦隊の相打ちの形でミッドウェー海戦は終わった。
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