おねショタ
「なんかちょっとムカつく」
冷静に考えてみて、あゆねぇの答えはそう間違っているものでもなく、間違いなく迷ってきた僕の道を、進むべき道が自分の思っているものであると後押ししてくれる。
そんな言葉であった。
「ムカつくー」
だが、だがだ。
そんな真面目な話をされたら僕はもうイライラしちゃうというもの。
なんか、こう……ダメ人間に諭されるのはありがたいのだが、それでもどうしても反感が出てきちゃうよね。
普段とのギャップでもやもやしたものを抱えてしまう。
「えぇっ!?そんな、まじめに答えてあげたのにそんな仕打ちなんて……ちょっと興奮できなくない。が、やっぱり悲しいのだけど!」
「……普段からもっとしっかりしろし」
「ひどいっ!?私だって頑張っているのにぃ!」
「それは認めるけど、昔の知りあいの高校生の元に転がり込むのはちょっとダサい」
「む、昔の知りあいっ!?高校の私と、小学生の輪廻。あの頃の私たちはまさに模範的なおねショタコンビを組んでいたのに……いつからこんな風に距離が離れて……よよよ」
「いつの頃の話をしているのだよ!まったく……」
僕はあゆねぇのたわごとにため息で返す。
「ありがとね。相談に乗ってくれて」
「ん?うん、もちろん。いつでも頼ってくれていいからね?」
飲み終わったコーヒーのカップを僕は机に置き、そのままゆっくりと立ち上がる。
「それじゃあ、僕はお風呂に入ってくるから。あゆねぇは適当にくつろいでいて」
「はーい。私もあとでお風呂いただいちゃっていいよね?」
「うん、いいよ。それじゃあ、昔置いていったあゆねぇの服を洗面所に持っておいておくね」
「ありがとー……ねぇねぇ、ところでお風呂あがった後、久しぶりにゲームしない?絶対楽しいと思うわよ?どう、やらない、また二人で」
「あぁ、うん。やろっか」
「うん、やろー」
「それじゃあ、僕はお風呂に入ってくる」
「はーい、いってらっしゃい」
あゆねぇとの簡単な会話を済ませた僕はお風呂へと向かうのだった。
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