第1話 噂話
本来の幻想郷に戻っても、幻想郷の住人達はあの異変のときのスタイルを再現し、レースゲームを楽しんでいた
そんなある日、霧の湖を走っていた物部布都が妖精からこんな噂話を聞く
「あの伝説のコース王って知ってる?」
布都「ほう、なんじゃ?それは」
妖精「この世界にはこんな伝説があるんだよ!」
この世界、スカイドリフトには次のような伝説があると言われてきた
各コースにはそのコースを本当に極めし者かを査定する【コース王】が存在している
スカイドリフトには現在21のコースがあるが、新しく開設された11のコースには【コース王】は存在せず、最初期からあった10のコースにのみ存在する
この【コース王】に認められればそのコースの【最適者】となる
最適者はコース王から【コース王の称号】と【恩恵】を受けられ、コース王は幻想郷全土を守るという使命を永遠に近い時間全うしてくれる
幻想郷の平和を維持するため、八雲紫はコース王と出会い、コース王に幻想郷を守ってもらいたいのだ
だが、現状はこのコース王に認めてもらうどころか、こちらから認識することすらままならないのだ
布都「認識ができない?なぜなのだ?」
妖精「それが私達も認識できない理由はわからないの、古い書物とかに残ってるんじゃない?」
布都「ならあそこに行ってみるかのう」
布都が向かったのはヴワル大図書館。ここなら伝説のコース王の書物も置いてあるはずだと踏んだのだ
現在はこの図書館はコースとして使用されることもあるため、1時間ごとにコースとしての施設と図書館としての施設とで切り替わる。今はどうやら図書館となっているらしい。
布都がコースとなって床に敷き詰められている反重力の本棚の上に乗りながら書物を探す。はっきり言って気持ち悪くなる。こんなに下を向きながら本を探すのはおそらくこの世界の住人しか経験しないことだろう。そうして困っているとパチュリーが声をかける。
パチュリー「あら、何か捜し物?」