物語の始まり……?
更新おくれてしまいました! すみませぬ
「創造神ブラフマーが両界を創り上げてから、人類の起源・イヴは現れたの。突然にね」
「創造神ブラフマーってのは、ようするに世界を創ったんだよな? だったらふつう、そのブラフマーが両界を調和させるべきじゃないのか?」
俺はいまだ決定的な何かもつかめず、ただ生まれてくる疑問や考察をアルファに伝えることしかできなかった。
「それじゃあダメらしいのよ。なんでも、創造神ブラフマーに人類の概念は理解できなくって、人類の繁栄や発展は専門外だったらしいわ」
「そんな無責任な神がいるのか……」
「……イヴが現れたことで、人類は未来を生み出していった。そして、あなたやあなたの母方はイヴから生まれたことになったの。そこまでが、お父様の教えてくれたことだわ」
……俺は、イヴから生まれたことになるのか…… こんな平凡な奴が。
「そういえばシキーー」
「ん? なんだ?」
嫌な予感はした。だが、それが確信に変わることはなかった。
「なんで、腕ーーないの?」
ーーなぜか寒気がした。背筋を冷たい水がつたるようにして。
「……あ、ああ。これのことか……別に、深い意味はないよ」
正直、話題の変わりようがはげしすぎて、自分だけ違う世界に取り残されたような感覚がしてる。ってか、変わった話題がまたそれか……
「本当に?」
「ああ……」
俺は面倒くさがるように、アルファをテキトーな言葉であしらった。
「ふーん……」
アルファは、あからさま疑うような目つきで俺の顔を覗き込んでくる。その目がやたらに俺をいらだたせ、「なにもないって」と強く突き放した。
「おっと……女性に手をあげるなんて、紳士のすることじゃないわね」
「俺は紳士なんかじゃない。それに、お前が近寄ってきたから突き放しただけだ」
「またまた~。シキが隠し事するからじゃないの」
今思えば、ほんとうにこいつを追ってきて正解だったのか? 1、2時間前の俺に、歯止めをかけたくなる。
「ーーそれにね」
アルファは間髪いれずに、話しはじめた。
「あたしが言ったこと全部、シキは嘘だと思ってるでしょ?」
「……まあ、信じられないことばかりだったしーー」
「ーーホントよ」
穏やかだったアルファの声調が、いっきに強めになる。
「だって……天空界なんかどこにもないーー」
「ーーあるのよ。ただの地上人には見えてないだけーーというか、気配も感じられないわ」
「おまえなあ……」
そんなファンタジー用語ばかり言われたところで、俺が全部信じるとでも思っていたのか? だとしたら、それこそ決定的な疑問だろ。そこまで世界は構築されてたのかってな
まだだ……! まだ天空界編は始まらせないぞ……!




