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面接(後編)

遅れて申し訳ない。内容がうまく思い浮かばなくて執筆に時間がかかってしまいました。ですがちゃんとあげていきますので今後ともよろしくお願いします。

「お待たせしました。それではお母さんはこちらのお席にお座りください。それでは改めて面接を始めたいと思います。お母様もいらっしゃるので改めて自己紹介をさせていただきますね。私の名前は陽向 夜宵と申します。本日はよろしくお願いします。」


 そう言って陽向さんは改めて目の前の椅子に座りなおし、自己紹介をしてくれた。私の隣に座ったお母さんは一瞬私に心配そうな目を向けてきたが、今は心配していても行動に移さずに、私の手を軽く握るだけにとどめていた。しかし、私にはそれだけで百人力で、涙も徐々に止まってきた。

 …よかった。本来面接には私一人で臨まなきゃいけないはずなのに、面接官である陽向さんが優しい人でお母さんの同席を許してくれて。でもこれ以上陽向さんに迷惑はかけられない…。


「よ、よろしくお願いします。」


「本日は娘が大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません。本日はよろしくお願いします」


!?!?!?お、お母さんも喋るんだ…。いやまぁ面接の場に呼ばれた時点で喋らないというのはおかしいけれども…。とにかく面接はもう始まったわけだ。しっかりしなければ…。いやお母さんを呼ぶ前から面接は始まっていたわけだけれども…。


「いえいえ構いませんよ。なんせこんな界隈ですから、やはりお一人では人と喋れないという人もたまにいますから…。まぁ泣かれたのは初めてですが…。私って怖いのかなって思ってちょっとショックでしたよ…(ボソッ)ま、まぁともかく面接を始めますね。まぁ面接とは言っても簡単な質疑応答だけですので、そこまで緊張しなくても大丈夫ですよ。今はお母様もいらっしゃるわけですし、思ったようにお答えください。」


 そう言って陽向さんは私に優しそうな笑顔を見せる。あれ作り笑いじゃないよね?ほんとは裏でもうさっさと答えて帰れよボケとか思われてないよね?ふぇぇ、怖いよ…。やっぱり私は人と関わるべきじゃないんだよぉ。


「それではまず一つ目の質問です。なぜ我が社を受けようと思いましたか?」


「え、えっとぉ、お、御社に所属しているVTuberのア、アイナちゃんに憧れて…。私もあんな風にみんなと話せたらなって…。後、母がいつの間にかとっていた動画で勝手に応募を…(ボソッ)い、いえなんでもないです。」


 お母さんが勝手に応募したことを言おうとしたら隣にいるお母さんから無言の圧を感じた…。お母さんは普段はかなり優しいけれど怒るとかなり怖いのだ。それはもう鬼神が憑依したんじゃないかと思うくらいには怖い…。だからお母さんには決して逆らってはいけないのだ。…恐ろしや恐ろしや。


「ふむふむなるほど…。確かにうちのアイナは今ではかなりの人気を誇っていますからね。憧れてしまうのも無理はないかと。ステラライブとしてもあそこまで人気になってくれて嬉しい限りです。おかげで今回の応募者もかなりの数になりまして…。御社も嬉しい悲鳴をあげております。それでは二つ目の質問です。天海さんは以前別のプラットフォームなどでの配信経験はございますか?」


「い、いえありません…。そもそも配信してたらこんなにコミュ障になってないというか…」


 うぅ、お母さん、質問攻めで怖い…、手握ってくれないかな…。そんなことを思っているとお母さんがそっと手を、私の太ももの上にのせてくれた。…流石私のお母さんだね。私の思ってることをよく察してくれる。お母さんには怒られたくないのもあるけど、こういうところでさらに頭が上がらなくなるんだよね…。もう、お母さんしゅき…。


 その後も何個かの質問を受けていたが、最初の二問くらいしか私の頭の中には残っていない。だってそうでしょ?!極度の緊張に面接開始直後にガチ泣き、そんなことしてたら頭空っぽになってなんて答えたかなんて覚えているわけがない。何なら最初の二問を覚えていたのが不思議なくらいだよまったく。…もう二度と面接なんて受けないからね。


 私が気が付いた時にはお母さんと一緒に手を繋いで家に帰ってきた後だったよ。まぁあれだけの失態を犯したわけだし、もう落ちたでしょ。もう私には社会復帰は無理だという事が分かったね。まぁ小説家として社会に出てはいるけども…。小説家としてデビューしてるのに社会復帰を求められるって不思議なはなしだよね~ははは。


 まぁもう落ちただろうし、ステラライブのことは忘れて私は小説を書くのにいそしもう。そうしよう。その方がメンタル的に安心だ。


 そして後日、ステラライブから通知書が来た。これはおそらく不合格の通知だろうな。まぁなんだかんだ言って私も少し受かりたい気持ちはあったわけだから、お母さんが帰ってきたら一緒に見よ。そうしよう。一人で落選通知を見て耐えられるメンタルを私は持っていない。だからお母さんと一緒に見るんだ。


------------------------


 お母さんが仕事から帰ってきたので、そのままお母さんと夕食を食べつつ、ステラライブから通知書が来たことを伝えた。夕食を食べた後にお母さんと一緒に確認することになったので私は少し急ぎがちにご飯を食べて、ついに確認するときが来た。


「じゃあ流君、見るわよ?」


「う、うん…お願いお母さん」


 そうやって母と私が同時に見たステラライブからの通知書にはこの文字がでかでかと書かれていた。


『合格』…と。

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