奇妙な女の子
奇承転結、第2段です。
相変わらずの文章力の無さですが、読んでいただければ嬉しいです。
それでは、どうぞ!
森守真がパンを買いに行こうと廊下を歩き出した、まさにその時だった。
後方から元気な声が飛んできた。
「ねぇ真君!」
振り返るとその声の主が居た。
茶髪でボブショートヘア。お茶目な雰囲気の女の子だった。
またこの女の子に質問攻めにされる、と真は思った。
申し訳ないが構っていられないので、適当にあしらおうと口を開く。
「あの、悪いんだけど俺今忙し・・・」
「ついてきて!」
その女の子は、真の腕を無理やりつかんで歩き出した。
「ええ?え、ちょ・・・どこに行くの?」
「いいから!黙ってついてきて!」
真はまだ状況が把握できていないが、とりあえずその言葉の通りに黙ってついていくことに決めた。
女の子はずんずん歩いていく。
そしてついた先は―――屋上の扉の前だった。
屋上に出るつもりだろうか。でも屋上の扉には「立ち入り禁止」という紙がはってある。
「ねぇ、ここ、立ち入り禁止になってるみたいだけど・・・」
「あ、ちがうよ?屋上には用はないし。」
女の子はそういって屋上に出る扉とは反対の方、つまり何もない壁の方を向いた。
何もないはずのその壁に手を当てて―――。
「ピッ」
確かに音がした。すると壁に亀裂ができた。その亀裂は音もなくゆっくり開いていき、ついに人一人入れる大きさとなった。
真はただその光景を目を丸くして見つめるだけだった。だが不意に放心状態から戻ってくると、あわてて問いただした。
「な、なにこれ!?どうなってるの!?どうして開くの!?」
「へへーん。すごいでしょ」
「えっと・・・ここ、はいれるの?」
「うん。ついてきて」
そして女の子と真は壁の亀裂に入っていく。中は廊下のようになっていて、その先に部屋があるのが見える。
ふいに女の子がふりかえって言った。
「ねぇ、アタシの名前、言ってなかったっけ?」
「うん、聞いてない」
「アタシ、奈原魅月。よろしくね。真君!」
「え、ええ?えーと、よろしく」
戸惑いつつも二人で握手を交わした。
「ねぇ、魅月さん。あの・・・なんで俺こんなところに呼ばれたの?」
「真君、私達の仲間になって!」
答えになってない・・・と思いつつも、なんだ俺と友達になりたかっただけか、と一安心する。
ただ友達になりたいだけにしてはずいぶん大掛かりだが。こんなところまで呼び出す必要はないし。奇妙なこの部屋もいったいどうやって・・・。
色々聞きたいことが頭に浮かんだが、頭の中に押しこめた。
でも真はそこではたと思った。「私・・・達・・・」
「ねぇ、『私達』って・・・」
「目の前の部屋。そこにもう一人いるから。ほんとうはアタシもあわせて4人居るんだけどね。今日は学校サボりみたい」
魅月は目の前の部屋を指差す。
明かりが灯ったその部屋に、チラッと人影が見えた。
魅月はまた真の腕を掴んで、その部屋へとぐいぐい引っ張った。
ついに部屋の前まで来て、その扉が開かれたーーー…
そこには一人の男がいた。
金髪にメッシュ、そして見る者に恐怖を与える鋭い目付き。
どこからどう見ても「不良」という表し方しかできない。
その人物が口を開いた。
「テメェが森守真か…?」
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本当に書きたいところはまだまだ先にあるんですが、キャラ紹介にあと3話位使うかもしれません。
長くなると思いますが、よろしくお願いします。
あと、意見やアドバイスもらえると嬉しいです。実は一度ももらったことがないんです…(T_T)