物語の始まり……?
いやぁ、やっとテストが開けました~
長く辛く、そして完敗!
さあて、気を入れ直して執筆頑張るぞ!
ーー‘俺’なら、この先はどうする?
それは、俺がどうするかで未来が変わるということ。俺が書いた物語が、現実の世界で動いているということでもある。
俺が、もし……『俺』と『アルファ』を主人公とした物語を書くなら、
どのような世界にするか……
答えはーーある。それは、俺が一番望んでいた世界ーー
「ーーねえ」
不意に、アルファから声をかけられる。
「……なんだ?」
「ここは地上界のどこらへんなの? それと、今は朝なのかしら?」
「地上界……?」
気になったワードは、地上界だった。それも無理はないはず。
なんせ、そんなワードを聞くのは、『ファンタジーの世界』だけだから。
「ここは地上界なんでしょ? お父様が言ってたわ」
「初耳だけど……」
「……そんなはずはないわ」
アルファは目をつむり、過去を見つめるような目で、俺を真っ直ぐにとらえる。
そして一拍子おいてから、「地上界はーー」と口を開いて喋り出す。
「あたしの住んでいた『天空界』とは違って、空気が濁っているのよ。あなたはそれに慣れてしまっていて、まったく気づかないだけ」
いよいよファンタジー世界の定番とも言える単語が出てきた。
地上のことを地上界と呼んでいる時点で、だいたい次に出てくる単語は分かっていた。
だが、あらためて言われてみると、なんだか不思議な気持ちになってしまう……
「待ってくれ……、『てんくうかい』って、なんだよ?」
「あんた、そんなことも知らないの?」
そんなことも知らないの? って、俺がそんなことを知っている訳がない。
俺はただの人間なんだからな。知らなくて当然のはずだ。
「知っているわけないだーー」
「ーー分かったわ!」
呆れた、と言いたかった俺の口が、アルファの言葉に圧倒される。
「あなた、ニンゲンだから知らないのね!」
「…………」
はい。そうです。と言うのには、まだ早いような気がした。
なぜなら、アルファが言っていることを、理解できずにいたからだ。
「そういえば、『ニンゲンは知識が乏しく煩悩ばかり』ってお父様が言ってたわね」
「違う。俺は、お前の存在が何なのか理解できないだけだ」
俺は、俺以外の人間を否定されることが気に食わず。反論の言葉を発した。
「あたし? あたしはねえ……」
いがいだったが、アルファは俺の言葉を真に受け、どうやら答えを絞っている
様子だ。
「…………」
しばしの沈黙。しかしその沈黙は、突発的なタイミングに発せられたアルファの
言葉によって、打ち壊された。
「ーー創造人、かな」
「……それはさっき聞いたぞ……。お前が創造人だってことも、『天空界』ってとこに住んでいたということも聞いたーー俺が知りたいのは、『お前がなぜここに存在しているか』なんだよ」
「あ、そっち? だったらそれを伝えてよね! 勘違いしちゃったじゃない」
微妙だが、アルファは頬を桜色に染めた。もともとの白い肌が、より透明感を増したようにも見えた。
というか、さっきの質問で勘違いをするのはおかしいだろう……
「あたしがここに来た理由は……」
ーー次、アルファが口を開いたとき、すべてが分かるはずだ。
地上界、天空界、アルファの存在。
そして、『俺』と『アルファ』は、物語のーー主人公として選ばれたのか。
すべてが分かるはずだ。
すこし間をあけて、アルファの口は衝撃を発した。
「あたしがここに来た理由はーー‘勇者'を探すためよ」
完全に、始まったーー
テストあけ、一話投稿ですー!
なんだか、長くなっちゃいましたが……