本当は、(1)
僕が生まれてきた意味はなんなんだろう。僕が生きていく意味はなんなんだろう。と聞いた時皆綺麗事を言うけど、あの人は違かった。
「そんなものに意味も理由もないよ、ただいつも同じようなことを繰り返して存在しているだけ」と言った。初めての率直な応えで僕は戸惑った。すると、「難しいことじゃない、簡単に考えればいいんだ。息をするのと同じように簡単に」と続けて言った。その言葉に僕は、「生きていていい理由がほしいんだ」と言ってしまった。こんなこと言ってしまったら困るだろうと思い言わなかったことをあの人には何故か言えてしまった。あの人は少し黙った後にこう言った
「生きていていい理由は分からないけど、自分の身体と相談してみなよ。君が死にたいと強く想って死のうとしなければ生きたいってことだから生きていればいいし、死のうとしたなら死ねばいい。ただ、死に方を選ぶなら死なない方がいいと自分は思う。」と。あの人は僕の心に響く言葉をくれた。まだ僕は死ねないんだ。とも思った。
その日から僕はあの人を見つけては声をかけて、どこでもついていき、よく話すようになり友達になった。いつの間にかあの人は僕の生きる理由の一つになっていたのかもしれない。
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次回で名前と性別を公開いたしますので、それまで想像を膨らませていてください!続きをお楽しみに!