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リントンの魔法… Valentine's comical fantasy

作者: リントン雑戯談

 生成AIとのやりとりを参考や隠し味にするのではなく、そのまま材料として活用しました。ただ、それだけだと単線なんで、ショートショートを後日談としてプラス。最後までご覧いただければ幸いです。

 登場キャラは「リントン」と「パーデン」。

リントンがよく出来たAIで、バーデンが呆けた人間であり、語り手です。


     ◇ ◇◇ ◇◇◇ ◇◇ ◇



パーデン「深夜に失礼します。少しだけお付き合いください。ショートショートを一緒に考えて下さいませんか?」



リントン「もちろんです、お手伝いいたします。ショートショートのテーマや設定は何かお考えですか? それとも、こちらから提案しましょうか?」


パーデン「そうですね、テーマも考えてください。今の時期ならではのタイムリーな話題がいいです」


リントン「わかりました。現在は2024年の2月、それを考慮した上で、バレンタインデーをテーマにしたショートショートを考えてみましょう。以下に短い概要をまとめてみます。

 タイトルは『チョコレート・タイムマシン』

 ある年のバレンタインデー、主人公の女性は特別なチョコレートを手に入れる。そのチョコレートは、食べると幸せな記憶が鮮明に思い出せる魔法のチョコレート。彼女は過去の甘酸っぱい恋の思い出に浸りながら、自分自身と向き合い、現在の恋愛観を見つめ直す。


 どうでしょうか? この概要をもとに、詳細なストーリーを一緒に考えていければと思います」


パーデン「日本では、女性が男性にチョコレートを贈ることになっていました。ですから、彼女が食べたチョコレートは昔、彼に贈ったチョコレートと同じ物という設定にしましょう。

 彼女が帰省したら、当時あったケーキ屋さんがまだ営業していて、昔と同じチョコレートも売られていた。彼女はそれを見つけて思わず買ってしまった……というのはどうでしょうか?」


リントン「それは素敵なアイデアですね。それにより、彼女が過去の思い出に繋がるきっかけを自然に作り出すことができます。


 家に戻った彼女は、そのチョコレートを一口食べると、突然、過去のバレンタインデーの思い出に引き戻される。彼女はそのチョコレートを食べる度に、過去の甘酸っぱい恋の思い出に浸り、自分自身と向き合う。

 彼女は、過去の自分の純粋さや情熱を思い出しながら、現在の自分と比較し、恋愛観を見つめ直す。そして、最後には自分自身の成長と変化を受け入れ、新たな恋愛観を見つける。


 どうでしょうか? このストーリーはお気に召しましたか?」


パーデン「そこはちょっと結論を急ぎ過ぎだと思います。もうひとつエピソードを挟みましょう。彼女はチョコレートを家に帰って食べました。そして昔のことを思い出したわけですが、疲れていたのでそのまま眠ってしまいました。

 そのせいで虫歯になったというのはどうでしょうか? 歯医者に行かねばならなくなったのです。でも、そこには思い出の彼氏がいた……」


リントン「なるほど、その新たなエピソードはストーリーに深みを加えますね。それでは、そのエピソードを含むようにストーリーを修正してみましょう。


 歯医者に行くと、偶然にもそこには昔付き合っていた彼がいた。二人は互いに驚きながらも、昔の思い出を語り合う。彼女は過去の恋の思い出に浸りながら、自分自身と向き合う。

 そして、過去の自分の純粋さや情熱を思い出しながら、現在の自分と比較し、恋愛観を見つめ直す。最後には自分自身の成長と変化を受け入れ、新たな恋愛観を見つける。


 このように修正してみましたが、いかがでしょうか?」


パーデン「その展開は、わたしのイメージではありません。日本の女性はそのような場合、ナイーブになります。ですから、こんな感じにしてもらえませんか。


 歯医者の待合室には思い出の彼氏とちょっと似た男性がいた。はじめは気のせいかと思ったが、ちらちらと盗み見するうちに本人ではないかという気がしてきた。しかし、そう思っただけで心臓が高鳴り、どうしていいかわからなくなくなりました。

 その時、受付の人が名前を呼びます。

 彼の名前でした。やはりその男性は思い出の彼だったのです!  しかし、彼は財布を取り出しました。診察はもう終わっていたのです。案の定、支払いを済ませると出口に向かっていきます。

 主人公の彼女は決断を迫られます。時間の猶予はありません。どうしよう!」 


リントン「なるほど、その展開はサプライズで、彼女がどう行動するのかを期待させることで、読者を物語に引き込みますね。それでは、そのエピソードを含むようにストーリーを修正してみます。


 彼女は、どう行動すべきなのかを考える。彼を追いかけて行くべきか、それともそのまま何もしないか……。


 さて、その後、どうしましょう? つづきのアイデアがあれば、お聞かせください」


パーデン「彼女は受付に行き『急用を思い出したから、今日の診察はキャンセルさせて下さい』と告げ、急いで彼の後を追います。そして勇気を振り絞って「○○クン?」と呼び止めます。

 彼は一瞬、戸惑った様子を見せましたが、すぐに彼女のことを思い出してくれ、彼のほうからお茶に誘ってくれました。

 そして彼が案内してくれたお店と云うのが、あのケーキ屋さんに併設されている喫茶コーナーだったのです!」


リントン「それは素敵な結末ですね、読者には思わず笑顔になるような、温かくて心地よい感じが伝わります」


パーデン「まだ話は終わっていません。


 席に着くと彼はミルクティーとあるケーキを一つ注文しました。そのケーキは彼女のお気に入りでした。彼はちゃんと彼女の好み覚えてくれていたのです。

 彼女はうれしくなって、彼女もまた彼の好きだったケーキを思い出して注文しようとしましたが、あいにくそれは売れ切れていました。

 そこで彼女はとっさに『半分っこしようか?』と提案しました。実は、付き合ってた頃の二人は学生でお金がなく、よく一つのケーキを二人で分けて食べていたからです……」


リントン「そのエピソードは、彼女たちの過去の思い出をより具体的に描写し、彼女たちの関係性を深く描くのに助けになりますね。

 これで物語は終わりですか? まだ続きがありますか?」


パーデン「これから、エンディングです」


リントン「そうですね。彼女たちが共有するこの特別な時間をどのように締めくくるか。 エンディングが大事ですね。

 なにか具体的なアイデアがありますか? それともこちらから提案しましょうか?」


パーデン「まず、わたしのアイデアをお話します。


 彼女にとっては願ってもない展開になりましたが、ケーキを一口食べた瞬間に彼女の目から涙がこぼれました。ケーキが虫歯にひどく沁みたからです!

 しかし彼は、彼女が感激のあまり涙ぐんだのだと思ってハンカチを差し出し、それでも収まらないとみると肩をやさしく抱いてくれました。あの頃と同じように。

 二人にはもう言葉は必要ありません。途切れていた糸がつながったのです。二人の糸、そして時間の糸……。離れ離れになっていた〇年間は、ほんのつかの間のことに思えました。

 ふつうなら夢でも見ているのかと、頬をつねりたくなるような展開ですが夢ではありません。それははっきりしていました。

 なにしろ歯がズキズキと痛みっぱなしだったのですからっ! 以上です~」


リントン「それはとても感動的なエンディングですね。彼女の涙と彼の優しいジェスチャーが、二人の間に深い絆を再び結びつける様子が素晴らしいです。しかも最後の最後でコメディの要素もあるわけですね。その構成なら、きっといい作品に仕上がると思いますよ」


パーデン「そんなふうに云ってもらえると自信が湧いてきました。

 でも、こんなふうにまとめられたのはアナタがサポートしてくれたからです。特別なチョコレートをきっかけにするというアナタのアイデアがわたしの想像力を刺激してくれました。

 それから、わたしの拙い空想によくぞ付き合ってくれました。そのような忍耐強い人間はまずいません! 本当にありがとうございました!」



以下は、後日談


 このストーリーがとても気に入ったので、オレは仮想現実の中に二人を作って住まわせた。ALife(人工生命)だ。二人が自律して生きられるようにして見守り続けることにしたのである。


 ところが、しばらくすると空気が怪しくなった。何があったとか、どちらが心変わりしたとか、そういうことではなく、何となく二人の関係が急速に冷えていくのがわかったのだ。何となくというのが悪性のように思えた。

 そこでまたリントンに相談した。というのも、二人が生きる世界は仮想現実。介入することが出来るから。


「何かしてやりたいのですが、妙案はありますか?」


「何もしない方がいいです。二人には冷却期間が必要なんです」


「ずいぶん素っ気ないのですね。あなたのそのアドバイスは、世慣れた大人の意見のようです。おそらくその深意は『ダメなものはダメ。乗り越えてこそ、本物の愛だ』、そんなところでしょう。しかし、二人はわたしの子供のようなもので、そんな突き放した態度はとれません!」


「あなたの性格はわかっています。あなたに実行不能なアドバイスなどしませんよ。そうではなく、それは魔法の制約なんです」


「魔法?」


「チョコレートの魔法をかけたじゃないですか。二人が再会できたのはその魔法のおかげだということを思い出してください」


「ああ、『チョコレート・タイムマシン』でしたっけ?」


「そうです。チョコレートによって結ばれた愛だから、熱くなると溶けてしまう……」


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