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第4話 古巣から 燕飛び立つ 覚悟あり

「おー見慣れた顔が三つだね。」

「眞月さん。どうしてここに?」

「いやぁ、カエデのところに前田君と菜火ちゃんが行ったって言うからね。」


この人は、眞月妙子まづきたえこさん。

俺が入社時の教育係で、マネジメント課第1ブロックのブロック長である。

麻木さんとは同期らしい。


「で、前田君。カエデはちゃんと仕事してるかい?」

「それがですね、苦手だからとか言って私たち二人でやれとかいうんですよ。」

「あぁ、またそんなこと言って。入社当時はTOP2だったのにね。」

「ちょっと、妙子。それ言うのやめて~。」

「はいはい、こんなんだけどよろしくね。二人とも。」


そういって、眞月さんはオフィスを後にした。

そのあと菜火と仕事割り振りして、メインで俺が、サブとして菜火がやることになった。

打ち合わせの日程を各タレントと連絡を取って今日の業務は終わった。

そのあと、眞月さんから「これから飲む?」というラインが来た。


菜火も一緒に行こうと思ったが、用事があるということで一人で行った。


「すみません。お待たせしました。」

「ううん。ごめんね。急に呼び出して。」

「いえ。眞月さんと久しぶりに飲めてうれしいです。」

「ありがとう。じゃあ、行こうか。」

「はい、今日はどこで飲むんですか?」

「まぁ、いつもの場所でいいんじゃない?」

「そうですね。じゃあ、行きましょうか。」

「今日は飲むぞ~。」


「いやぁ、それでどうなんだい?第3ブロックは。」

「まぁ、できたばかりなんでまだわからないですけど、順調ですかね。」

「カエデちゃんはどう?」

「麻木さんはなんであんなやる気なさそうなんですかね。」

「あぁ、それは・・・。あの子はあの子だから。やるときはやる子だから。」


まぁ、確かに掃除のときも黙々とやるときもあったか。


「うまくは言えないけど、カエデちゃんあー見えてさみしがり屋だから支えてあげてね。」

「はい、それはきちんとやります。」

「そういえば、第3に所属になった速水って子がいるでしょ?」

「あぁ、今日メールで日程連絡送りました。」

「あの子確か結構やばいらしいから、気をつけてね。」

「え、まじですか。どんなふうにやばいんですか?」

「うまくは言えないけど、一言でいえば『メンヘラ』かな。」

「ど、どういうことですか?」

「マネージャーを恋人扱いして束縛するらしい。」

「なんでこの事務所には変な人しかいないんですか。」

「ははは、うちの事務所は変人ぞろいだからね。」


結構飲み食い話をずっとしていた。

眞月さんは全然酔わない人なので、入社当時の話になった。


「いやぁ、でも前田君が入ってもう五年もたつのか。懐かしいなぁ。」

「自分も、いい年なんでそろそろ新しい立場にはなりたかったですけどね。」

「まあ、確かに私も5年目の時はブロック長だったわね。」

「眞月さんはやり手で、人望もありますしね。」

「そんなこと言っても何もでないわよ、人望あっても彼氏はいないけどね。」

「なんででしょうね?俺だったら告ってるのに。」

「うれしいこと言ってくれるじゃない。じゃあ、32になっても彼氏もいなかったら前田君と結婚しよう。」

「それでいいんだったら別にいいですよ。大歓迎です。」

「じゃあ、あと2年彼氏造らなくていいや~。」


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