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プロローグ

 ――目の前の少女は言う。――


「ああ、あ、あ、ああああ、あ」


 あ?


「あなたは残念ながら死にました!」


 え? なに? なにがどういうこと?


「それでですね、死んだあなたの魂を私の世界に転移させてですね、続きの人生を送りつつあなたの持っているあなたの世界の知識を私の世界にどんどん広めちゃってですね、文明レベルをあげてあげてあげまくって」


 まてまてまてまて! まずなに? 俺死んだの?


「え、えっとそこからですか? おかしいなぁ神友(しんゆう)に聞いてた反応と違うんですけど?」


 自分が死んだことをそんな軽く流せるやつなんかいるか!


「えー。でも他の神々(ほかのこたち)は目の前に魂を呼び出して死んだことを伝えたら相手の方から召喚か転生か転移か聞かれたとか、こういうチートが欲しいと即座に注文されたとか、訳知り顔で無駄にクールだったとか、とにかくあなたの世界の人を呼び出すとほとんどの方が妙に自分の状況に詳しかったって言ってましたよ!」


 なにそれこわい。普通自分の死なんて受け止められないだろう? なに俺がおかしいの? ホワイジャパニーズピーポー!


「いい感じに壊れてるところすみませんが話進めていいですか?」


 いや待て、待ってくれ。俺が死んだならここはどこであんたはだれなんだ?


「えー! そこもですかぁー!? いくら何でも察し悪すぎでしょー!」


 え? また俺が変なの? なんか間違ってるの?


「まぁいいですよ、ここは神界にある私の領域内でメイフィーロへ干渉する為の部屋。そして私はメイフィーロの創造神エリーエリーです」


 神様!?


「そうです! 世界を作ったのはほんの2億年前くらいだったんですがつい先日! ようやく第2種世界運営許可検定に合格しまして! 第2種についてくる異世界転移許可権を行使して今人気のニホンジンという種族の魂のもらい受けの申請したところちょうどあなたが死んで天に昇ってきたのでそのまま私のとこまで魂を運んで半覚醒状態にしたんです」


 なんか色々言いたいことはあるんだけど、ひとつ聞いていい?


「なんですか?」


 俺なんで死んだの? 全然覚えてないんだけど


「えっとですねー。あなたは寝ている時あなたのアパートの前で牛を運んでいたトラックが事故を起こしまして、その時の衝撃で荷台の牛が暴れまわってあなたの部屋に乱入してですね」


 そうか・・・暴れ牛に踏まれて死んだのか・・・


「いえ、牛があなたの顔に大量の糞尿を垂れ流して生き埋めになって窒息死でした」


 ぺっ! ぺっ! おえー! 俺そんな死に方したのかよっ!


「全身埋もれていたのですぐには発見されず、死体が見つかる頃には匂いが染みつき家族の皆さんは1度受け取りを拒否しt」


 もういい! 俺の死をこれ以上汚さないでくれ! 


「・・・それでえっと進めても?」


 ・・・頼む


「はい! では先ほども言ったように私の世界に行っていただきます、あなたは享年33歳でしたけど新しい体は18歳くらいの体になります、というか私が今日の為に用意してた私好みの顔と体型で作った肉体に入っていただきますね」


 ・・・はい


「私の世界メイフィーロはあなた達の感覚でいうと中世ヨーロッパ的なファンタジー世界のようなところで魔法も存在しています。親バカに聞こえちゃうかもしれませんが、なかなかよい世界に進化したと思うんですよ!」


 ・・・はい


「もう、ちゃんと聞いてますか? 私の意図してなかった魔物なんかも生まれたけどみんな私の子供みたいなもので見た目はちょっとあれですけどみんなヤンチャでカワイイんですよ、この前も人間の小国を1つ滅ぼしちゃったんですけどそれくらい元気な方が魔物って感じでいいでしょー?」


 ・・・は、はあ!? 親バカにもほどがあるだろ、なに栄えさせたがってる文明一つ潰されてヤンチャでカワイイとかいってるんだ!?


「だって手のかかる子ほどカワイイっていうじゃないですか?」


 おかしいだろ? おかしいよな? え、なに? やっぱり俺がおかしいのか?


「それでそんな世界ですから、転移して間もないのに後ろからバッサリってこともあるのでこれからあなたには色々とスキルを身に着けてもらいます」


 それがさっき言ってたチートってやつだな、何が貰えるんだ?


「まず私の方で用意したのがこの私、創造神の加護です。これがあれば言葉や読み書きに不自由することもなくもろもろの成長速度も通常よりはるかに速いですし、あらゆる病気や呪い異常に耐性がつきます」


 それはすごいな


「そして次に異空間ハウス、日本生まれのあなたにはこの世界の最上級の宿でも満足に足るかどうかわかりませんので、いつでもどこからでも帰ってこれるあなたの家を用意しました。異空間なので100%安全なところになってます、家は後に拡張なんかも出来ますが今は小さい平屋に庭と倉庫がついてる状態です。それと荷物を倉庫に瞬時に送ることができますが取り出すときは倉庫に行く必要があります」


 至れり尽くせりじゃないかさすが神様! いや美少女女神様!


「そうでしょうそうでしょう? そして最後に1つあなたの望む力を与えます!」


 ・・・望む力?


「不老不死だったり、世界を破壊できる力! なんてのは無理ですが例えば騎士で名を上げたかったら闘神の加護が欲しいとか、魔法で名を馳せたいならそれぞれの属性を司る神の加護か魔力そのものを望むというのもあります」


 よし決まった!


「おぉ早いですね! なにをお望みでしょうか?」


 文明のレベルを上げたいんだろ? だったら物造りの力が欲しい! 鍛冶神の加護を俺にくれ!


「いいですねいいですね、最初ここにきてあたふたしてた人とは思えないいさぎの良さです。しかも私の気持ちを汲んでくれているのが好感度高いですね」


 死んだ俺にチャンスをくれたんだ、それくらいは尽くすさ。実際どうなるかわかんないけどな。


「その気持ちだけでうれしいです。では鍛冶神の加護をあなたに・・・」


 ・・・・・


「あれ? 鍛冶神の加護をあなたに!!」


 え? 失敗してるの?


「せっかくいい感じだったのにー。えーーい鍛冶神の加護よ宿れ!!!!」


 おぉー! なんかめっちゃ光ってるぞ!!


「成功しました。ではこれからメイフィーロに送ります。新しい体の名前はお好きにつけてください、多少のお金も用意してあるのでまずそのお金で身分証明書を手に入れてください、冒険者になるのが手っ取り早いです」


 なにからなにまでありがとう。女神様


「それでは新たなる命を私の世界をどうか楽しんでください」


 ――突如発生したとてつもない光の中で俺は意識を失った――




「あのーエリーエリーさまぁー?」


「あら? どうしたの天使長ちゃん」


「鍛冶神様って前に使い込みの件で女神様が霊格剥がして追放してから不在ですよね」


「あれ? そうだっけ? それがどうかしたの?」


「鍛冶神様がいなくても鍛冶神の加護で与えられるんですか?」


「できるわけないじゃない、天使長ちゃんったらおかしなこときくんだー」


「じゃあさっきの方に授けたのってなんだったんですか?」


「・・・え?」


 そして女神の手元からは前鍛冶神の霊格がなくなっていた


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