第一話 TSとVTuberとの出会い
VTuber物は初めて書くのでつたないものかもしれないかもしれないですがどうぞよろしくお願いします。
『みんな~おまたせ~!今日は雑談コラボしていくよ~』
:待ってた!
:今日はどんなポンを発動するのかw
:今日も可愛いね!
:今日もいいロリだね!
:今日は誰とてぇてぇするの?
『誰がロリじゃい!!!』
私の目の前のPC画面に流れるコメントにツッコミを入れる。
私は今VTuberをやっている。個人ではなく企業に所属しているのでかなりの人気になっている。これもひとえに先輩VTuberのお陰である。そんな企業にまさか元男でコミュ障の私が所属出来るなんて今でも夢のようだ。
どうしてこんなことになっているのか。それは少し過去に遡らなければ説明できないだろう。
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私は男だ。だが昔から女として生きていくことが普通だと思っていた所謂、性同一性障害というやつだ。
しかし、性同一性障害とは言っても私は普通に女の子が好きなのだ。だがこれはどうやら普通のことらしい。前にネットで調べたら、身体は男で心は女性の場合は女性を好きになる人は半分はいるらしい。また、身体は女性で心は男性の場合は、女性を好きになる人は8割、男を好きになる人は2割らしい。
まぁそんなことはさておき、身体は男性、心は女性の私は昔から周りからいじめられていたし、教師もそのいじめを見て見ぬふりをしており、私の安らぎと言える場所は家にしかなかった。
私の親は母親だけで幼いころに父は死んでしまったらしい。私は父の顔もまともに覚えておらず、母は私の為に一人で頑張って働いてくれている。
そんな母は私を溺愛してくれており、いつも私を気遣ってくれている。
だけど私はいじめに耐え切れず、そのまま家に引きこもってしまっていた。何なら引き籠ったまま数年経過している。
母はそんな私を無理に学校に行かせようとせずに、
「行きたくないなら行かなくてもいいわよ。いじめを容認する学校なんて行く必要ないわ。そ・れ・に勉強なんて家でも出来るしね!友達はできないかもしれないけどね・・・。」
と言ってくれたのだ。
そうやって引き籠っていたある日、私の身体は女になっていた。
そんなことを聞くと誰もが、何を言っているんだと思うだろう。だけどそれ以外に言いようがないのだ。ほんとに唐突に私の身体は女になったのだ。
私はそれに歓喜した。それはそうだろう。今まで心は女だったのに身体は男だったのだ。生きているだけでも違和感はぬぐえないし、自分の身体を呪いもした。それが急に私が望んでいた女性の身体に変化したのだ。それは大喜びするでしょ。
そこからの私は大変だった。まず母に電話して身体が女性になったことを伝え、その後、母と一緒に病院へ行き、なぜ身体が女性になったかの原因を調べてもらうことになった。その後市役所に行って、戸籍に登録されている情報を書き換える。その際、母から名前も女の子みたいな名前に変えるか聞かれたが、どうやら私の名前は死んだ父がつけてくれたらしく、男っぽい名前でも変える気にはなれなかった。まぁかなり悩んだけど。
病院や市役所には母と一緒に行っていたが、行く際に家でひと悶着あった。私が家に引きこもりすぎて、外に出るのが怖かったのだ。しかし、病院や市役所に事情を説明したり検査を受けたりするには私自身が病院に行かなければならず、駄々をこねる私をいつもは怒らない母が、心配して怒ってくれてそのまま病院に行くことになった。
結局事情説明は母が行い、私はされるがまま検査されていた。結局私の身体に異変は見られなかった。いや身体が女性化してる時点でそれが異変なんだけどね。まぁそれはともかく私の身体は何の変哲もない女の子になってしまったという事だ。やったね!ついに、ついに私はちゃんと女の子になれたんだ!これで学校にも・・・、いやいいやあんな人をいじめることしか生き甲斐がないような連中と楽しく過ごすなんて嫌だし、今更態度改められてももう本性を知っているから仲良くなれる気がしないしね。
結局身体が変わっても学校には行ける気がしない。だって人のいやなところを知っているから。小さい頃からいじめられていたから私はこんなにひねくれたのだ。今更人と関わろうとは思えない。
それに私は今、書いている小説が投稿した場所で人気になって小説家デビューすることができて結構な収入になっているからね。まぁそれもいつまで続くか分からないけれど。
それでも母になんとか今までの恩返しができたらいいと思うから出来るだけ続けようとは思っているけれどね。小説家としてデビューはできたが結局そこも母に頼っている部分がある。
それは担当者とのやり取りだ。私は結局コミュ障を治すことができずに母に担当者とのやり取りをしてもらっている。なので表向き小説の作者は母となっている。
母に小説の作家になってくれるよう頼んだ時に、母からは
「はぁ、あんた私が居なくなったらどうするつもりよ・・・」
なんて言われた。
それはそうだろう。母がいないと誰ともコミュニケーションをとれないのだから言われても仕方がない。それは男から女に変わることができても変えられなかった。実に私らしい。
そんなある日、ははが私にあるものを勧めてきた。それは動画でVTuberというものらしい。それを見てからの私は少しだけ変わった。その動画から私はVTuberにハマってしまったのだ。
そこからの日々は小説を書いたり、さまざまなVTuberを見たりとかなり忙しくなった。世にはほんとにたくさんのVTuberが居て、いろんな配信をしていた。ゲームや雑談、コラボ、朗読、ASMRなどがあった。私はその中でもゲーム配信にとてつもなく惹かれた。この世にはほんとにたくさんのゲームがあって、それを楽しそうに実況しながら配信してる姿を見ると私もとても楽しくなれた。
私は普段からゲームをすることはないけれど、小説のネタ集めとしいろいろなゲームを調べることはあったから、ある程度のゲーム知識はあったけれどいまだにプレイをしたことはなかったから、その楽しさというのをはっきりとは分からないけれど、私の推しはそれはもう楽しそうにプレイするのだ。
そんな推しを見て私もゲームをしてみたいなと思ったこともあるけれど、そもそも私は家から外に出れないし、学校を休んでいながら母にゲームをねだることもはばかられた。そのため私はゲームをしたことがなかったし、これからもするつもりもない。推しが画面の先で楽しんでくれたらそれでいいのだ。
そうやって小説を書いたり、推しを眺めたりしていたある日、推しからお知らせがあった。
そうそれは新規VTuberの募集である。
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