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冒険の旅にでよう!!

「冬童話2021」応募作品です。

緑豊かな王国にヒカルという王子様がいました。

ヒカルは小さい頃から良き王様になるために勉強も運動も一生懸命がんばっていました。

それにヒカルは決して泣きませんでした。王様が泣いていたら国民が不安になってしまうと思ったからです。

ヒカルはいつも優しくてニコニコしていました。

【生涯の友】であるシズクとは大違いです。ヒカルは100点満点の王子様でした。


そうそう【生涯の友】についても説明しておかないといけませんね。

ヒカルの生まれた国では赤ちゃんが生まれると森の奥に生える妖精の木に挨拶に行くきまりがありました。

その時、妖精の木で赤ちゃんを待っているのが、赤ちゃんと同じ日同じ時間に生まれた妖精です。

赤ちゃんと妖精はそこで【生涯の友】の契約を結び、一緒に育ち一生を共にする約束をするのです。


ヒカルの【生涯の友】はシズクという名前です。

シズクはヒカルとは正反対。いつもシクシクと泣いていました。

飛んでいる最中に枝にぶつかってはシクシク、夜になると一人でトイレにいけないとシクシク…

でもヒカルはシズクが大好きでしたし、シズクもヒカルが大好きでした。


ヒカルが10歳になった時のことです。

ヒカルのお母さん、つまり王妃が亡くなりました。王妃はもともと体が弱かったのです。

王妃は亡くなる少し前にヒカルにこう言いました。

「ヒカル、あなたはとても頑張り屋でとても立派な王子様です。でもね。自分の心に素直になることを忘れてはいけませんよ。」

王妃の言葉はヒカルにはまだ難しくてよくわかりませんでしたが、王妃を安心させたくてヒカルは大きく頷きました。

でも、そんなヒカルを見て王妃は少し悲しそうな顔をしました。

「シズク、お願いね。」

王妃はシズクにそう言い、シズクは大きく頷きました。


暫くして王妃が亡くなった時、ヒカルは泣きませんでした。

本当は泣きたかったけれど、立派な王様になるには泣いてはいけないと思ったのです。

不思議なことにシズクも泣きませんでした。この日からシズクは泣かなくなったのです。


ある日、王様はヒカルとシズクに言いました。

「二人で王国をみておいで。大切なものを探してくるといい。」

「お父さん、大切なものってなんですか?」

ヒカルは王様にたずねました。

「それは自分で考えてごらん。お前たちならきっと見つけられるよ。」

しかし王様はそう言って何も教えてはくれませんでした。

困ったな…と思いつつも、ヒカルはシズクを連れて王国を巡る旅にでることにしました。

「シズク、頼んだぞ。」

王様はシズクにそう言い、シズクは大きく頷きました。

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