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「とりあえず此処ではなんだから僕の家まで行こう、歩ける?」
「あっ、はい……、痛っ!?」
シェリアは立ち上がろうとした時に痛みがあったらしく足首を抑えた。
「あぁ、腫れてるね……。 それじゃあ僕が背負うから」
「よろしいんですか?」
「別に大丈夫だよ」
僕はシェリアを背負って家へと向かった。
数分後、家に到着してシェリアを椅子に座らせ僕はスープを用意した。
「はい、野菜スープ、栄養たっぷりだから美味しいよ」
「ありがとうございます……、はぁ美味しい……」
「それでああいう状態になった事に心当たりは無い?」
「心当たりですか……、多分婚約者の王子かもしれません」
「婚約者が? どうして?」
「私と王子は余り仲が良くないんです。 王子が一方的に嫌っていてイライラした時は私に当たったり偶に叩かれもしました」
「酷いな、それ。 でも、確かに良い評判は聞かないね」
王族同士連絡先を交換していてこまめに連絡とか取っているんだけどレイスア王国の評判は余り良くない。
所謂『生まれだけが立派な典型的な駄目王子』というのが認識だ。
「ご家族や国王様に相談とかはしなかったの?」
シェリアは首を横に振った。
「相手は王族ですから……、私が我慢すれば良い問題だったので……」
周りは敵だらけか……。
「じゃあ家族とか向こうの国に連絡とか取らない方が良いかもしれないね、一応父上には報告はしておくよ」
父上の判断に任せよう。




