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異世界から学ぶライフスタイル 〜第一部 始まりの地〜  作者: カズー
第七章

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47話 武力偵察

 騎士団とオレは、城塞都市の重厚な城門を抜け、北西の街道へと進んでいた。全員が馬に騎乗しており、その進軍速度はなかなかのものだ。


 団長であるルイアナは、馬の疲労を考慮して、一時間ごとに休憩を取るようにしている。そのたびにオレは馬の傍らにしゃがみ込み、首筋や背を優しく撫でていた。


 なぜなら、オレの馬は“テイム”で従わせている――シャムがかけてくれている魔法の効果だからだ。


 以前はその効果時間も3分ほどしか持たなかったが、シャムのレベルは今や40に到達している。おそらく、オレと行動を共にする中で、戦闘の経験値が入っているのだろう。レベルアップにより、今やシャムのMPはオレを凌ぐほどになっており、さらに【魔法の首輪】の効果でそのMPは飛躍的に上昇していた。


 当然、テイムの効果時間も以前とは比較にならないほど伸びている。だが、それでも万が一、戦闘中にテイムが切れたら大変なことになる。だからこそ、オレは少しでも馬と心を通わせ、自力で乗馬ができるようになろうと努力しているのだ。


 そんなとき、団長のルイアナがオレに近づいてきた。


「カズー、お前は馬が好きなんだな。馬が好きな奴には、悪い奴はいないと私は信じている」


(いや、テイム切れが怖いだけだが、ここは話を合わせておくか……)


「はい。馬は素晴らしい生き物です。優しい目をしていて、こちらが愛情を注げば、それに応えてくれる存在です」


 そう言うと、ルイアナは目を細めて笑い、オレの肩を力強く叩いた。


「そうなんだ!馬は賢いんだよ!お前は本当に馬のことをよくわかってるな!」


(……何て力だ。肩がじんじんする)


「ルイアナも馬が好きそうですね。だからこそ、良い人なのだと思います」


 オレの言葉にルイアナは少し照れたように答えた。


「私の場合は、家系なんだ。代々、騎士の家系だから、そう育てられてきたのさ」


 謙遜するような口ぶりだが、その背中はどこまでも真っ直ぐだった。


「いえ、そんなことはありません。貴女の部下たちを見ればわかります。皆、貴女を信頼し、尊敬して従っている。それは、貴女が本当に“良い人”だからこそです」


「……ありがとう、カズー。よし、それじゃあ出発しようか」


 ルイアナが合図をすると、騎士団は再び街道を進み始めた。


 ◆ ◆ ◆


 その日の夕刻、街道を逸れて森の縁に入り、川沿いに野営地を構えることになった。


 オレはバックパックからテントを取り出して設営を始める。食事は各自持参のため、オレもアイテムボックスから焼き魚を取り出し、自分とシャムの分を用意する。


 食事が終わると、オレはアイテムボックスから袋に入ったフルーツを取り出した。それはマーブル島の甘く熟れた果物が詰まった袋だった。


(遠征に同行させて貰っているお礼だ)


 オレは、その果物を騎士たちに配って回った。


「カズー子爵、ありがとうございます!」「うまい!こんなの久しぶりだ!」


 遠征中に果物を食べられることなど滅多にないらしく、騎士たちは喜んで口に運んでいた。


 最後に、オレはルイアナに手渡す。


「ルイアナ、こちらは同行させていただいているお礼です」


「ありがとう……でも、よくこんな量を運んでこれたな?」


「はい。魔法のバッグを持っていますから」


「……それは、かなり貴重なものを持っているな」


 ルイアナは驚いた表情で答える。


(少し驚かれたが、“魔法のバッグ”と言えば、アイテムボックスのことは、なんとか誤魔化せるな)

 とオレは確信した。


 そしてオレは学ぶ。


〈皆と食べる食事の楽しさ〉


 と言うことを。 


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