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第5話 ミラの失態

布都はミラによって霧の湖の最適者となるために修行を付けられていた。もちろん布都も最初はやる気に満ち溢れていたのだが、それを打ち消すほどの過酷な修行であった。

ミラ「は~い今日も目標タイム切れなかったからハードコースね~今日はもう1年もハードな方の修行してるし、仕方ないから半分の50周で許してあげますよ」

布都が修行を始めて1年

ひたすら自分のステータスで霧の湖を走っていた。レートは自分のステータスでの走りの完璧さが1番の評価点であるから、ここを仕上げておかなければ後々後悔することとなるからだ

布都「ミラ…頼むから目標タイム下げてくれ…布都&布都で霧の湖1分54秒切りはステータス的に無理なんだよ…」

ミラ「キャラ毎に限界なんて存在しません!なら咲夜&咲夜で2分切りにでもしましょうか!せっかくまだ使い慣れている布都のステータスにしてあげているのに、なんで全然扱えないのですか!」

布都「今日100日ぶりくらいの更新だったよ?…1分57秒ついに切ったんだよ?…これもうほぼ理論値なのよ…」

ミラ「はあ、仕方ありませんね。とりあえず今日で布都のステータスを一段落付かせるかを判決するためにレートを見てみましょうか」

物部布都 ステータス:物部布都 レート7800

ミラ「あれ?」

布都「え、どうしたのだ?まだやっぱり熟練度が足りないのか?」

ミラ(元々50%以上の熟練度は超えていたはずなのに80%も増えてる!?鍛えすぎたのかしら…?でも一体どうして…)

そう思うとミラは思い出したかのように目標タイムを再度思い出す。そしてミラはとんでもないことに気づいてしまう

ミラ「あ」

布都「どうしたのだ、ミラ?」

ミラ「目標タイム…1分58秒切りだった…」

布都「ほら~!やっぱり~!!!」

そう、ミラは不必要に布都のステータスを鍛えすぎたため、気づかない内に布都の熟練度が限界突破していたのである

こうなってしまうと他キャラのステータスの熟練度も同等にまで仕上げないとバランスが悪くなってしまうため、必然的に他キャラの熟練度も限界突破させないといけない

ミラ「えっと~布都様、明日から布都の熟練度に他キャラの熟練度も合わせて修行しないといけなくなるからちょっと熟練度測らせていただきますね~(そそくさ)」

布都「なんでなんじゃああ!!!もう嫌じゃああ!!!他キャラもこんなに走らないといけないなんて~!!!」

ミラは暴れたり逃げようとする布都を霧の湖のコースと一体化させ、無理矢理抑えつける。そして布都の熟練度を測る

ミラ「え~っと、熟練度は…200%、つまり本来の2倍の熟練度といったところですね。布都様、頑張りましょう!布都様なら他キャラも1年で同じように仕上がりますよ!とりあえず今日の分の50周!頑張ってください!」

布都「そうやって少し気まずい時は様付けして呼ぶのやめてくれないかのう!?」

そしてミラは本拠地としているコース上の輝針城から布都がひたすら激ムズショートカットであるFast Cradleを成功させながらの走りを見る

今更だが、コース王達の本拠地はコース上のどこかである。ミラのように家と言えるところに住んでいる者もいれば、家とは言えないような場所に住んでいる者もいる。

Fast Cradleとはクレイドル、正式名称【デーモンロードクレイドル】を使用し、輝針城の近くのU字カーブの手前にある不可視の壁判定と左から突き出ている落下判定の間をくぐり抜け、U字カーブを丸々スキップすることが出来る特大ショートカットである。ミラはこのショートカットを特に重視しており、Fast Cradleの成功率や精度などでレートを大幅に上下させるくらいである。

布都はまだ全キャラのFast Cradleが安定して出来るわけではない。やはり難しいキャラは成功率が60%くらいまで下がってしまう。ミラは目が見えなくても全キャラで100%の成功率となってもらいたいようだが、今の布都では不可能すぎることである。このFast Cradleは成功するのでさえ難しく、コンマ数秒のクレイドルの発動タイミング、微小な発動する向きのズレで失敗することもあるようなシビアな操作が求められる。これを布都はほとんどのキャラステータスで成功率100%かつ精度の高い落下判定ギリギリのラインを描いて成功させているのである。これは洗練された霧の湖の走者である証なのだ。

ミラ「うん、50周全部FC(えふしー。Fast Cradleの略)成功。全ラップ1分切り。合格ですね。」

布都「これあと21キャラやらないといけないのかのう…うう…辛い…」

こうして布都は身体、精神共に疲弊しているが、明日からは他キャラもひたすらに鍛えることとなる…

その日の夕飯はかなり豪華となったため、布都の精神はギリギリ立ち直ってくれた

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