表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GOD Buddy ~ある日突然神から力を託されました~  作者: 白蛇白楽
ー盟約の核編ー【ウルニス迷宮】
58/65

58話 次の目的地


「リミットブレイクには必ず『代償』がある。」


「代償だと…?」


陽はその言葉に動揺を隠せなかった。



アポロンはさらに言葉を続ける。


「実際、迷宮でのあの時、君は何かに意識を乗っ取られていたよね。あれには君も気づいているはずだ。」


その言葉に、陽は顔を曇らせた。


「ああ、紋章が浮かび出てきて、力を使った瞬間意識を黒い影のような何かに飲み込まれたな…。」


「そう、つまりそれが代償だ。君が言っているその黒い影が及ぼす影響を君が完全に理解するまでは、無闇にリミットブレイクを使うのはあまりおすすめしないね…。」


「それじゃあ…大事な時に戦えないじゃないか!」陽は思わず声を荒げたが、アポロンは軽く笑い、片手を挙げて陽をなだめた。


「待て待て、最後まで話を聞くもんだよ。今現在、11人の召喚者のなかで既にリミットブレイクをしたのは君を含め5人。」


「5人…約半数も…。」


「だから、直接リミットブレイクを経験した人に手伝ってもらった方が早いと思ってさ。そこで、僕はアテナの召喚者である彼女――リーナ・ハートフォワードにお願いをしようと思ったんだ。」

そう言うと、アポロンはリーナに目を合わせた。


「なんだって!?リーナさんもリミットブレイクを!?そんなことリーナさん、ひとことも…」


「普通は言わないよ、あくまでも僕らは争ってる仲だからね。ただ今回はアテナからの許可はもらっている。僕が陽のことを話すって言ったら許してくれたよ。しかも君たちは同盟を結んだんだろう?身内の状況は知っておくべきかなと思ってね。良かったかい?リーナ。」


「良いも何も、神々で話は進んでいるのでしょ?勝手にして構わないわ。アテナが良いと言ったなら話します。」


リーナが陽の方へ向き直り、静かに言葉を続けた。


「陽、私はベオリアに来る前からリミットブレイクを習得していたわ。アテナの象徴である知恵の力をね。」


「知恵の力…?」


「ええ。この力で、勝率99.9%までの戦術を立てることができる。」


「なんだよ、そのチート…」


続けてリーナが話した。


「けれど、リミットブレイクには代償がある。知恵の力の代償は私の記憶。知恵の象徴であるアテナの思考が私の頭に流れ込むことは、私の脳にかなりの負荷がかかるの。まぁ、データを消して空きを作るイメージね。ちなみにアテナ曰く記憶の代償の大きさによって、勝率も変わってくるとのことよ。」



陽は眉をひそめながらリーナに問いかけた。


「ということは…リーナさんはもう既に記憶を…?」


「ええ。一回だけね。試し程度だから大した記憶ではないわ。」


「それじゃ、リーナさんが既にリミットブレイクを体験してるから、教われと…」


アポロンは軽く肩をすくめ、苦笑いを浮かべた。


「いやぁ、それが本来の予定だったんだけどね…。アテナが『それはダメ』だって。」


「当たり前だろ!記憶を代償と聞いて無闇に力を使わせるなんて!!」


声を上げる陽に対して、アポロンは頭を掻きながら少し困ったような表情を見せた。


「あー、うんうん。それもそうなんだけどね…何というか、別に彼女が力を使わなければいいから、特に問題はないのよ。それより、アテナからは『不純な男に私のリーナを預けることはできません』って言われてしまってね…あはは。」


「あなたって神は…何をやったんだか…」


陽が呆れた声で尋ねると、アポロンはどこか開き直ったような笑みを浮かべた。


「いやいや、僕にも思い当たる節はあるけどさ、陽。君のことも言ってるんだよ?」


「はぁっ!?」


陽は目を見開いて驚いた。


「そうだろ?リーナ以外にも、精霊の姫や狼族の騎士とか…いい感じなんだろ?」


「そそそ…そんなんじゃない!なあ!みんな…俺たちそんなんじゃ…!」


陽が慌てて周囲を見ると、セレーナは頬を赤くしながら下を向き、ライサは陽に向かって意味深なウィンクを送った。


「リーナさん…!」陽は助けを求めるようにリーナを見た。


リーナは軽くため息をつくと、冷たい視線を陽に向けて言った。


「私はあの二人みたいに簡単じゃないから。」

そう言ってそっぽを向いた。


陽はますます混乱し、アポロンは陽の反応に満足げに笑った。


「君も罪な男だねえ。」

軽い笑みを浮かべるアポロンに対し、カンジェロスが厳しい声で口を開いた。


「アポロンよ、話題から逸れると困るぞ。」


「あぁ、ごめんごめん。」

アポロンは肩をすくめながら話を続けた。


「ということで、今回リーナの力は借りられない。だから、陽!君には水の都アクエリアスに行ってもらうよ。」


「アクエリアス…水の都…それって、カンジェロス国王が言ってた…」


陽が思い出すように呟くと、アポロンは頷いた。


「そうさ!アクエリアスにはポセイドンが召喚した者がいる。彼にリミットブレイクを教わるんだ。」


「ポセイドンから召喚されし者が…そいつはどんな奴なんですか?」


「そうだな、恐らく召喚者の中でも3本の指に入るほどの強さだ!」


「なんだって…」


アポロンは陽を見つめながら、少し真剣な表情を浮かべて言葉を続けた。


「僕の中ではアテナ、アレス、ポセイドン。この三柱が召喚した者たちが、リミットブレイクを最も使いこなしている。そして――彼らは、君とは戦わせたくない存在でもある。」



「それほど強い存在が…」


陽が考え込むように呟くと、アポロンは軽く笑いながら肩をすくめた。


「まあ、安心して。ポセイドンには話をつけている。君が筋を通せば心強い味方になってくれるはずだ。」


そして、アポロンは話を締めくくるように言った。


「僕から話は以上。ベオリアの王よ、長くなりすまない。ということで、陽たちをアクエリアスに向かわせるけど、問題はないかな?」


カンジェロスは堂々と頷いた。


「ああ、もともと私から頼むつもりであったからな。ちょうど良い。感謝する。」


アポロンは満足げにニカッと笑みを浮かべた。



カンジェロスが再び口を開いた。

「では、アポロンの話が終わったとの事で私も先ほどの続きを話すとしよう。簡潔に伝える。よく聞いておけ。」


カンジェロスが改めて陽たちに向き直り、重々しい声で語り始める。


陽はカンジェロス国王の方を向き、次の指示に耳を傾けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ