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第1話 桜咲き 春風吹いて 散る願い

「おい、前田。お前はどこ配属になったんだっけ?」

「あぁ。マネジメント課第3ブロックだよ。」

「あぁ、そうなのか。第3ってこの前作られた場所だよな?」

「そうみたいね。後羽田は?」

「俺は、宮城に転勤さ・・・。」

「え?宮城?」

「支社が四月に出来るらしいよ。」


うちの会社は、芸能事務所を経営している。

いろいろな会社を経営してるとは言え、毎年のように配属が変わったりする。

会社としても相当なブラックなので、やめた同期も多い。

約七割の210名ほど辞めたとも聞く・・・。


自分:前田征仁は、入社から5年でマネジメント第3という場所に配属された。


そして今日、そこの配属先に挨拶兼荷物移動のために第3ブロックのオフィスに向かった。


「はぁ、ここか。できたばかりだからきれいなんだな。」


そんな数秒前の扉の前に立って無責任な自分を叱りたかった。いや、殴りたかった。

誰もが見ても「汚い」の言葉がいち早く出そうな「汚部屋」だった。


「あのぅ。すみません?ここって、第3ブロックですか?」

「うんん。え?だれ?」


そこには、よれよれスーツのパンツ丸見えの女性がいた・・・。


「4月からこちらの配属となった前田征仁です。ブロック長の麻木さんってどこですか?」

「あぁ、君が前田君か・・・。麻木は私だ。」

「え?女性?麻木・・・なんて読むんだこれ?」

「あさぎかえでだ。更に照らすと書いて更照だ。」


なるほど女上司か。結構スタイルも良いし、俺好みの声もしている。

しかし、この部屋はなぜこんなことに?

まさかと思うがこんな見た目美人なお方が?


「どうした?私の体に何かついてるか?それとも、私を食いたいのか?」

「ぶふぉ、そ、そんなこと思ってませんよ。なんでこんなに会社のオフィスが散らかってるんですか?」

「あぁ、それは私がこれはやったぜ。」

「何をそんなに自慢げに?」

「褒めてくれるのかと思ってたんだが違うのか・・・・」

「片づけていいですか?」

「あぁ、別にやらなくていいぞ?どうせ、君もすぐにやめるんだから・・・」


なぜだかわからないがその時のカエデさんはその時寂しげであった。


「さぁ、ブロック長!一緒に片づけますよ?」

「えぇ?なんで私もやらねばならんのだ?」

「そりゃ自分で散らかしたんだから、やるに決まってるでしょ。」

「えぇ・・・。」


カエデさんは嫌々やりながら自分が散らかした部屋を片付けていた。

たった10畳のオフィスを片付けるのに3時間以上かかった。

出たごみをゴミ捨て場に捨てに行った際は、あまりのごみ袋の多さに周りが驚いていた。

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