わかった! じゃあ問題点をディスカッションしよう!!
「そんな装備で大丈夫か?」
ゲイルはクーパーに尋ねた。
「…… どうしたらいいと思う?」
前回の反省を活かして、クーパーはついにゲイルに質問をした。
ゲイルは少し驚いたが、こいつもようやく人の意見を聞くようになったのかと納得し……
「そうだなあ。次の戦場は標高の高い雪山になるだろう。
防寒と、擬態性を込めて白を基調とした装備がいいだろう」
「わかった! それでいく!!」
クーパーはついに人の意見に耳を貸した!
そして、白い毛皮の装備を纏い、合戦に向かおうとしたその時である。
「そんな装備で大丈夫か?」
と聞いてきたのは、ゲイルの同僚、アンディだった。
「……これじゃまずいか?」
「次の戦場は、熱帯雨林、アマゾンだぞ。
その装備だと動きやすさ、擬態性、暑さ対策、全てにおいてに最悪じゃないのか?」
「それは本当か!? 雪山だと聞いたぞ!?」
「雪山!? そんなわけがない! 政務官のゲイルがなぜ戦場の事を知っているんだ。
現場を知らないデスクワーク組の意見に耳なんて貸すな!」
「わかった!!」
クーパーは白い毛皮の装備を脱ぎ捨てた。
そして、迷彩柄の動きやすい服に着替えて合戦に向かおうとしたその時である。
「そんな装備で大丈夫か?」
そう聞いてきたのは、ゲイルとアンディの上官、フレディだった。
「……何か問題が!?」
「問題というより……次の戦場は水中だぞ?
酸素ボンベも持たないのか?」
「水中!!? ゲイルには雪山と言われ、アンディにはアマゾンと言われましたが!?」
「何、疑うのか! 私はその二人の上官だぞ!? 」
「それもそうだ……」
クーパーは、迷彩服を脱ぎ、マリンスーツに着替えて酸素ボンベを背負い、合戦場に向かった!!
合戦場の入り口にて……
「ごめんなさいお客様、本店はドレスコードが『エレガント』でして……
まあ余程のことがない限り我々も『エレガント』と解釈することは可能なのですがー……
『マリンスーツ』はさすがにちょと……」
今日の合戦場は、まさかの前回と同じ高級レストランだった!
クーパーは、戦場に立つことすら許されず、唖然としているところを矢で射られ、負傷した。
遠ざかる意識の中で、
神は言っている。まだ、死ぬ運命ではないと……あと、自分の頭で考えることも重要だよ? と。