Letter. 拝啓 きみへ。
きみへ。
もう居ないきみに、伝えたいことがある。
って言うほど大したことじゃないから大丈夫だよ。
ちょっと現実逃避したいだけ。
行動派で単純で長ったらしい文章が苦手なきみには長すぎるかもしれないけど、
頑張って短めになるようにするから。
出逢わなければよかったのかな、わたしたち。
運命だったって、今でも信じてるよ。わたしは。
だけど、起こるべき運命じゃなかったよね。
起こるべきだった運命は、そう……
『きみと、わたしの親友』
あ。今、怒ったでしょ。
そんなの聞いてないって?
だって話せるわけないでしょ。
今だから言うけど、きみの彼女とわたしは親友だったの。
幼稚園からの、何でも話せる理想の親友。
……あ。また嘘がバレた?
きみはいつでも鋭かったよね。
わたしの嘘の吐き方が下手すぎるのかな。
わたしは親友のことが嫌いだった。
わたしが手に入れたいと望むものは、必ず彼女に横取りされた。
学芸会のお姫様役も、
バスケのポジションも、
授業中に寝られる窓際の席も、
お母さんたちの人気者の明るい女の子キャラも、
―――きみも。
短めですみません。
初投稿で慣れてないですが、読んでいただきありがとうございます。