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Rebirth or Creation-再生または創造の世界-  作者: ローレライの騎士
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物語の始まり……?

ブログ始めました!→http://ameblo.jp/rebirth-or-creation/entry-11421644682.html




「勇者を探すため……だって?」



「ええ。あたしの故意じゃないけどね」



 故意じゃない? どういうことなんだ? 勇者なんて探す必要がある奴ほど、なにかを企んでいるにちがいない。

 もしくは、本当に必要な時がある、かだ。


「勇者がなぜ必要なんだ」



「そう言うと思ったわ」



「…………」


 冷酷な目。アルファの深い赤の目が、俺を取り込むのではないか。そう思えるほど、冷酷な目が俺を縛り上げる。


「あたしがそこまで‘素性’をあなたに伝える必要はないはずよ」


 ……たしかに。たとえ、『容姿』『天空界』『創造人』などのワードが、アルファの口から出たとしても、そのすべてを語る・説明する義務なんてない。

 むしろ、アルファからしたら隠すべき情報だったかもしれない。


 すこし、入り込みすぎたようだ……


「それに、マナーも守ってないじゃない」



「……マナー?」



「‘自己紹介’よ。あなたの事、まだ何もしらないわ。あたしがしたんだから、あなたもしなさいよね」



「そ、そうだったな」


 少しも俺らしくない態度だった。いきなり「私をかくまってくれない……?」なんて言われたんだ、無理がないのは分かってる。だけど、自分を見失っていたことに変わりないんだ。


 少し反省を込めるつもりで、俺は自己紹介を始める。


「俺の名前は、筑波色。この学校の一年C組だ」



「シキ……いい名前ね!」


 アルファは、なぜか辛そうな目をした。一瞬だけ。


「ところで、アルファ。最初に言ってた『私をかくまってくれない……?』ってのは一体どういう意味ーー」



「ーーやっぱりいいわ。その件については、もうあんたに頼らない」


 ……さっきまでのお調子者キャラはどこにいった? と、疑いたくなるほど、今のアルファは十分前のアルファではなかった。

 なんていうか……、‘何かを諦めた’感じが伝わってくる。



「……そうか」



「ということで、シキ。またどこかで会いましょう」


 そう言って、アルファは身を包み込んでいたやや派手なコートを翻し、俺の後ろーー出口に向かって歩き始めた。



「どこに行くんだ?」



「……勇者を探しに行くの」


 ……王道のファンタジー漫画なら、ここで主人公が摩訶不思議な世界へと、ヒロインの手によって誘われるはず。

 なのに、俺は勇者に抜擢されなかった……


 ーーという事は。



     始まっていなかったのかーー



 俺が主人公に選ばれ、とんだ世界へと連れていかれ、変なものと戦ったり、様々なヒロインと出会ったり。

 ーーそれは、


        ーー始まっていなかったのか?




「なんだよ……それ……」



「……?」



「全部、俺には関係なかったのか……」


 自分でも思う。俺は幻想を見ていたーーいや、幻想に‘魅されていた’









この次はどうしようか……

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