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いつの間にか、眠るページ

作者: 暗式蓮
掲載日:2026/05/09

ある夜、あなたはベッドに横になり、静かに目を閉じました。

子どもの頃の記憶が、ふわりと浮かび上がります。

お母さんやお父さんの優しい声。

ページをめくる音。色あざやかな絵本の世界。

心温まる話、ちょっと切ない話。どれも、寝る前にぴったりでした。

「絵本の中に入れたらいいのに」と思っていたあの頃。

話に夢中になっているうちに、いつの間にかまぶたが重くなり、

朝起きると心がすっきり軽やかだった。

今、あなたは大人になり、物語を書く人になりました。

でも、夜になると、あの頃の気持ちを思い出します。

「寝る前に、無になれるような話を書きたい」

「いつの間にか、安心して眠りに落ちられる物語を」

すると、部屋の隅が柔らかな光に包まれました。

無数の絵本が、ゆっくりと浮かび上がり、ページを優しくめくり始めます。

あなたは、その中の一つにそっと手を伸ばします。

絵本の中は、ふかふかの雲の海。

温かな風が頰を撫で、遠くで子守唄のような森のささやきが聞こえます。

幼い頃のあなたと、今のあなたが並んで歩いています。

「大丈夫だよ」と幼いあなたが微笑みます。

「ここでは、何も考えなくていいよ」

ページがゆっくりと閉じていくたび、

肩の力、胸のざわめき、今日のいろんな思いが、静かに溶けていきます。

優しい声が、遠くから響きます。

「おやすみ。また明日、元気な気持ちで起きられますように」

まぶたが重くなり、

体がふわふわと沈んでいきます。

絵本の世界が、あなたをそっと抱きしめています。

……

いつの間にか、深い眠りの中へ。

おやすみなさい。

良い夢を。

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