6/6
ついに道徳を語るぞ!
「そんな装備で大丈夫か?」
ゲイルはクーパーに尋ねた。
「大丈夫だ。問題ない」
今日のクーパーは自信があった。
負傷して戻ってくるたびに、神から直接言われはしなかったが、
それとなく思っていた答えだ。
「くだらん戦争は俺には向いてない。
戦士は戦士でも、俺は企業戦士になる!」
クーパーは誇らしげにリクルートスーツを纏い、
就職というなの戦場に向かった。
「……ええと、会社説明会には……参加されてましたか?
あと……我が社の面接の解禁は6月からとなっておりまして……
今来られても正直……」
……などと、クーパーは会社の前で門前払いを食らった。そもそもここが何を生業としている会社なのかもクーパーにはわかっていなかった。
呆然と立ちすくむクーパーに、矢が射られる。
遠ざかる意識の中で、
神は言っている。まだ、死ぬ運命ではないと……あと、まずはアルバイトから始たら? と。
……あと、車の免許もとったら? と。
散々擦られ尽くしたネットミームで、道徳的な事を言う。了