同期とマネージャーとの初通話(後編)
前書きもあとがきも基本何を書けばいいのか分からない僕です。
あ、あと主人公のライバー名を変更いたしました。
『皆さんお待たせいたしました。それでは顔合わせを始めましょうか』
私が緊張で通話を抜けようかと考えてきたその時に陽向さんが入ってきた。…危なかった。今日は初めての同期との通話だからここでやらかしちゃうと、後々同期とやり取りしづらくなっちゃうからな…。
『顔合わせと言いましても軽く自己紹介をして初配信の順番を決めるだけですので、みなさまそこまで緊張なさらなくても大丈夫ですよ。特に天海さん。人と喋るだけでかなり緊張してしまうようですし、雑談も交えますので、その間に緊張をほぐしましょう』
『は、はい』
陽向さん!名指しはやめてください!泣きますよ!泣いちゃいますよ?!…はぁ、そんなことを言ったってしょうがないか…。
『それでは始めていきましょう。まずはお互いのライバー名を使っての自己紹介を…、ともしかしてもう終わってますか?』
『はーい、さっき終わりましたよ~』
『そうですか。ありがとうございます、紅葉さん。これからは皆さんのことをライバー名で呼ばせていただきますので、よろしくお願いしますね。私のことは陽向さんではなく、マネさんやマネージャ―などと呼んでください。それでは皆さんのライバーとしての立ち絵に関してですが、先日完成しましたので、今この場でお送りしますね。確認ができ次第それをラインコードのアイコンに設定しておいてください』
『はーい分かりました~。あ、今来たこのメールに添付されてるデータがそうですか?』
『はい。紅葉さんのところには無事届いたようですね。パスワードも同時にお送りしますので、そのパスワードを使って開けてください。他の皆さんのところには届いておりますか?』
『は~い、私のところにも届いてるわよ~』
『うむ、我のところにも届いておるぞい』
みんなのところには無事に届いているみたい。…えっと僕のは、あ、あった!これか!えっとパスワードが…これか。これをコピーして…ファイルを開いて、パスワード入れて、あ!開けた!
『えっと、日葵さん?どうですか?届いてますか?』
や、ヤバイ…、立ち絵に見惚れてしまってた。そのせいで反応が遅れちゃった…。僕だけ反応遅れちゃってる…。また取り残されちゃう。いやまだ間に合う!
『は、はい…届いてましゅ』
『やはりまだ緊張はほぐれませんか…』
『ご、ごめんなさい』
『いえ、誤る必要はありませんよ。これから仲良くなっていけばいいのですし』
マ、マネージャーさん…。なんて優しいんだ。こんな私なんかに優しい言葉をたくさん投げかけてくれるなんて。
『あ~、マネちゃんがヒーちゃん泣かしたー』
『え?!い、いえ泣かしたなんてそんな!私はただ出来るだけ早く緊張をほぐしてあげようとしただけで』
『ははは、わかっておるわいマネ殿、紅葉が少しからかっただけじゃぞ』
『マネちゃんもそうやって焦るのね~。なんだか今まで話し方が事務的だったから親近感持てなかったのよね~。そりゃぁ日葵ちゃんじゃなくても緊張してしまうでしょうねぇ』
『え?!そうなのですか?!あ、あくまで私は仕事ですのでこのように接するべきかと思っていたのですが…。そうですか…。少しとっつきにくかったのですね…。ご指摘ありがとうございます。これからは私も少し素を出してみようと思いますので、今後ともよろしくお願いしますね』
『まだ固いわね~、ま、今はそれでもいいでしょ。これからよろしくねマーちゃん』
『ま、マーちゃん?!』
『ええそうよ。マネージャーのマーちゃん。みんなマネちゃんとかいうし、なんかありきたりなあだ名だなって思ってたのよね~。だから私なりに考えてみたの。あなたはマーちゃんよ』
『そ、そうですか…。ま、まぁいいでしょう。』
み、みんなすごい…。え?これ初通話だよね?なんでそんなに仲良く話せるの?なんでそんなにポンポンと話題が出てくるの?私、こんな風にならなきゃいけないの?無理だよぉ。
『ふぉっふぉっふぉっ、これこれ皆がそう一斉に話すとヒーちゃんが話に入れないであろう。話すのが楽しいのは分かるがのぉ。ふぉっふぉっふぉっ』
え?真珠ちゃん?!私にこの中に混ざれるコミュ力があるとでも?!いきなりはハードルが高いよ!どうしようどうしよう。え?これ私が発言しないといけない感じ?
『こほんっ、皆さんとりあえず話を進めましょう。私にはまだまだ仕事がありますので、親睦を深めるのは後にしてもらって…。いえ、私も皆さんと話したくないわけではないのですが…。何しろ今はデビュー前で忙しいものでそこまで時間が取れないのです。申し訳ありません』
『あらあらそうなのね…。マーちゃんも大変ねぇ。仕方ないわ、マーちゃんとヒーちゃんの親睦を深めるのはまた別日にしましょうか』
『え、えぇそうしてもらえるとありがたいです。ところで日葵さん大丈夫ですか?』
『へ?ふぁ、ふぁい!ダイジョブでしゅ…あぅ』
『大丈夫ではなさそうですが…。ま、まぁ初めての通話ですししょうがないですよね…。それでは次に皆さんのデビューの順番を決めさせていただきたいのですが、ステラライブとしては一番目に紅葉さん、二番目に真珠さん、三番目に蒼羽さん、最後に日葵さんと考えています。皆さんはそれで大丈夫ですか?』
え?わ、私がラスト?無理無理無理無理!絶対無理だよ!私がラストなんて!だって最後だよ?!最後の最後で失敗したらどうするの?!いやまぁ何番でも失敗はしないほうがいいんだけどさ。
『わ、私がラスト…なんですか?』
『えぇ、最後に日葵さんで失敗してもすぐに対応できるようにしたいとステラライブとしては考えております。失敗した場合はそのすぐあとに謝罪会見枠を用意することにしてあります。もし失敗しなかった場合は謝罪会見枠ではなくデビュー配信感想回という事で同期の皆さんとコラボしていただく予定ですので安心してください』
あ、私が失敗すること前提で進められてるんだ…。いやまぁ面接で泣いちゃったりしたから失敗しそうと思うのは当たり前だとは思うんだけどさ…。
『わ、分かりました。わ、私はダイジョブです』
『はーい!私も問題ありませーん!』
『私もそれでいいと思うわぁ』
『うむ。我もこれで大丈夫じゃよ』
『ありがとうございます。それではデビューの順番はこれで決まりですね。それでは今日の初顔合わせはこれで終わりです。この後はここは自由に使っていただいて大丈夫ですので、皆さんで親睦を深めたりなどいろいろしてもらって大丈夫ですよ。私は一度これで失礼させていただきますね。それでは皆さんお疲れさまでした』
そう言って陽向さんはラインコードの通話から落ちていった。その後、軽くみんなと話をしてその日は解散となった。…え?私がその会話で喋れたかって?ははは、何を言っているのかな?喋れるわけないじゃん察してよ。
面白い!続きが気になる!と思った方はブクマ&評価お願いします。