表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

 僕が王位継承権の放棄を承諾して1週間後、正式にリカルドが王太子になる事が発表された。


 貴族は勿論国民も大歓迎でお祭り騒ぎだ。


 ……いや、別に良いんだけどさ、もし僕がそのまま王太子になっていたらどんな反応になっていたか。


 想像しただけで切ない。


 そんなお祭り騒ぎの中、僕はひっそりと城を旅立った。


 父上が用意してくれたのは国の端にある辺境だ。


『お前が作る理想の街を作れ』との事だ。


 王都からは馬車で1週間ぐらいかかる、人っ子1人もいない紛れもない辺境だ。


 近くには山脈があり山を越えれば隣国に行けるけど、山道が険しいから余程の事が無い限りは通らない。


 過酷な環境ではあるけどやりがいがある。


「しかし、見送りに1人も来ないなんて僕はやっぱり人徳が無いんだなぁ……」


 僕が出て行く事は知っている筈なのに見送りに来た人はいない。


 いてもいなくても良い存在である事が非常にわかる。


 まぁ貴族学院時代も取り巻きはいたけどあくまで形だけで友情とか信頼とかはない。


 向こうは義務でいただけで心を許す事は無かった。


 それはそれでさびしいけどね、しょうがない。


 向こうには向こうの事情があるからね。


「それじゃあ新天地に向かいますか」


 1人荷物を持って乗り合い馬車乗り場へと向かう。


 僕はお城にお辞儀をした。


「今までお世話になりました、僕はただの平民として生きていきます」


 もしかしたら2度と王都に戻る事は無いかもしれない。


 そんな事を思いながら僕は城を後にした。


 そして、乗り合い馬車乗り場に到着して馬車に乗り込み王都を出て行った。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ