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第2話 春風と ともに流れる 歌の色

「あぁ、やっときれいになりましたね・・・。」

「そうだな、これでまた寝床が増えたよ。ありがとう。前田君。」

「寝床?ここで寝てるんですか?家は?」

「あぁ、実家があるんだが、この年になって結婚もしてないなんてって親と喧嘩するから帰らないの。だからここでいつも寝てるんだよ。」

「体とか痛くならないですか?あと、着替えとかは?」

「なんだそんなに私の体に興味があったのか。私を泊めてくれればいくらでも抱けるぞ?」

「また、そんなこと言って・・。そんなことしなくても家くらい泊めますよ。」

「お、じゃあ、今日はこれから飲んで、一緒に前田君の家に行こう!」


そんな感じで配属初日で上司と飲みに行き、酔った上司を家に上げた。

後羽田に伝えたら、いいなぁとか、妬まれそうなので言うのはやめた。


朝目覚めると、カエデさんが自分のベッドにもぐりこんで寝ていた。


「ブロック長!?どうして自分のベッドに?」

「んん?あぁ、トイレで起きてベッドがあったからかな。」

「心臓に悪いです。」

「それはすまなかったな。私の体じゃ襲いたくないか・・・。」


すぐにそういう風につなげる上司であるということが一日で分かった・・・。


「さぁ、今日も会社行きますよ。洗濯とアイロンしておきましたから着替えてください?」

「あぁ、わかった。」


二人で朝ご飯を食べて、会社に向かった。

電車で移動するときはほぼ喋らずに一つ違う号車に乗った。

電車は満員ということもあって置換とかあったら大変だからでもある。


「す、すみません。乗ります。」


ドア付近に立っていたら目の前にスカートスーツの小柄な女性が乗ってきた。


「おう、菜火。」

「あぁ、前田先輩。よかった、前田さんいたなら安心して乗ってられる。」

「珍しいな。菜火がこの時間なんて。」

「今日から、前田さんと同じ部署に行くので楽しみで昨日眠れなくて。」

「え、お前今日から第3ブロックなの?」

「はい、昨日はたまたま、仕事忙しくて手伝えなくて。すみません。」

「あぁ、まぁ、別に大丈夫だったよ。」

「いやぁ、でもうれしいです。前田さんと一緒に働けるなんて。」

「おれも、菜火が第3ブロックに来てくれてうれしいよ。」

「ほ、ほ、ほんとですか?」


この子は、菜火彩歌なかさやか。俺の二つ下の後輩で俺が初めて教育係をした。

今日からまた、同じ仕事場になるらしい。


「それで、前田さん。麻木ブロック長ってやっぱ怖いですか?」

「え?怖い?あの人怖い人じゃないよ?」

「そうなんですか?聞いてた話と違いますね。」

「え?なんかあるのか?」

「え?前田さん、あの噂知らないんですか?」

「噂?」

「はぁ、前田さんって噂とか聞かないんですか?」

「聞くよ、あのコンビニのおにぎり上手いらしいとか。」

「それだから、乙女心もわからないんですよ。」



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