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Rebirth or Creation-再生または創造の世界-  作者: ローレライの騎士
10/22

物語の始まり……?

珍しく、お昼の投稿です。




「あんたどうしたの? そんな哀しそうな顔して」



「哀しそうな顔……?」


 俺はそんな顔をしているのか? だとしても、なぜそんな顔を……する必要が……



「なにかあたし、した?」



「……いや、そういうわけじゃない……と思う」


 

 そう信じたい。限りなく、俺が悪いんだ。



「だったら自分で解決してちょうだいね。これ以上、仕事を増やしたくないの」



「ああ……」


 

 俺は、文句ありげな態度でアルファをあしらった。その態度に気づいたのか、アルファはさっそうと、美術室から出て行く。

 ……ってか、あの格好じゃこの学校から抜け出せないぞ。



「……俺は」



 裏切られたような気がした。 急に現れた美少女に「かくまってくれない?」と言われ、誰も信じなかった説を事実に変えるような衝撃発言もあった。

 そのほか、『地上界』『天空界』『勇者を探す』なんて意味深なことばっか言われた。


 それらを、俺は信じた。俺が選ばれたと思ったからだ。物語の主人公ーー『勇者』に。



「そういえば……『責任』ってなんだったんだ……」



 アルファが俺に倒れこんできて、思わず胸を触っちまったけど……

あの時言ってた、「責任とってもらうからね……!」は、なんだったんだ?


 ーーまさか。




     ーー俺を勇者にするつもりだったんじゃ……





「それは……ない……か」



 もしそうだったら、アルファはどこかへ行ったりしない。

俺に責任をとってもらうことが、アルファの言っていたことだ。

 本当の目的が、あるんだ……アルファには……



「…………」




 何も聞こえない静かな空間。かすかなアクリル絵の具の匂いが俺の鼻をくすぐる。


 俺は焦燥感にひたっていた。『俺』という人間を、アルファの言っていた『勇者』と照らし合わせて、自分を主人公に見立てていた。それが、焦燥感を生み出した。



 俺はいつもそうだった。自分の不利なところを認めなかった。どうしても、それを受け入れられなかったから……


 俺の右腕はーー幼い頃の報い。俺が『あんな』ことをしたんだ、神はそれを見逃していなかったんだろう。



「…………」


 あせる。あせる。あせる。俺は…… 俺は……


 




  ーー俺は、還さなければならないのか?




「……還す……のか?」



 ーーアルファにもらった何かを、還さなければならないような気がした。

何かを押し付けられたような気がした。

アルファは、俺になにかを押し付けていったような気がした。



「……要らない」


 こんな『変な気持ち』は、要らない。必要ない。


「……還しにいくぞ。この……」



 俺は、冬の寒さじゃない何か、で固まっていた足をゆっくり前へ踏み出す。


「要らない……要らない‘心配’なんて、還しにいく……!」




 ーー俺は走り出した

           一心不乱にーー





どうしよっかな。このまま進めるには、環境が整ってないなあ……

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