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なら、頑丈な装備ならいいんだな?
「そんな装備で大丈夫か?」
ゲイルはクーパーに尋ねた。
「大丈夫だ。問題ない」
クーパーは爽やかな笑顔で返し……
前回の失敗を鑑みて鋼鉄製の重装備を身に纏い、合戦に向かった。
……戦場は、アドベンドンの砂漠。時刻は正午である。
鋼鉄の鎧は、矢を弾き返すには申し分なかったが、
足場の砂に足を取られ、実に1m進のに1分を要した。
……ところで砂漠に停めてある車のボンネットに、卵を落とすとどうなるかご存じだろうか?
目玉焼きが出来上がる。バライティ番組でよく見るアレだ。
鋼鉄の鎧の中はもはや、オーブンの内部と化していた。
ものの数分でクーパーは全身に火傷をおい、たまらず鎧を脱ごうとするが、
重装甲の装備はそうそう容易く脱げるものではない。
戦場の真ん中で大慌てで鎧を脱ごうともがいているクーパーは敵にも味方にも邪魔者扱いされた。
そして、ようやく上半身の鎧が脱げた頃、放たれた矢に射られた。
遠ざかる意識の中、
神は言っている。ここで死ぬ運命ではないと……そして、どこに行くかちゃんと確認してから準備を整えよ。と。